Introduction | Amoeba Culture


※2013年3月13日時点

Amoeba Culture(アメーバ・カルチャー)とは、韓国を代表するヒップホップ・アーティスト、Dynamic Duoと、やり手の女性社長コ・ギョンミン氏が2006年に設立した音楽レーベルです。所属しているアーティストは2013年3月時点で……

 

Dynamic Duo(ダイナミック・デュオ)

DD

 

Supreme Team(シュプリーム・チーム)

ST

 

Primary(プライマリー)

PR

 

Zion.T(ザイオン・ティー)

ZT

 

Rhythm Power(リズム・パワー)

RP

 

Yankie(ヤンキー)

YK

 

Planet Shiver(プラネット・シヴァー)

PS

 

以上、7組です。

昨年末に大きな話題となった(っていうか、私が一人でTwitterで大騒ぎしていた)『SBS歌謡大祭典』でのサイファーには、この中からDynamic DuoのGaeko(ゲコ)とChoiza(チェジャ)、そしてSupreme TeamのSimon Dominic(サイモン・ドミニク。通称サムディ、またはSimon D)が参加しました。

 

このサイファーにはYG Entertainmentに所属しているEpik Highもサイファーに参加していますが、昔からEpik HighはAmoeba Cultureとつながりが深いのです。Epik HighとDynamic Duoは、それぞれデビュー当時からお互いのアルバムに何回もフィーチャリングし合っていますし、2009年にはEpik HighとPlanet Shiverが合作アルバム『Remixing The Human Soul』をリリースしています。その当時、Planet ShiverはEpik Highが運営しているレーベル「Map The Soul」に所属していました。

YankieとEpik Highもつながりは深く、最近もYankieとTabloの2人はコラボシングルをリリースしています(後述)。なぜこれだけEpik HighとAmoeba Cultureのアーティストたちのつながりが深いのかというと、これも後述しますが、彼らは2000年に結成された「Movement(ムーヴメント)」というクルーのメンバー同士なんです。

Amoeba Cultureのアーティスト全員の紹介をちゃんとしたいところなのですが、1アーティストにつき1つの記事が書けるぐらいの量になりそうなので、それはまた別の機会にするとして。ここではAmoeba Cultureのレーベルとしての歴史や音楽を簡単に紹介したいと思います。

 


 

Amoeba Cultureは、2006年9月にDynamic Duoとコ・ギョンミン氏が設立しました。幼なじみでもある Dynamic Duo の Gaeko と Choiza は、元々「K.O.D」という4人組ヒップホップ・グループのメンバーとして1999年にデビューしました。その後「CB Mass」という3人組ヒップホップ・グループで2000年に再デビューして活躍するも、もう一人のメンバーであるCurbin(コビン)の横領事件を原因に、2003年に解散しました。それで改めて2人で出直すことになり、Dynaimc Duoとして2004年5月に再々デビューしました。ちなみに最初に入っていたグループK.O.Dは、今も別メンバーたちが活動を続けているようです。

余談ですが、このCurbinが起こした横領事件の被害に遭ったのが、Epik HighとYankieが所属していたチームのTBNYでした。この2組はおかげでデビューも遅れ、大変な迷惑を被ったようです。

次の動画は、CB Massが2003年にリリースしたサードアルバム『MassAppeal』のタイトル曲『동네 한 바퀴』のミュージックビデオです。この曲にはEpik Highがフィーチャリングしていて、ビデオにも出演しています。1:51あたりにTabloがいるの、分かります? 10年も前だけど全然変わらないですね!

 

ところで先ほど後述すると書きましたが、韓国ヒップホップ界にはDrunken Tigerを中心に結成された「Movement」というヒップホップクルーがあります。Drunken Tigerについては過去記事「Topic | XXL Magazineが韓国ラッパーを紹介」の一番下の項目「15. Tiger JK (Drunken Tiger)」をご参照ください。

Movementのメンバーは、Tiger JK / Dynamic Duo / ユン・ミレ / Sean2Slow / Deegie / Buga Kingz / Epik High (Tablo, Mithra眞, DJ Tukutz) / TBNY (Yankie, TopBob) / Leessang (Gary, Gill) / YDG(ヤン・ドングン) / ウン・ジウォン / Double K / Dok2 / Bizzy / Supreme Team (Simon Dominic, E SENS) です。

ただしMovementは公式にメンバーを発表していないので、このリストはあくまで憶測となっているそうです。Movementについては別に詳しく書いた記事があるので、そちらをご参照ください → Introduction | 韓国ヒップホップ・クルー:Movement

実は上に貼ったCB Massのミュージックビデオの後半のバーのシーンでは、Movementのメンバーがたくさん出演してるんですよ。Tabloだけじゃなく、メンバー総出なのです。本当に贅沢!

 

で、2004年にDynamic Duoとして新たに出直した2人は、2006年9月に晴れてAmoeba Cultureを設立し、アーティストが少しずつ増えていって現在に至ります。アンダーグラウンドですでに大スターだったSupreme Teamが加入したり、公開オーディションを通じてRhythm Powerが加入したりと、様々な方法で実力派アーティストたちを獲得していっています。2009年にはDynamic Duoの2人が兵役に行ってしまったので、その間はSupreme TeamがAmoeba Cultureの人気を支えつつ、プロデューサーのPrimaryが大活躍するなどしてレーベルは着実に拡大していきました。

Primaryが昨年末にリリースしたアルバム『Primary & The Messengers』には、Amoeba Cultureのアーティスたちだけでなく数多くの大物アーティストたちが参加しています。ベテランラッパーやシンガーから、Jay ParkやMBLAQのG.Oなどといったアイドルまで、実に多様なアーティストが参加している豪華版です。しかも全曲捨て曲なし。これは絶対に「買い!」です!


Primary & The Messengers

 

このアルバムの中で特に私が好きなのは『독(毒)』『Happy Ending』『See Through』『?(疑問符)』『멀어(遠い)』『요지경(万華鏡)』あたりです。とは言いつつ、結局のところ全曲お勧めです。Primaryの音楽って、楽曲のクオリティがめちゃくちゃ高い上に大衆性もバッチリあるので、音楽のことをよく知らない人からこだわりの強い音楽マニアまで、誰でも楽しめる音楽だと思います。

せっかくなので、今挙げた曲のYouTubeをいくつか貼っておきます。なお、『독(毒)』についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

 

Happy Ending (Feat. Jinsil , Gary)
Mad Soul Childのボーカル、Jinsil(ジンシル)の気怠い歌い方は、スウェーデンのバンドThe Cardigansを彷彿とさせます。Primaryの最も得意とするレトロな雰囲気が生かされている一曲です。Primaryはこの曲のように、ラテンやジャズの要素を入れるのが本当に上手です。

 

요지경 (万華鏡) (Feat. Supreme Team, Yankie, Mellow)
映像にもサウンドにもレトロ感が漂っていますね。マニアックになりがちなサウンドなのに、大衆性を損なわないのはさすがだと思います。Primaryの曲の良さは生楽器にもあるんだけど(しかも多くの楽器はPrimary自身による演奏)、この曲は特にブラスやハモンドの音がかっこいい。

 

アルバムのアートワークもこんな感じで可愛い!

Primary1.jpg

Primary2.jpg

 

あれ? いつの間にかPrimaryの紹介記事みたいになっちゃいましたね。でもまあ『요지경(万華鏡)』にはSupreme TeamとYankieが参加してるから、Amoeba Cultureを総括していたということで!

こんな感じで徐々に拡大していったAmoeba Cultureですが、2011年にはDynamic Duoの2人が兵役を終えて活動を再開させ、2012年には初のレーベルコンサート『Amoebahood Concert』も成功させました。ソウルや釜山など国内だけでなく、アメリカのLAとシアトルでも公演しました。前にアメリカで生まれ育った韓国人の子と話していた時、現地の韓国人コミュニティの大学生の間ではDynamic Duoがすごく人気だと言っていました。

そして先月16日と17日には『Amoebahood Concert 2013』がソウルで開催され、なんと、私も行って参りました! レポも書いたので、ぜひご覧くださいませ!

 

そんなAmoeba Cultureは、今年に入って新しいプロジェクトを開始しました。『NOWorkend』という名前のプロジェクトで、人々に日常の中に休息を与えるため、Amoeba Culture所属のアーティストが自由な形式でやりたい音楽を発表するというものです。この記事の上のほうにYankieとTabloがコラボシングルを出したと書きましたが、それがこのプロジェクトの一環だったのです。『NOWorkend』では、4月5日時点で次の5曲が発表されています。

 

第1弾:Gaeko – 될 대로 되라고 해 (なるようになれ)

 

第2弾:Yankie – 이놈 (こいつ) (Feat. Tablo)

 

第3弾:Zion.T – 뻔한 멜로디 (ありふれたメロディ) (Feat. Crush)

 

第4弾:Supreme Team – 그대로 있어도 돼 (そのままでいてもいい) (Feat. Crush)
歌詞の和訳はこちら

 

第5弾:Choiza – 없어 (無い)

 

以上、Amoeba Cultureのご紹介でした!

 


Sakiko Torii
About Sakiko Torii
BLOOMINT MUSICの運営者。イギリスでの音楽留学経験を生かした音楽的に深みのある記事が売り。独自スタイルのライブ企画、楽曲リリースのコーディネート、ライター活動、各種メディア出演など、韓国ヒップホップにおいて多方面に活躍中。著書に『ヒップホップコリア』。別名ヴィヴィアン。
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