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驚いたことに、この記事を書くのを8ヶ月も忘れていました。もうすぐ2015年を迎えようというこのタイミングで、『HIPHOPPLAYA Awards 2013』の結果を翻訳しました。年が明けたらすぐに2014年の投票受付が始まるはずなので、今ここで振り返るべきは2014年なのですが、今さら2013年を振り返ってみようと思います。
個人的な主観としては、韓国ヒップホップシーンは2014年よりも2013年のほうがおもしろかったように思います。2013年はControl大乱、サンプリング論争、盗作疑惑などトラブル続出で、語弊があるけどおもしろかったです。「変革のとき」って感じというか。だけど2014年は、その変革をうまく生かせずにシーン全体がメジャー指向になって、メジャーとアンダーのバランスが崩れたのが残念でした。音楽評論家のカン・イルグォン氏(例のサンプリング考察記事 を書いた方)も、ちょっと前にツイッターで、
「低すぎる著作権問題の改善を願ってあれだけ声高に叫んでいたのに、チャート向けのダサいラップ・ミュージックを売ってランキング上位に入り、それをSwagだと言っている。プライドは忘れ去られ、その時々の雰囲気に流され、自分の取り分を得たらたちまちリセットされる」
「今、韓国ヒップホップが全盛期だと? 知った風なことを。塀の中に閉じ込められていると現実を正しく見ることができない。今、韓国ヒップホップはこれまでになく出来が悪い」
と書いていました。下の文章は原文ママですが、上の文章は要約しています。そして上の文章はアーティストに向けて、下の文章はヒップホップファンや大衆に向けているようです。カン・イルグォン氏はつい最近もPaloaltoと「ヒップホップの大衆化」をテーマにトークイベントをやったくらい、このテーマについてご意見をたくさんお持ちの方です。たまにツイッターでこういう辛辣な意見を投下しますが、耳が痛い部分も頷ける部分も多いです。
とりあえずこの話は置いといて、もはや懐かしくもある2013年の韓国ヒップホップを振り返りながら受賞結果を見ていきましょう。2013年にリリースされたアルバムの中で、個人的に特に好きなのはChief Life (Paloalto)、HI-LIFE (HI-LITE)、折衝3 (不汗黨)、PINOcchio (Pinodyne)、Guerrilla Muzik Vol.3 ‘Exodos’ (Vasco)、RAP (P-Type)、Red Light (Zion.T)、시대정신 (PRIZMOLIQ)、AMBITIQN (The Quiett)、RUN VMC (Vismajor)、Swings #1 Mixtape (Swings) です。シングルアルバムも入れていいなら、Supreme Teamの最後の作品となった『Thanks 4 The Wait』も外せません。以上、SAKIKO’s Awards 2013 アルバム部門でした。受賞作品多すぎ(笑)
では『HIPHOPPLAYA Awards 2013』の結果発表をどうぞ。
1. 今年のアーティスト
Swings
1位:Swings (41.76%)
2位:Beenzino (16.99%)
3位:Paloalto (16.20%)
半数近くという高い支持率でSwingsが『今年のアーティスト』を獲得した。Swingsの2013年の足跡を振り返ってみると、徹底的に四半期に分けられたハード・ハスリングであった。年初に『#1 Mixtape』で始まり、Show Me The Money - Control - Bulldozerとつながる厳しいバイオグラフィーは、最初から最後まで印象的な追跡を刻印させて不動の地位を得た。
2位は2013年末に『Dali, Van, Picasso』を発表し、メディア活動を一度もせずにチャートを占領し、韓国ヒップホップを越えて韓国インディーシーンのネクストレベルを示してシーン全体を湧かせたBeenzinoが獲得した。3位はBeenzinoと僅差で隔世の感のクラスのアルバム『Chief Life』を発表したPaloaltoが獲得した。
Swings ミニインタビュー
圧倒的な支持率で今年のアーティストに選ばれました。1年間本当に休むひまなく走ってきた2013年を、ご自身ではどのように評価しますか?
僕は2011年、2012年と2年ほどものすごく不振でした。音楽的にもメンタル的にもまったく未成熟で、あまりにも辛くて劣等感も大きかったんですよ。そうするうちに2013年に入って「本当にしっかりしないといけない」と1年間走ってきましたが、振り返ってみると本当に面白かったです。「もう少し一生懸命やるべきだったのに……」という物足りなさは残るので、2014年はもっと良くしたいです。とにかく2013年には多くの方に支持していただき、とても感謝しています。
『Show Me The Money』では「ヒップホップの風格」に忠実な良いステージを数多く残しました。『No Mercy + Buffalo 2012』のようなステージは、HIPHOPPLAYA内でも熱烈なフィードバックが多かったですが、『Show Me The Money』出演後に変わったことはありますか?
僕はホンデに7年ほど住んでましたが、外に出て一日中調べてみても10人程度しか僕を知りませんでした。だけど『Show Me The Money』の第2話、第3話が放送された後、屋台の前にほんの20秒立ってたら50人くらいが集まってくれましたよ(笑)一度調べてみただけでこれほど差がついたんです。以前とはまったく変わりました。
Controlの話をせずにはいられません。ケンドリック・ラマーによって開始されたゲームでしたが、韓国ではアメリカとはちょっと違った方向でディス戦が進行された側面があります。スタートを切った立場として、どのように状況を見守っていましたか?
僕は自分がうまくできたことよりもできなかったことを見てしまうのですが、スタートを切ったとき、もう少し過激にやるべきだったと思います。どの部分かというと、ミキシングの状態もそうだし、歌詞で言及している人たちの本名を清々しく取り上げて強くやるべきだったのにそうしなくて、2~3回目のフィードバックでみんなが入り始めたでしょう。そこから遥かに面白くなった。だけどスタートを切るときはもっと強くやるべきだっと思います。どうせやるなら。
Control事件によって、ヒップホップシーンの外にいる人たちがヒップホップを見る視線も変化しましたか?
すべて見物しておいてそう判断するのは理解できません。例えるなら路上でのケンカでしょう。それを見て、眉をひそめながら通り過ぎるのは理解できます。だけど最初から最後まで状況をすべて見たのに、ひっくるめて判断することには同意できません。僕はエンターテイナーとしての役割を果たしたと思います。僕たちはただ単に皆と一緒に遊んだんです。もちろん大衆には見慣れない文化でしょう。だけど再びこのようなことが起こった場合、人々はもう少し受け入れることができると思います。例えば韓国で『黄色い髪』という映画が出たときは大きな論争を呼びましたが、それ以降はまばたきひとつしないでしょう。同様の現象だと思います。
『Bulldozer』はカバー曲が出るほど波及力が素晴らしかったです。『Bulldozer』が出ることになった背景やエピソードがあればご紹介ください。
Control事件の後に『For the lady』という女性のアルバムを準備していました。でも今は適切なタイミングじゃないような気がして、結局全部ボツにしてしまいました。ノイズ・マーケティングをするみたいで嫌でした。僕が元々やっていたことを単により楽しく、より強くやってみたのが『Bulldozer』です。
2014年も期待されているSwingsとJust Musicです。今後計画していることを簡単に紹介してください。
BrandNew Musicとしては、大企業で資本があるからミュージックビデオとか僕ひとりではできないことをできるだけ多くやる予定です。Just Musicとしては、僕が稼いだお金を投資して僕を待ってくれた仲間たちに責任を少し取りたいです。2014年はもっと見せたいです。
2. 今年の新人アーティスト
Crush
1位:Crush (23.25%)
2位:GRAY (22.60%)
3位:C Jamm (17.89%)
2013年はVV:Dが引き立った年だった。Zion.Tを筆頭にCrushやGRAYなどが頭角を現し、VV:Dはお互いに相乗効果を存分に与えた。『Crush On You』で2013年をスタートし、過去Zion.Tがそうであったように多数のフィーチャリングを通してヒップホップのボーカリストとして地位を確立したCrushと、AOMGに参入後にリリースしたファーストアルバム『Call Me GRAY』でプレイヤーデビューに成功したGRAYにより、VV:Dの認知度がブランド化された1年だった。今年の新人アーティストには、CrushとGRAYが23%でパーセンテージタイを記録し、わずかな差でCrushが今年の新人アーティストとして選ばれた。
3位は『Go So Yello』をリリースした$exy $treetのリーダーC Jammが獲得した。C Jammは様々なライブステージを通じて実力を証明し、アーティストの間で話題にのぼり、2013年最高のルーキーとして注目された。最近ではJust Musicに加入し、動向に対する期待感が集まっている。
Crush ミニインタビュー
HIPHOPPLAYA Awards 今年の新人アーティストに選ばれました。おめでとうございます。感想を一言お願いします。
本当に光栄です! 頑張った分だけ非常に大きなやりがいがありますね! 心より感謝します!
VV:Dクルーをはじめ、最近の新人の中で一番目立った歩みを見せています。Crushの2013年をまとめると、どうでしたか?
2013年は、僕の人生で最も大切な1年だったと思います。良い人々と素晴らしい音楽ができたことが大きな幸せでした。
まだアルバム発表前にもかかわらず、新人アーティストとして多くの支持を得ました。今年の4月にアルバムを計画しているそうですが、アルバムの簡単な紹介をお願いします。
僕のファーストアルバムは……たぶん僕がこれまで外部の活動として参加してきた曲とは違った感じで、非常に多様な試みをしたカラーのアルバムになると思います。
2014年の今後の活動計画について、何かメッセージをお願いします。
まず、ファーストアルバムが出るはずなので僕も本当に楽しみにしています。すぐにお聴かせしたいと思います! 2014年には多くの面でより旺盛な活動をすることになると思います。ご期待ください!
3. 今年のフィーチャリング・アーティスト
Crush
1位:Crush (33.24%)
2位:Beenzino (14.74%)
3位:Zion.T (13.51%)
フィーチャリング・アーティスト部門の最古参であるBeenzino、Zion.TをしのいでCrushが2冠を勝ち取った。Crushは2013年にDok2、Gary、GRAY、Supreme Team、Dynamic Duoなど様々なメインストリームのフィーチャリング活動でボーカリストとしての力量を余すところなく見せた。ヒップホップシーンのフィーチャリングボーカリストの系譜に名を載せ、キャリアをフィーチャリングの定番として開始! 2014年にはAmoeba Cultureからソロ作品を出すことになっている。
2位と3位には、フィーチャリング・アーティスト部門に毎年登場するフィーチャリング界の立志伝的な2人、BeenzinoとZion.Tが15%、14%の得票数で票を分け合った。Beenzinoは2013年に『無限に挑戦』の自由路歌謡祭、Mayson The Soul、P-type、Zion.Tのアルバムなどにフィーチャリングしており、Zion.Tもまた、Dynamic Duo、G-Dragon、Swings、Rhythm Powerなど様々なフィーチャリング活動を広げてきた。
Crush ミニインタビュー
二冠おめでとうございます。様々なフィーチャリング活動で1年をアピールしました。2013年は特にフィーチャリング活動に焦点を合わせたのですか?
いいえ。フィーチャリングに集中したというより、運良くいい音楽に参加する機会が多かったんです。
フィーチャリングのオファーがかなり多いようですが、オファーを受ける上での基準はありますか?
当然音楽です! そして一緒に作業をするときに感じられるバイブスを大切にしています。
最近Garyのミニアルバムにもボーカルとプロデューシングでフィーチャリングしました。作業中のエピソードがあればご紹介ください
Gary兄さんと作業できて本当に良かったです。レコーディングのとき僕の体調が良くなかったのですが、Gary兄さんとGRAY兄さんは僕がうまく歌えるようリードしてくれました。
4. 今年のアルバム
HI-LITE RECORDS – HI-LIFE
1位:HI-LITE RECORDS – HI-LIFE (28.35%)
2位:Swings – Swings #1 Mixtape Vol.2 (20.61%)
3位:Dynamic Duo – LUCKYNUMBERS (16.01%)
HI-LITEのコンピレーションアルバムが今年のアルバムに選ばれた。2013年も実にたくさんの秀作が出た1年だった。「これだ!」と思うような2013年を代表する波及力のあるアルバムを考えるとまちまちだろうが。HI-LITEのコンピレーションアルバムは素晴らしい秀作であり、HI-LITEの2013年の独壇場を作り上げる起点となったアルバムであることは間違いない。
Swingsの『#1 Mixtape』が2位を獲得した。繰り返しになるが、単純にミックステープと分類するにはあいまいなアルバムが多い2013年だった。Swingsのミックステープもその中のひとつであり、プロダクションのクオリティを見ても、このアルバムが置かれるポジションをアルバムと呼ぶのに遜色はなく、その性格を鑑みてアルバム部門に分類した。
3位には16%の得票率でDynamic Duoの『LUCKYNUMBERS』が選ばれた。Dynamic Duoは相変わらずヒップホップ界と歌謡界の間で安定感のある綱渡りをしている。そして一度も落ちたことがない唯一無二の大衆ヒップホップの達人であり先駆者だ。今回のアルバムもやはり数多くのヒット曲を生み出し、Dynamic Duoだけの固有のカラーを見せた。
Paloalto ミニインタビュー
HIPHOPPLAYA Awards 2013の今年のアルバム部門に『HI-LIFE』が選ばれました。感想を一言お願いします。
昨年はHI-LITE RECORDSにとって意義深い年でしたが、「今年のアルバム」まで受賞して気分がいいですね。今年も良い音楽でお返ししていきます。
レーベルやクルーのコンピレーションがたくさん出た1年でしたが、HI-LITEのコンピレーションを企画することになったきっかけやエピソードがあれば簡単にご紹介ください。
流行とは全く関係なく、所属アーティストたちの心がひとつになって一緒にアルバムを作ろうという趣旨で始めました。
このアルバム発表後、HI-LITEにさらに重厚感が出たような気がします。実際レーベルとして今回のアルバムはどのような意味を持っていますか?
ライブスケジュールが多くなり、慌ただしく作業したアルバムだったと記憶していますが、みんな楽しい気持ちで取り組みました。
今後のレーベル内でのアルバムの計画について簡単にご紹介お願いします。
今年はEvoのファーストアルバム『Beautiful Mind』、Huckleberry Pのファーストソロアルバム『gOld』、Reddyの『Imaginary Foundation』、B-Freeのサードアルバム、そして僕のプロジェクト、Lonely Hearts Clubのアルバムが発売される予定です。
5. 今年のプロデューサー
天才ノチャン
1位:天才ノチャン (29.53%)
2位:G-Slow (25.83%)
3位:Mild Beats (13.40%)
Just Musicの天才ノチャンが29.53%の得票で今年のプロデューサーに選ばれた。前衛的で未来志向的なバイブスを継承するように、いつ爆発するわからない爆弾を胸に抱えたようなプロダクションはソロ作品でそのカラーが頂上に達したが、2013年の1年間で参加したVasco、Basick、Swingsのアルバムではプロデューサーとしての力量を見せた。また、2013年にブームを起こしたControlのディス戦当時、主要な曲でビートメーカーとして名を上げて印象的な歩みを見せた。
2位は#ingシリーズで安定した結果を発表したG-Slowが、3位には『Beautiful Struggle』を発表し、Low-FiなBoom Bapアルバムでシーンを再び喚起させたMild Beatsが選ばれた。
天才ノチャン ミニインタビュー
HIPHOPPLAYA Awards 2013 今年のプロデューサーに選ばれました。おめでとうございます。簡単にご感想をお願いします。
ありがとうございます。これまでの人生では性格的に100人が僕を好きでも1人が僕の悪口を言ったら苦しんでいましたが、もう変わらなければならないと思います。投票してくださったすべての方に本当に感謝しています。悪口でもひどい批判でも、関心を集めることができることに感謝します。
Just Musicのメインプロデューサーとして活動していつの間にか時間が経ったようです。Just Musicが少数精鋭なだけにレーベル内での役割も格別だと思いますが、いかがですか?
Swings兄さんはいつも僕を多才多能に見てくれます。カバーをお願いされたり、プロデュース、ミキシング、レーベルとしての戦略も一緒に話をして意見を多く交わします(もちろん他のメンバーも僕と同様ですが)。だから僕自身の時間がずいぶん減りもしますが、いつもどんな作業でも楽しくやろうと努力しています。メンバー全員、自分の強みを前面に出してお互いを助け合いながら音楽を作っています。
ControlをはじめとするほとんどのSwingsの非公式な歩みは、ノチャンが一緒にやっていました。目的を持ったディス曲にプロデューサーとして参加することは、どのような点で負担になり得ますか?
音楽を辞めようとした瞬間、僕に手を差し伸べた人がSwings兄さんです。人間に捨てられて猛獣に育てられ、いつでもひたすら盲目的に従おうとする、そんな準備ができています。このディス戦を通じて僕が売れなくても、これによって相手や大衆が痛い目に遭おうとも、全く気にしませんでした。ディス戦は本当に楽しかったけど、5日くらいの間に合計5時間くらいしか寝ませんでした。僕は仁川に住んでいて、Swings兄さんがレコーディングをするのはソウルで、毎日通勤するように5日間を過ごしました。Swings兄さんの2番目の曲から録音を受け取って、『新世界』のビートも作業して、曲ごとにミックスして、その間にE-SENS兄さんの2番目の曲もミックスしたんです。当時はラッパーの誰VS誰のような緊張感は全く気にならなくて、ひたすらおもしろかったです。聴く人みんなが「ディス」「戦争」といった感じで没頭して、音楽的に楽しもうとしなかった点がちょっと残念でした。
ビートの部分部分でオマージュしてるのを感じられるのが魅力です。普段どんなことからインスピレーションを受けますか?
一番多く詰める部分ですね。皆さん「homage、motive、inspiration」を混同してはなりません。とにかく堂々としていられるのは、未発表の新しくて独創的な曲は軽く数千曲を越えているので、それを出しさえすればいいからです。ひたすら僕だけの選択で曲が世の中に出るわけではないから、その曲を選んだ人を恨みたくもなるでしょう。オマージュは格好よくやればいつだって格好いいものだと思いますよ。でもそれは僕の音楽を説明する10%程度でしかないということを分かってもらいたいです。僕がリミックスした曲や作業してきた他のすべての曲のユニークさを、人々がたった1~2曲で「あの野郎は真似ばっかりだ」と言いながら忘れてしまうのはつらいです。結局僕が仕上げさえすればいいのだから、僕の問題ですね。インスピレーションはどこからでも受けます。Just Musicのメンバーたちとの会話、映画、本、音楽、状況のすべてです。最近は音楽の音色やミキシング状態からインスピレーションを受けます。僕にインスピレーションを与えるものは何であろうと、ただひとつ必ずある共通点は「素晴らしいもの」です。簡潔に純粋な創作に関する話をしたいのですが、独自に作り出す純粋な創作というものはもうないと思います。現代社会に生まれた瞬間から、見聞きして感じることからの「純粋な」創作はできないと思います。粗雑な法律の枠の中で、そこに引っ掛かった盗作に対して戦っていると感じます。音楽や音楽機材のコミュニティに行くと「ヒップホップの誰それがまた盗作しましたね」「やっぱり盗作ですね」と言うのに、掲示板を見回してみると、Daft Punkのボコーダーサウンドはどうやって作ってるのか、Rihannaのあの曲のシンセサイザーのサウンド、Nirvanaのギター、ボーカルミキシングはどうやって似たように作れるのか議論しています。有名な海外のアーティストは自分たちのサウンドを創作したけど、それを同じように真似する方法を議論するというのは、創作が真似から行われていることを証明してるんですよ。単にそれが法に触れるか触れないかによって、後ろ指を差すか差さないかが決められてるんです。真似から始まることを恨めしく見てはいけません。盗作をすることは間違っていますが、それは盗作に「引っ掛かった」アーティストと原作者の問題なので、生きるか死ぬかを決めることはできないと思いますよ。
アルバムを足掛け3年作ってますが、ビートは3週間で全部作りました。もちろんもっと良くて新しいものが出来れば交換したりしましたが。ラップと歌詞、いくつかの内容を詰め込むことについて2年間ずっと本当に悩みながら苦しんでるのですが、早くやり遂げるつもりです。もう言い訳もできなくなりました。Just Musicに入って関心を受け始めて浮かれていたのも全部下がったし、落ち着いたアーティストになろうと常に努力しています。一生懸命やって完成させます。投票してくださった皆さん、改めて感謝します。素敵な1年となりますように!
6. 今年のDJ
DJ Wegun
1位:DJ Wegun (36.65%)
2位:DJ Kendrickx (19.72%)
3位:DJ Dopsh (12.82%)
最近ソーシャルネットワークの発展により、DJのUstreamでの個人放送がちょっとした動きを見せている。Fresh AvenueのUstream放送を介して定期的な周期で活動をすると同時に、Jam Session DJスクールでのDJing講演活動、IllionaireツアーやBACKnFORTHパーティーなど大型公演での専属DJ活動での地位を守ったDJ Wegunが36.65%の得票率でトロフィーを獲得した。
続いてDJ Kendrickxが20%の得票率で2位を獲得した。ADVの代表DJとしての地位から大・小規模のコンサート、Ustreamの個人放送に至るまで、1年間多彩な活動を広げてきた。個人主催の公演ブランド『HOPCAST』シリーズを導いたり、『Indibookin』という公演ページを介してインディーシーンをサポートするなど、インディペンデント・アーティストを超えてプロモーターとしての役割も果たし、ミックスセットの展開などDJ本来の役割としても充実した歩みを見せた。
3位には『Fluctuation EP』をリリースして、パニック障害状態である自身の不安定な感情を表わしたDJ Dopshが選ばれた。Grandlineが主催するライブのホストDJとして1年間多様な活動を広げてきた。
DJ Wegun ミニインタビュー
HIPHOPPLAYA Awards 2013 今年のDJに選ばれました。感想を一言お願いします。
一緒にパーティーをやっているBACKnFORTH (DJ Son、DJ Pumkin、Primary、Yumdda、VJ Hazard、Booba、トルベ)、Fresh Avenueのメンバーたち (FANA、Booba、Vida Loca) Illionaireのみんな、Buckwilds、そして今後一緒にやっていくAOMGのメンバーたちにこの栄光を渡します。
進行中のFresh AvenueのUstream放送についても簡単にご紹介をお願いします。
Fresh Avenueは、日本のDJたちとの交流中にUstream放送を活発にしている姿を見て始めることになりました。今はFANA兄さんと気楽にやっている放送です。Fresh Avenueは他のインタビューやラジオ媒体では簡単に扱うことができない……ミュージシャンに対する率直な考えや音楽の話で構成されていて、毎週水曜日20時に放送されています。
DJとして本当に多様な活動をされていますが、ご本人の活動で最も重要だと考える部分はありますか?
今は本当に色々なものだと思っています。スクラッチスキル、ミックス、ディギング、プロデューシング、ラジオ、パーティープラン、ファッション、映像など。今はもうDJがひとつのことだけ上手にやってもメリットがないと思います。だから僕に不足している部分をさらに満たしていこうと努力しているところです。
大型コンサートのメインDJとして活動をたくさんしましたが、何かおもしろいエピソードがあればご紹介ください。
昨年World DJ Festivalでのライブ中、ひとりの女性がDJブースの僕のところまで上がってきて踊っているのでRedbull Wingsチームかと思ったのですが、ただ単に酒に酔った女性で警備員に引きずられて行った思い出が……。あと、この前Illionaireのツアーで全国を回っていたとき、確か光州だったと思いますが、会場の音が本当に悪くてDJブースですごく大変だったのですが、突然メインスピーカーに火がついてライブが中断されたこともありました。BACKnFORTHパーティーをすれば、酒に酔った過激な方々がターンテーブルに酒を注ぐこともよくあるし……。その他にも機材に異常があったりMR問題で突然ライブミックスをしたりドラミングをしたこともありました。
ヒップホップDJとして、韓国ヒップホップに望むことや成し遂げたいことはありますか?
今年は個人的な作品やプロジェクトをたくさん出す計画で、BACKnFORTHパーティーでもさらに素晴らしい活動をお見せできるよう企画中です。Fresh Avenueも健康上に問題がない限り続けていきますし、この文化の中でずっと生きていくDJになりたいです。ありがとうございます。
7. 今年の曲
Beenzino – Dali, Van, Picasso
1位:Beenzino – Dali, Van, Picasso(21.72%)
2位:Swings – Bulldozer (5.64%)
2位:Gaeko – 될 대로 되라고 해 (느낌 So Good) (3.30%)
2013年下半期を見事に強打してドロップされた『Dali, Van, Picasso』の威厳は、シーンで期待できるパイの大きさをとんでもない数値で飛び越え、Beenzinoというアンダーグラウンドのスペシャルケースに対して改めて強制的に実感させられた興味深い「発売事件」だった。
2位は「これじゃあ今年はSwingsの年になるよ」と思った途端、さらにもう一度バーを上げたSwings。最後まで最善を尽くすプロらしいハッスルだった。
3位は、Gaekoの『될 대로 되라고 해 (느낌 So Good)』が選ばれた。今年の曲に選ばれるに相応しいメガトン級シングルはいくつもあったが、その中でも一番最初に公開されたGaekoの『될 대로 되라고 해 (느낌 So Good)』は、Gaekoの専売特許とも言えるタイトな「Rap shit」が聴ける決定版であり、Gaekoが韓国ヒップホップシーンでラップテクニシャンとして長年位置づけられてきたことが証明されたシングルである。
Beenzino ミニインタビュー
HIPHOPPLAYA Awards 2013の今年の曲に『Dali, Van, Picasso』が選ばれました。感想を一言お願いします。
リリース当時、予想よりも大きな成果を成し遂げたと思って嬉しかったです。また、アートワークを手伝ってくださった方々 – モデルのキム・ウォンジュンさん、カメラマンのキム・サンゴンさん、ヘアメイク担当のチャン・ヘインさん、それから僕たちのアートワーク・クルー『IAB』のキム・ハンジュン、シン・ドンミンには本当に感謝しています。一方でサンプリングに関する問題が起こった点について、ファンに申し訳ないという気持ちもあります。だけど明らかに今回の経験を通じて、今後もっと良い曲を出すことができると信じているので、心配せずに楽しみにしていただきたいです。
2013年は波乱の1年でした。Beenzinoの2013年はどうでしたか?
僕がやりたいことを見つけて過ごした1年だったと思います。友達とずっと前から夢見ていた作業室を作って、一緒に遊んで作業して。2014年も楽しみにしています。
『Dali, Van, Picasso』のリリース後、他ジャンルのアーティストたちから絶賛を受けてジャンル内外に強くアピールをした曲でしたが、大衆にアピールすることができた点はどこにあると思いますか?
一般的な大衆歌謡曲に比べて曲がユニークですし、曲を作業していた当時の僕のバイブスがリスナーにもよく伝わったと思います。そして単に聴くだけで終わるのではなく、リスナーが何かをしたいと思うようにインスピレーションを与える音楽なのではないかと思います。
ニューアルバムを準備中だということですが、どのようなアルバムになるのか簡単にご紹介お願いします。
まだ輪郭がはっきりしていません。ただ、僕が本当に興味を持って作業した曲で満たしたいと思って、意味なく消費される曲にはならないよう願います。
8. 今年のミュージック・ビデオ
不汗黨 – 不汗黨歌
VIDEO
1位:不汗黨 – 不汗黨歌 (19.37%)
2位:T.O.P – DOOM DADA (8.40%)
3位:Ugly Duck, Zico, Crush – 느낌 So Young (8.33%)
2013年最高の期待作のひとつであった不汗黨(プランダン)のコンピレーションアルバムのタイトル曲『不汗黨歌』が今年のミュージックビデオに選ばれた。映像チームNaïveの作品で、最後のMC Metaの竹林のシーンでは、撮影のために全羅北道益山市の竹林まで出向いて木を振って落ち葉を演出したという。
2位に選ばれたT.O.Pの『DOOM DADA』のミュージックビデオはソ・ヒョンスン監督の作品で、既存のメジャー音楽のカラーとは明らかに異なるコンセプトの音楽やビデオを見せた。
Gaekoの『될 대로 되라고 해 (느낌 So Good)』のオマージュ曲である『느낌 So Young』が3位に選ばれた。新世代の主役であるDo’mainクルーのZicoとUgly Duck、VV:DクルーのCrushがコラボして注目を浴び、映像はミュージックビデオの制作チームProduct 9ood’sが引き受けた。2013年は、これまでシーンで知名度の高かったディレクターに加え、新たに登場したJan’Qui、August Frogsなどの活躍が目立った1年だった。
Naïve ミニインタビュー
HIPHOPPLAYA Awards 2013 今年のミュージックビデオに不汗黨歌が選ばれました。感想を一言お願いします。
2011年から私たちの作品がHIPHOPPLAYA Awardsにノミネートされ続けていましたが、一度も1位を取れなかったでしょう。ついに取れましたね。ありがとうございます(笑)
曲自体がそうですが、ミュージックビデオのコンセプトもとても韓国的です。コンセプトの簡単な説明をお願いします。
コンセプトが韓国的に見えるのは、曲自体が与える影響が大きいようですね。ビデオのコンセプトは、単に東洋的にやってみただけです。実際曲を初めて聴いたときはインパクトがあまりにも強くて、どうやってビデオで解釈するか大きな負担でした。最初は大規模な戦争シーンを撮ろうともしました。進撃する感じで(笑)最終的には条件上、東洋的なジャンルでラッパーたち各自のキャラクターを作る方向に変えました。キャラクターにはいくつかアイディアが出ましたが、Naachalさんの修道士のキャラクターはMetaさんのアイディアです。
ミュージックビデオは大変苦労して撮影されたと伺っていますが、撮影中の面白いエピソードがあればお聞かせください。
Metaさんと竹林で撮影する日、Naachalさんの撮影もありました。Naachalさんのシーンは彌勒寺址の石塔でしたが、トップが思ったよりも大きすぎますよね。結局Naachalさんのシーンはスタジオに変更されたので、その日のNaachalさんは長距離運転をしただけでした。
今後、企画しているヒップホップ関連の映像コンテンツはありますか?
はい。ヒップホップアーティストとのミュージックビデオがいくつか企画されていますが、まだ秘密です(笑)
9. 今年のR&Bアーティスト
Bumkey
1位:Bumkey (33.89%)
2位:Crush (24.14%)
2位:Zion.T (19.62%)
2013年、今年のR&BのアーティストにはBrandNew Music所属の多くのアーティストたちと安定したコラボ活動を繰り広げたBumkeyが選ばれた。 2位は24%の得票率でCrushが、3位は20%の得票率でZion.Tが選ばれた。Zion.Tは2013年、自身のファーストアルバム『Red Light』をリリースした後、年末にユニークなコンセプトのミニアルバム『ミラーボール』をリリースして安定した創作意欲を見せた。
Bumkey ミニインタビュー
HIPHOPPLAYA Awards 2013 今年のR&Bアーティストに選ばれました。感想を一言お願いします。
音楽を始めてからいつの間にか10年目に入っていますが、最終的に自分の作品として遅ればせながら、より多くの方々に僕の音楽をお聴かせすることができてとても幸せです。僕には本当に奇跡のような1年でした。これを足掛かりにリスナーの方々の期待に応える素晴らしい音楽を続けていきます。ありがとうございます。
2013年には様々な活動をしました。記憶に残る瞬間はありますか?
活動からは少し離れた回答になりますが、 『갖고 놀래(弄ぶよ)』をリリースしたとき、リリースから1時間後にチャート1位にランクインしたときは本当に、あの日のあの気持ちはいつまでも忘れられないと思います。
多くのヒット曲が出ましたが、特に愛着のある曲はありますか?
僕が発表してきた曲はほとんどがフィーチャリングで、ソロ作業をするまでに本当に長い時間が掛かりました。今の僕が存在するのは全部その時間の中で各々のすべき仕事を着実にやって曲を作ってきたからなので、特定の曲を選ぶのはちょっと難しいです。 実際僕にとっては、1曲1曲がみんな子供のようなものです。それでも選べと言うなら、その時間と努力によって作り出した初めてのソロ曲『미친 연애(狂った恋愛)』ではないかと思います。
先日前ヒップホップグループTROYのメンバーとしてデビューする計画も明かしましたが、どんな音楽性のどんなチームなのか簡単にご紹介お願いします。
TROYはある意味Bumkeyの延長線にあるようなものですが、1人では絶対にできないようなものを作り出すチームになるでしょう。格好良くて楽しい作業をたくさんするつもりです。
2014年のアルバム計画をはじめとする活動計画について、メッセージをお願いします
まず、TROYのデビューが目前に迫ってきました。TROYのリーダーとして自分の役割を果たして、またBumkeyとして僕のやるべきことを果たすために最善を尽くします。今まで応援してくださった愛に報いることは、良い音楽をたくさん作ることです。常に未熟な僕にたくさん愛をくださり、感謝するだけでなく、必ず皆様にお返しできるようがんばります。BrandNew Musicを応援してください。ありがとうございます。
10. 今年のコラボ
느낌 So Young (될 대로 되라고 해 Remix)
VIDEO
1位:Ugly Duck, Zico, Crush – 느낌 So Young (될 대로 되라고 해 Remix) (21.40%)
2位:Epik High – 420 (Feat. Double K, Yankie, Dok2, Sean2Slow, Dumfoundead, TopBob, MYK) (20.93%)
3位:Dynamic Duo – 만루홈런 (Feat. Supreme Team, DJ Friz) (13.06%)
Gaekoのヒットシングル『될 대로 되라고 해 (느낌 So Good)』をオマージュした『느낌 So Young』というカバー曲で、新世代の実力を見せたルーキー3人の組み合わせが今年最高のコラボで1位を獲得した。
2位にはデビュー10周年を記念して発表したEpik Highの無料公開シングル『420』が選ばれた。フィーチャリング陣にはEpik Highの長年の音楽仲間たちが集まり、より意味あるものとした。3位には、もう簡単に見ることができなくなってしまった断種されたコラボ、Dynamic Duoの『만루홈런(満塁ホームラン)』でのDynamic Duo×Supreme Teamが選ばれた。
11. 今年のミックステープ
Crucial Star – Drawing #2: A Better Man
1位:Crucial Star – Drawing #2: A Better Man (28.02%)
2位:C Jamm – Go So Yello (26.05%)
3位:New Champ – 전시의 밤 (18.50%)
Crucial Starのミックステープが28%の得票率で、今年のミックステープ1位に選ばれた。Olltii、GRAY、FANA、Donutmanなどのフィーチャリング陣が参加し、発表されるミックステープのクオリティがますます上がっていく中、ボーナストラックも2曲入れてぎっしり詰まった15曲のミックステープは、『A Better Man』というタイトル通り、さらに発展した現在の姿を見せようと努力したアルバムだ。
C Jammの2作目のミックステープ『Go So Yello』が2位に選ばれた。C Jammは2013年の1年間、数多くのライブステージで新人とは思えない技量を見せ、2013年最高のルーキーという位置づけに置かれている。アルバムにはC Jammのクルー$exy $treetのBewhy、Keebo、Lazy Bonesが主導的に参加し、その他にもOlltii、Jay Moon、Ugly Duck、Rhythm PowerのBoi Bなどが参加した。
New Champの『전시의 밤(展示の夜)』が18%の得票率で今年のミックステープ3位を獲得した。合計18曲が収録され、New Champのクルー、Guereallazのほか様々なフィーチャリング陣が参加した。ディス曲収録の有無においてアルバム発表前から関心を集めたミックステープだったが、ディス曲の当事者とアルバム発表前に和解をし、ディス曲が外されることとなった。
Crucial Star ミニインタビュー
HIPHOPPLAYA Awards 2013 今年のミックステープ部門に選ばれました。おめでとうございます。感想を一言お願いします。
ありがとうございます。本当に考えてもみなかったです。楽しく聴いてくださったファンの方々に心から感謝申し上げます。最近は気力が少し落ちていたのですが、もっと頑張れという意味だと思って次のアルバムも一生懸命準備します。
これまでのCrucial Starのカラーとは全く異なるアルバムでした。ミックステープを作成するとき、どのような部分に重点を置いて作業しましたか?
僕の成長について話したかったんです。アルバムのタイトル通り、より良い男になった僕の姿です。昨年は良くないこともあってたくさん批判も受けましたが、そのことについて頭を下げて謝罪するより、もっと自分を省みる姿と、よりハッスルする姿を見せたかったです。
アルバムも計画されているそうですが、簡単にご紹介お願いします。
僕の限界、僕の偏見を完全に壊してしまう新鮮なアルバムを作りたいです。だけどその一方で、僕の長所と独自のスタイルは守ります。今、構想作業と曲を受け取る作業はほとんど終わって、レコーディングに入るところです。
ミックステープというアルバム形式の分類で、区分がますます曖昧になっていると思います。Crucial Starにとってミックステープの基準とは何ですか?
絵に例えるならドローイングブックのような存在だと思います。だからミックステープのタイトルにも常にDrawingを付けてるんです。僕にとってミックステープとは、瞬間瞬間のインスピレーションをよどみなく表したフィルターのないアルバムのようなものです。アルバムの作業中にストレスが溜まったら、ミックステープの作業でストレスを解消する感じです。
2014年の計画の概要について説明をお願いします。
2014年は僕にとって最も重要な年になると思います。できるだけ多くの曲を出したいですし、できるだけ多くのライブをしたいです。まずはもうすぐ出るファーストアルバムを楽しみにしていてください。ありがとうございます。
12. 今年のヒップホップコンサート/フェスティバル
HIPHOPPLAYA SHOW 2013
1位:HIPHOPPLAYA SHOW 2013 (23.87%)
2位:2013 ONE HIPHOP FESTIVAL (12.21%)
3位:Huckleberry P 単独公演『분신(焚身)』シリーズ (10.81%)
23.87%の得票率で『HIPHOPPLAYA SHOW 2013』が今年のヒップホップコンサートに選ばれた。3年ぶりの空白を破って再稼働したHIPHOPPLAYA SHOWは、舞台演出チームEMFFL ENTとのコラボレーションで行われ、Ustreamを介して全世界に生中継されるなど、これまでのヒップホップ公演で試されなかった様々な演出を通じて大盛況のうちに終え、ヒップホップファンには2013年を代表する公演として刻印された。HIPHOPPLAYA SHOWシリーズは今年も引き続き行われる予定で、現在HIPHOPPLAYA SHOW 2014 Part.1の前売りが販売中だ。
2位はTygaやNellyの訪韓で関心を集めたONE HIPHOP FESTIVALが12.21%の支持を受けた。ミュージシャンの自主的な公演ブランドが雨後の筍のごとく次々に生じる中で、単純に1回限りのライブではなく『분신(焚身)』という同名のタイトルで1年間に2回行なって成功させ、ライブシーンに定着させたHuckleberry Pの『분신(焚身)』が3位に選ばれた。
13. 今年のアルバムジャケット
Beenzino – Dali, Van, Picasso
1位:Beenzino – Dali, Van, Picasso (11.51%)
2位:FANA – FANAttitude (10.93%)
3位:Zion.T – Red Light (6.99%)
Beenzinoの『Dali, Van, Picasso』が今年のアルバムジャケットに選ばれた。Beenzinoが主導になって作られた今回のカバーアートは、ファッションモデル、キム・ウォンジュンとの合作としても注目を集め、衣装や小道具にもアートワーク制作に心血を注いだという。着用したネックレスはアートワークのために特別に製作したもので、サルバドール・ダリの代表作『記憶の持続』、ゴッホの自画像、そしてパブロ・ピカソの『アヴィニョンの娘たち』が表現されている。
イラストレーター、JangkoalとコラボレーションしたFANAの『FANAttitude』が2位を、少し前にA$AP ROCKYとのコラボレーションで話題を集めたデザイナー、Rudcefが手掛けた『Red Light』が3位に選ばれた。
Beenzino ミニインタビュー
他の媒体のインタビューを見ると、アートワークに対する自負心が格別だったようです。アートワークを通して表現したかったことについてご説明いただけますか?
いつでもどこでも目につく若いアーティストのオーラを表現したかったです。
ご自身はでないモデル、キム・ウォンジュンをジャケットに入れたのには特別な理由があるのですか?
カバーに僕の姿を出すのはとても陳腐に思えました。専門家も趣味も関係なく、創作活動をするすべての人々に該当する曲なのですが、モデルでありながら同時に『87mm』いう格好いい動きを見せて、ルックスまでもが尋常ではないウォンジュンがピッタリだと思いました。そして最後に、野暮ったくないトレンドを加えたかったんです。
音楽と美術を並行しているので、多くの部分で相乗効果が出せると思います。今後の作品にもそのような相乗効果がたくさん反映されると思いますが、音楽と美術を一緒にやる上での最大の利点は何ですか?
まず、退屈せずに自分がやりたいことの思考を一歩発展させることができるのでお勧めします。そして僕のアートワーククルー『IAB』のメンバーと一緒に過ごすのは、ただ音楽だけ聴いている時間よりも様々なインスピレーションを与えてもらえて良いです。
14. 今年の歌詞
Ayo 정기석 니 X지 잡고 뜯을까 (Swings – 황정민より)
1位:Ayo 정기석 니 X지 잡고 뜯을까 (Swings – 황정민より) (5.55%)
2位:네가 한 대 때리면 난 4대 갚아 그게 너와 나의 세 대 차이야 get it? 어린놈아? 이게 너와 나의 세대 차이야 (Swings – Bulldozerより) (5.05%)
3位:다 드루와 이 XX놈들아!!! (Swings – 황정민より) (3.03%)
2013年最大のイシューだったControlのディス戦を通して発表された数多くのディス曲のうち、中心人物だったSwingsの歌詞が流行のように広く知られ、Swingsのディス戦キャリアに様々な面で記憶されるほどのヴァースを残した。センスあふれる奇抜なラインではないが、マッチョで直接的な語法のラインが状況と噛み合い、ディス戦で感じることができる最高のカタルシスを作り出し、リスナーから最高の得票率で支持を得た。Swingsの兵法は「最高の防御は最善の攻撃である」
1~3位まですべてSwingsの歌詞が占めており、わずかの得票差で2位となった『Bulldozer』のラインを除いて、すべてディス曲の歌詞から選ばれるという笑えない結果となった。
翻訳+解説 by SAKIKO
1位:Ayo チョン・ギソク お前のXXXをつかんでむしり取ってやろうか(Swings 『ファン・ジョンミン』より)
この『ファン・ジョンミン』という曲は、Control大乱 のときにSwingsが出した2つ目のディス曲です。チョン・ギソクとはサムディの本名で、XXXはご想像通りのものです(笑)ファン・ジョンミンというのは韓国の俳優さんで、2013年に主演映画『新世界(邦題:新しき世界)』が大ヒットしました。この曲の中でSwingsがディスした相手の1人であるUgly Duckが、Molotov(VascoとJay Kidmanのチーム)のアルバムでフィーチャリングした『Watch Out』という曲で「“こっち来い” 新世界 ファン・ジョンミンの姿勢」とラップしていることからつけられたタイトルです。ちなみにSwingsが出した3つ目のディス曲のタイトルは『新世界』でした。
2位:お前が1発殴れば俺は4発返す それがお前と俺の3発差だよ get it? 若い奴? これがお前と俺の世代差だよ(Swings 『Bulldozer』より)
韓国語で「世代差」というのは「3発差」と同じ発音なのです。つまり発音的には「お前と俺の3発差だよ」と「お前と俺の世代差だよ」がまるっきり同じということです。get it? は「分かるか?」って意味ですね。
3位:みんなこっち来い このXX野郎ども!!!(Swings 『ファン・ジョンミン』より)
XXに入る言葉は、韓国語で一番汚い言葉です。英語で言うとFuckが一番近いと思います。「こっち来い」というのは、1位のほうの解説に書いた通り映画『新世界』でファン・ジョンミンが言ったセリフで、韓国で流行語になったそうです。
15. 今年のレーベル/クルー
HI-LITE RECORDS
1位:HI-LITE RECORDS (34.88%)
HI-LITEの1年だった。コンピレーションアルバム、マーチャンダイジング事業、ライブ活動などの各分野で目につく活動量と成功的な結果を見せて、2013年のレーベルに選ばれた。
Paloalto ミニインタビュー
二冠おめでとうございます。今年のレーベル/クルーにHI-LITEが選ばれました。HI-LITEの2013年を自己評価するなら?
忙しくて、金を稼いで、いい音楽を作った1年でした。楽しかったです。
2013年はアルバム作業やライブの他に、マーチャンダイジング事業にも集中しました。成果はいかがでしょうか?
集中というよりは自然に成り立ったものですが、スナップバック、Tシャツ、タオル、ビーニーなど作るたびに短時間で売り切れになっていました。
ライブやパーティーなどでもHI-LITEの活躍が目覚ましい年でした。 2014年のライブ計画についてご紹介ください。
2014年は所属アーティストのソロ活動により多く気を遣う予定です。上でも話しましたが、ソロアルバムがあふれ出てくる予定です。HI-LITE RECORDSという集団ではなく、個人的なアルバムがあふれ出て、ひとりひとりのアーティストとしての力量をお見せする予定です。
2014年のHI-LITEの計画の中で、一番大きな目標はありますか?
16. 今年のファッションスタイル
Beenzino
1位:Beenzino (27.12%)
17. 今年のヒップホップ音楽界ニュース
Control大乱
1位:「みんなこっち来い このXX野郎ども!!!」熱かった夏 – Control大乱 (62.52%)
2位:E SENS、Amoeba Cultureから放出 およびI.K脱退 「今後Supreme Teamは見れないのか?」 (14.37%)
3位:「今やヒップホップが優勢」ヒップホップ・ミュージシャンの音源チャート大飛躍 (4.29%)
夏をより一層熱くした『Control大乱』が今年のヒップホップ音楽界のニュース1位を獲得した。ヒップホップシーンに吹き込まれた活気や祭り的な雰囲気の裏側で起こった事件、ヒップホップ文化に対する歪曲された外部からの視線による誤解、散発的なディス曲の横行などで、開始点の趣旨とはかけ離れてしまったという見方もあったが、ヒップホップ文化が韓国に登場して以来、初めてヒップホップシーンを越えて国中の視線がこの文化に集中した異例の事件だったことは間違いない。
E-SENSの突然の独立宣言で今後の行方に注目が集まり、Amoeba Cultureからの放出後すぐに内部事情がControlのディス戦に直結され、E-SENSとAmoeba Cultureの間で絡み合う利害関係が話題となり、ヒップホップ音楽界のニュース2位を獲得した。
ヒップホップの音源チャート大飛躍と「ヒップホップ優勢」の間に事実関係を置き、そのバブルや暴かれた大型企画会社の裏話が話題となり、ヒップホップ音楽界のニュース3位を獲得した。
18. 2014年の有望株
Black Nut
1位:Black Nut (23.45%)
2位:TakeOne (23.38%)
3位:Ugly Duck (17.00%)
アマチュア時代から培ってきた変種的なキャリアと、他者の追随を許さない非現実的な密接した歌詞、独特でウィットの利いたパンチラインなどユニークなアイデンティティで、登場と同時に自身の音楽の世界を構築してきたBlack Nut。この1年は活発な活動がなかったが、脳裏に深く焼きつくほどの強力なフィーチャリングのヴァース数個で2014年の有望株に選ばれた。Controlのディス戦で印象的な歩みを残したTakeOneとUgly Duckがそれぞれ2位と3位に選ばれた。
Black Nut ミニインタビュー
HIPHOPPLAYA Awardsで2014年の有望株に選ばれました。感想を一言お願いします。
RHYTHMER最高……。冗談です(笑)候補に上がっていたことも知らなかったのですが、選んでいただいて、負担感を与えてくださってありがとうございます。
公益勤務中のため特に公式活動はありませんが、最近の近況はいかがですか?
軍隊に行けずに恥ずかしいのですが、静かに社会服務をしながら、準備期間だと考えてゆっくりと作品を積み上げています。
アマチュア時代から築いてきた歩みがとても独特です。『キムコンビ』時代を振り返ってみると、思いも格別でしょうか?
僕が音楽をやってきた中で、今まではもちろんのこと、今後ももう二度とあのような気持ちを感じることはできないです。 BBK SAUNDSというクルーも作って、多くの方々と一緒に表面上はクソもたくさんまき散らしてバカなこともたくさんしたけど、それでもみんな音楽的に実力がある方々なので、お互いに音楽の話もたくさんして交流しながら、時には相手が作った作品を聴いて1人で嫉妬したりもしました。それとともに、個人的に影響もたくさん受けましたが、あの頃がなかったら今僕はこうやって音楽もできなかったでしょう。今の僕のスタイルを確立するのに一番助けになった時代ですから。思い返すたびに懐かしい時代です。
Just Musicに入ったきっかけや動機が気になります。
あれはもう3年前ですかね? 母の店で雑巾を洗っているとき、携帯電話に知らない番号から電話がきたんです。出てみると、自分はSwingsだとか何とか言うんです。だけど友達にSwingsの声真似をまるっきり同じ感じでする奴がいて、そいつがいたずらをしてるんだと思って「失せろ」って言ったんですよ。そしたら突然「信じられないなら聞かせてやる」と言ってラップをするんです。僕が首をタテに振って「音源がいいなあ」と思った瞬間、兄さんがラップを止めて「レーベルを設立したから一緒にやろう」って言ったんですよ。僕は自信がなくて「考えてみる」と言いましたが、兄さんがあまりにも頼んでくるんです……。普段のSwings兄さんのイメージのために、具体的に仰った言葉は言えませんが、本当にそこまで頼まれるとは思わなかったんですよ。本当に強くて怖いイメージだった方が……なんだか卑屈に見えて痛々しかったんですよ。それに実際、僕も以前から兄さんと一緒に音楽をやるのが夢でした。影響もたくさん受けたし、元々尊敬していた方だったので、考えてみるとは返事したものの、心の中ではすでに決まってました。そして数日後にすぐに参入することになったんです。
Black Nut特有のコードの歌詞やパンチラインが多くのファン層を作りました。歌詞を書くとき、どこからインスピレーションを受けますか?
僕は国語辞典をたくさん見ます。携帯電話に並べて見るんですが、ただ言葉を見ながらその単語の意味について考えてみて、音節単位に分割すると、いろいろなネタがたくさん思い浮かぶんです。僕が嫌いなラッパーたちのことを考えながら、捕まえて刃物で刺し殺すことを思いながら書いたり。本や映画のようなものには興味がなくて、あまり見ません。そういうものよりも、ただひとりで妄想するのが好きで、いろいろなことを考えながら書いたりしています。
お伝えしたい話はたくさんありますが、今は僕のレーベルが兵務庁と召集解除するまで、社会服務だけを誠実にする計画です。Swings兄さんがそのときまで僕を捨てなければいいですね。Just Music ファイティン!
出所:HIPHOPPLAYA
日本語訳:SAKIKO