Introduction | 韓国ヒップホップ・クルー:Movement


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韓国には数多くのヒップホップ・クルーがあります。本当にたくさんあって、なかなか把握しきれません。とりあえず自分の好きなアーティストが所属しているクルーだけでも覚えておこうと思いつつ、まだまだ勉強中の身分です。なので、すでに知っているクルーから順次ご紹介していこうと思います。とか何とか言いながら、いつもの悪い癖で第1回目だけで終わらないようにしないと!

ということで、記念すべき第1回目は最も巨大なクルーである「Movement(ムーヴメント)」についてまとめてみました。Movementは2000年、韓国ヒップホップのパイオニアの一人に数えられるDrunken TigerのTiger JKとユン・ミレを中心に結成されたヒップホップ・クルーです。実力派アーティストたちの集まりではありますが、多くのクルーがそうであるように、気の合うもの同士が自由な音楽的交流を図るために集まった非公式の集団であって、所属レーベルとは関係がありません。

結成当初は元Drunken TigerのDJ Shineもメンバーでしたが、Drunken Tigerからの脱退を機にTiger JKがMovementのリーダーとしてクルーを牽引しています。とは言っても、自由人であるTiger JKが前面に出ることはそう多くないそうで、実質的にはLeessangのGillが総務的な役割としてクルーを引っ張っているようです。

2013年4月現在のMovementのメンバーは、

Tiger JK(Drunken Tiger)
ユン・ミレ
Gaeko(Dynamic Duo)
Choiza(Dynamic Duo)
Sean2Slow
Deegie
Bobby Kim(Buga Kingz)
Gan-D(Buga Kingz)
Juvie Train(Buga Kingz)
Tablo(Epik High)
Mithra眞(Epik High)
DJ Tukutz(Epik High)
Yankie(TBNY)
TopBob(TBNY)
Gill(Leessang)
Gary(Leessang)
YDG
ウン・ジウォン
Double K
Dok2
Bizzy
Simon Dominic(Supreme Team)
E SENS(Supreme Team)

 

と言われていますが、Movementは公式にメンバーを発表していないので、このリストはあくまで憶測で作られたものです。この他にも海外活動チームがあって、以前は公演活動なども行っていたようですが、現在は特に活動していないようです。海外チームのメンバーは以下の通り。

Thanos
DJ James Jhig
Roscoe Umali
Micki Eyez
Xrae
David Kempo Han

 

そして国内のMovementをすでに脱退してしまったメンバーは以下の通りです。

DJ Shine(元Dunken Tiger)
Curbin(元CB Mass)
MC K
Ann
Microdot(元All Black)
Mango Fresh

 

国内の脱退メンバーのうち、カッコ書きで以前所属していたグループ名が書いてある人たちがいますが、彼らの元相方は現在もMovementに残っています。Drunken TigerのTiger JKと、CB Massの解散後にDynamic Duoとして再始動したGaeko & Choizaと、All Blackの解散後にソロアーティストとなったDok2です。

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Movementという名前の由来は、2000年にリリースされたDrunken Tigerのセカンドアルバム『위대한 탄생(偉大なる誕生)』に収録された『The Movement』という曲名から来ているそうです。

 

この曲にユン・ミレやCB Massなどが参加したことをきっかけに、それ以降それらのメンバーでコラボをすることが多くなり、クルーを結成することになったそうです。その後、Sean2Slow、Deegie、Epik High、TBNYなどが続々と加入してMovementは巨大化していきました。そしてその中でも特に結束力の強いTiger JK、ユン・ミレ、Leessang、Buga KingzのBobby Kimなどは『무사파(無事派)』という別クルーも作って活動しています。

2006年にはLeessang主導の元、初のMovement合同コンサートを開催しました。その時の動画がこちら。

 

実はこのコンサートの時、Tiger JKは原因不明の骨髄炎で闘病中でした。立っていることもままならない状態にも関わらず、最後のエンディングでは仲間たちと一緒にステージに上がりました。薬の副作用でかなり身体がむくんだ状態だったようです。Tiger JKは入院中も含め、自分が病気であることをずっと隠していたのですが、ステージに上がったときに「ちょっと変わった病気にかかってかなり体を壊しました。すごく太ったけど、がっかりした人はいないでしょう?」と言ったそうです。ファンは拍手と歓声でTiger JKを励ましたそうです。

ちなみに闘病中のTiger JKを献身的に支えたのがユン・ミレで、その絆を経てご結婚されたそうです。仕事もプライベートも支え合っている素敵なご夫婦ですね!

movement3.jpg

 

近年はLeessangのGillとGaryや、Supreme TeamのSimon Dominicなどの芸能活動スタートを皮切りに、MBSの人気バラエティ番組『遊びにおいで』でMovement特集が放送されたり、芸能人が鬼ごっこをして競うSBSの『ランニングマン』にTiger JK、ユン・ミレ、Dynamic Duo、Simon Dominicが出演したりして、お茶の間の人気も得るようになりました。

芸能活動に関しては賛否両論で、やはりヒップホップ・アーティストたるもの、そのような活動をするのはいかがなものか、という意見もあるようです。だけどMovementのアーティストたちは、どれだけ大衆的な人気を得ても音楽的なクオリティを大衆に合わせて下げることが一切なかったという点で、その辺の危惧されていた点は克服できているようです。

また、あまりにMovementという組織が大きすぎるため、「ヒップホップ界を占領してしまう」とか「力が強すぎて他のヒップホップ・アーティストたちが潰されてしまう」といった懸念がされていたこともあるようです。実際テレビに出ているヒップホップ・アーティストはすべてMovement所属という時期もあったそうですが、最近は他のヒップホップ・レーベルも活躍しているので、その懸念も払拭されているとのことです。

 

では最後に、2008年にリリースされた『Movement 4』の動画をご紹介します。「消えない初心」という副題を持つこの曲は、当時まだ18歳のDok2が作曲・編曲・プロデュースをし、Bizzyのアルバム『Bizzionary』に収録されました。Movementのメンバー全員が参加しているという、超豪華な作品です!

 

上の動画はちょっと賑やかですが(そこがまたいいんだけど)、ちゃんと録音されたクリーンな音で聴きたい方はこちらをどうぞ↓

 

この『Movement 4』以降、Movementとしてリリースされた楽曲はありませんが、メンバー同士でお互いの曲にフィーチャリング参加し合って交流は続いています。また楽曲リリースやコンサートを開催してくれると嬉しいですね!

 

※後日追記:残念ながら2013年12月にMovementの解体が発表されました。

 

Sakiko Torii
About Sakiko Torii
BLOOMINT MUSICの運営者。イギリスでの音楽留学経験を生かした音楽的に深みのある記事が売り。独自スタイルのライブ企画、楽曲リリースのコーディネート、ライター活動、各種メディア出演など、韓国ヒップホップにおいて多方面に活躍中。著書に『ヒップホップコリア』。別名ヴィヴィアン。
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