Introduction | 韓国ヒップホップ・クルー:I.K


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韓国ヒップホップ・クルーを紹介する本コーナー。第1回目の「Movement」に続いて、今回も私の好きなアーティストが所属しているクルーの紹介をしようと思います。

今回ご紹介するのは、Supreme TeamのSimon Dominicが作ったクルー「I.K(アイ・ケイ)」です。正式名は「혼란속의 형제들(混乱の中の兄弟たち)」で、英語名は「Illest Konfusion」です。英語名のほうを略して通称「I.K」と呼ばれています。

 

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……ロゴの種類、多すぎ!(爆)

ところで「illest」とはヒップホップ・スラングで「最高の」とか「超かっこいい」という意味です。病気という意味の「ill」の最上級で「illest」なんだけど、スラングでは元の意味と真逆になることが多いのです。例えば英語で「この曲マジでクソだな!」って言った場合、「この曲最高!」って意味だったりします。でも本当にクソって意味で言ってる場合もあるので、状況や会話の前後関係によって判断しないといけません。日本語の「ヤバイ」も同じですよね。

それから「konfusion」は正しくは「confusion」と書いて「混乱」という意味です。cをkに置き換える書き方もスラングではしばしば見かけます。分かりやすい例で言うと、Epik Highの「Epik」も本来は「Epic(叙情詩)」ですね。語学オタクなもんで、どうしても何かと言葉に関する解説が長くなってしまう私ですが、本題のI.Kの説明に入りますね。と言っても、私もたいして詳しいわけでもないので、分かる範囲で簡単に書きたいと思います。

 


 

1998年、Simon Dominicが中学校で「Black Area」というクルーを結成したのが現在のI.Kの母体となっているそうです。そしてSimon Dominicが「Jiggy Fellaz(※1)」から脱退したのを機に、自分と同じ釜山出身のラッパーを本格的に集めて作ったのがI.Kです。

最初は「I.K Finestrouble」という名前でしたが、2005年に現在の名前に変わりました。その後、Mild Beats(※2)やKeslo(※3)のアルバムへの参加で一気に名を広め、Swings(現在は脱退)とE SENSを迎え入れて韓国を代表するクルーのひとつとなりました。

※1 Jiggy Fellaz:Supreme Teamの2人が以前所属していたクルー。Vasco、Deepflowなども所属していた。2011年以降、事実上の活動停止となっている

※2 Mild Beats:プロデューサー。2005年にアルバム『Loaded』でデビュー。2008年にはPrimaryと合作アルバム『Back Again』をリリース。もうすぐ5月15日にセカンドアルバム『Beautiful Struggle』をリリース予定

※3 Keslo:プロデューサー。2006年にアルバム『Street Level Vol. 1』でデビュー

 

2013年5月現在のI.Kのメンバーは以下の通りです。

Simon Dominic
E SENS
JTONG
Beenzino
Beatbox DG
JaeHoodz
Mr. Jinx
Gentleman
Kkalchang
DJ Freekey
DJ Pumkin
KKnY
Vida Loca

 

それから元メンバーは以下の通り。

Kon Nibo
Technique
Rocky L
Swings

 

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Supreme Team、Beenzino、Swingsについては過去記事「Topic | XXL Magazineが韓国ラッパーを紹介」に簡単な説明が載っているので割愛させていただくとして、その他のメンバーの情報をサクッとまとめました。基本的にSupreme Teamに関連づいた情報を載せています。

JTONG – ラッパー。Buckwilds(※4)のリーダー。高速速射砲ラップの並外れた実力の高さで一躍有名になった。ロックやパンク的なサウンドの音楽性が特徴

Beatbox DG – ビートボクサー。Supreme Teamの『Put it on』にフィーチャリングしている。2010年、Beenzinoと作成したミックステープ『Hot Clip Mixtape Vol.1』をリリースし、後にSimon Dominicの提案により、正式にBeenzinoとチームHot Clipを結成

JaeHoodz – ラッパー。2011年にミックステープ『Somnium Imperfectum』をリリース

Mr. Jinx – プロデューサー。Mr. Jinxの加入を機に、I.Kの名前が I.K Finestrouble から Illest Konfusion に改名されたと言われている

Gentleman – プロデューサー。Supreme Teamの『Dang Dang Dang』『Respect My Money』を作曲&プロデュース

Kkalchang – ラッパー。JTONG率いるBuckwildsにも所属している

DJ Freekey – DJ。Supreme TeamのアルバムやイベントでバックアップDJをしてきている。Paloaltoが経営するHI-LITE Recordsに所属

DJ Pumkin – DJ。unknownDJs(※5)のメンバー。Supreme Teamの『Hooligan’s Anthem』『시노비』『뭐!?』にスクラッチで参加している

KKnY – 情報が見つけられませんでした

Vida Loca – プロデューサー。Soul Company(※6)に所属していた。Supreme Teamの『뭐!?』を作曲&プロデュース

Rocky L – ラッパー。I.Kの創設時からSimon DominicのサポートするなどI.Kの右腕的存在だったが、2010年10月に脱退

※4 Buckwilds:JTONGが2005年に結成した釜山を拠点とするヒップホップ・クルー。今年2月には釜山に「South Town」というクラブをオープンさせた。主軸メンバーはUgly Duck、TakeOne、Geeks、Giriboy、JV、Block.BのZicoなど

※5 unknownDJs:2001年に結成されたDJチーム。DJ Pumkin、DJ Friz(アメーバカルチャー所属のPlanet ShiverのDJ)、DJ Bamboo、DJ Yongflaの4人からなる

※6 Soul Company:2004~2011年まで活動していた韓国のヒップホップ・レーベル。ラッパーKebeeがCEOを務め、The Quiettが主軸アーティストとして活躍していた。全員の音楽性が違ってまとまりきらないことを理由に2011年に解体した

 

以上、非常に簡単ではありますがI.Kのメンバーの概要をまとめてみました。

そんなI.Kの動画で一番有名なのがこちらです。E SENS → JTONG → Kkalchang → Beenzino → Swings → Jae Hoodz → Rocky L → Simon Dominic → Beatbox DG の順にラップしています。超かっこいい!

 

上の動画と同じ時に撮った『Dang Dang Dang』

 

こんな楽しそうなおふざけ動画もあります(笑) Beatbox DG、Simon Dominic、Rocky Lの3人です。

 

これより先は、I.Kのメンバーそれぞれの曲をいくつか紹介したいと思います。

まずはJTONGが昨年リリースしたこちらの曲から。I.Kの韓国名称と同名の曲、『혼란속의 형제들(混乱の中の兄弟たち)』です。Simon Dominic、Beenzinoの他にZion.Tもフィーチャリングしています。めちゃくちゃかっこいい曲で、もう何度リピートしたか分からないくらい! JTONGの「Beenzino!」ってのと、Simon Dominicの「J! TONG!」ってところがツボです。それから3人のラップも素晴らしいですが、中盤以降のZion.Tのバッキングボーカルがもう最高です!

 

お次はVida Locaの作品。2011年にリリースした『She’s There』という曲で、BeenzinoとZion.Tがフィーチャリングしています。ってかZion.T、I.Kのメンバーなんじゃないかってくらいの勢いですね!

 

続いてKkalchang。昨年リリースしたミックステープ『바닥에서부터(底から)』より『Never Fall』という曲です。このミックステープにはBuckwildsのメンバーが多く参加しています。

 

次はSupreme TeamとDJ Freekeyの『Dang Dang Dang』のパフォーマンスです。2011年2月に行われた『Zero Show』というヒップホップ公演の一周年記念パーティーのファンカム動画です。

 

最後に、I.Kのメンバーではありませんが、I.Kの名を広めるきっかけとなったMild BeatsとKesloのアルバムから曲をご紹介して終わらせたいと思います。こちらはMild Beatsの2005年のデビューアルバム『Loaded』に収録されている『W.M.W』という曲で、Simon Dominicがフィーチャリングしています。

 

続いては2008年のPrimaryとMild Beatsの合作アルバム『Back Again』より、『정열의 방(情熱の部屋)』という曲です。E SENSがフィーチャリングしています。

 

最後はKesloが2006年にリリースした『Street Level Vol. 1』に収録されている『Victim Of Steam』という曲で、Simon Dominicがフィーチャリングしています。Supreme Teamの2人がこれらのアルバムに参加したことにより、I.Kはその名を知らしめていったのでした。

 

以上です!

クルーとしての公式的な活動があるわけでもないし、I.K名義でアルバムを出したこともないので、クルーの紹介というよりは各メンバーの紹介記事のようになってしまいました。本当はもうちょっとクルーの歴史とかエピソード的なものを盛り込みたかったんだけど、私のリサーチ能力ではこの辺が限界でした~。

 


Sakiko Torii
About Sakiko Torii
BLOOMINT MUSICの運営者である鳥居咲子は、幼少期よりピアノと音楽理論を学び、ロンドンに音楽留学をした。現在は音楽記事の執筆、ライブ主催、楽曲リリースのコーディネート、メディア出演など、韓国ヒップホップに関する様々な活動を展開している。著書に『ヒップホップコリア』。音楽以外に関するネタを集めた趣味ブログ『BLOOMINT DIARY』も運営中。別名ヴィヴィアン。
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