99じゃ足りない!? 100小節以上のヴァースのトラックを4曲ご紹介!
ラップのヴァースは基本的に4・8小節単位で構成されています。その中でも最も多いのが16小節で、ヴァースとヴァースの間にフックやブリッジが入るのが一般的です。しかし時には上手なラップのヴァースだけをずっと聴き続けたいということもあるでしょう。そんなファンにもってこいのトラックがあります。なんと、100小節以上を間を置かずに吐き出すトラックがあるのです。そのどれもが長いヴァースを飽きずに楽しめるようなラップスキルを披露する名曲となっています。
6月1日にGrandline Entertainmant (GRDL) 所属のMckdaddyが100小節のヴァースのトラック『HYENA 100』をリリースしたことを機に、今回はそんな100小節以上の名曲を4曲ご紹介したいと思います。
Tablo – Supreme 100
2009年にリリースされたEPIK HIGHのアルバム『[e]nergy』に収録されたトラックです。韓国で初めて100小節のヴァースを披露し、流行させたというトラック。小さく聞こえるビートに乗せて、Tabloがひとりで100小節のラップを披露するアカペラのようなトラックです。どこかでライブしたものをそのままレコーディングしたかのようなラフな感じで、クルマがすれ違う音などのノイズもそのまま入っています。しかしラップは完璧です。Tabloの特技であるセンスあふれるワードプレイのパンチラインが100小節の間ずっと登場します。
Swings – 500BOMBS
2010年にリリースされたSwingsの『500BOMBS』は、500小節を23分にわたって吐き続けるすごいトラックです。このような長すぎるトラックが登場したのには理由があります。Swingsは2009年にミックステープ『Punch Line King 2』の収録曲として、14分にわたって300小節のラップを披露する『300마디(300小節)』を発表しましたが、途中でビートチェンジがあって途切れる部分があるため、300小節とは認められないと言うリスナーもいました。それに対するアンサーとして、さらに200小節を加えて作ったのがこちらの『500BOMBS』です。歌詞の中でもそのことを説明しています。
Dok2 – 111%
『111%』は2015年にリリースされたDok2のアルバム『MULTILLIONAIRE』に収録されたトラックです。ご存知のように、「1」はDok2とThe QuiettがCEOを務めるIllionaire Recordsを象徴する数字。Dok2はトラップビートに合わせて100小節以上のスキルフルなラップを披露します。ヒップホップに対するリスペクトを示さないラッパーたちのことを責めながら、いつものようなスワッグを見せています。実はこのトラックには前シリーズがあるのですが、Dok2は2013年に発表したミックステープ『South Korean Rapstar Mixtape』に収録されている『100%』という曲で100小節のラップを披露したことがあります。
Mckdaddy – HYENA 100
『HYENA 100』は今年2月にGRDLと契約した新鋭ラッパーのMckdaddyが6月1日にリリースしたトラックです。スタイルの変化を何度も重ねていくビートに合わせ、フロウを変えながらスタイリッシュな100小節のヴァースを披露しています。ミュージックビデオのキャプションに書いてある「Shout out to Swings & Tablo」という言葉からも、100小節以上のラップを披露してきた先輩ラッパーたちに影響を受けたことが分かります。Mckdaddyはまだそれほど知名度は高くありませんが、このトラックでさらなるポテンシャルを証明して高く注目されています。