The Quiettが最後の「ILLIONAIRE DAY」記念シングル『BENTLEY 2』をリリース。CHANGMOとSUPEEBEEもトリビュート曲を発表!

Written By Sakiko Torii

2020年は韓国ヒップホップシーンのCEO相関図に大きな変動が起こりました。

SwingsのCEO辞任Dok2のILLIONAIRE RECORDS脱退PaloaltoのCEO辞任、そしてILLIONAIRE RECORDSの解体。

ILLIONAIRE RECORDSが10年の歴史に幕を下ろす

 

一方でPrimaryがPAKTORY COMPANYを設立したり、DEANのyou.will.knovvがレーベル化したり、ColdeがLayered Islandを設立したりといった新たなCEOたちの動きもありました。

さらに去年にまで遡ると、ZICOがKOZ Entertainmentを設立したり、BasickがOUTLIVEを設立したり、SUPERBEEとmyunDoがそれぞれYng & Rich RecordsとB.A.Dを設立したり、Lil BoiとTakeOneとDJ DopshがHalftime Recordsを設立したり、BewhYがDejavu Groupをレーベル化したりと、この2年くらいの間で新レーベルの設立が続々と起こっています。

The QuiettはAMBITION MUSIKで変わらずCEOを務めていますが、SwingsやPaloaltoのように長くCEOだった人たちがその座を降りたのはなかなか衝撃でしたね。一方で新たなCEOたちも生まれているので、10年ぐらい経ってからこの2年ほどの動きを振り返ると、何かしらの過渡期だったと名前が付けられてたりするんだろうなと思います。

なんにせよ、レーベルそのものが解体してしまったILLIONAIREについては、もう記事を書くことはないんだろうなと思ってたのですが、なんと最後の「ILLIONAIRE DAY」を記念してThe Quiettがシングルをリリースしたのです! 「最後の」ってところに寂しさは感じつつも、まさかILLIONAIREの新曲がまた聴ける日が来るとは思ってなかったのでとても嬉しく思いました。

ところでILLIONAIRE DAYとは11月11日なのですが、レーベルが2011年1月1日に設立されたことにちなんでいます。設立は1月1日だけど、ILLIONAIRE DAYは11月11日。設立日を記念日に設定しなかったのは、やっぱり元日にはお祝いしづらかったってことなんでしょうかね。

ちなみに過去にILLIONAIRE DAYに関して書いたことがあったかな〜と思って探してみたところ、これがありました ↓

Audio | Illionaire Records & Ambition Musik – No Switchin’ Sides

 

そんな嬉しくもあり、やや寂しくもある最後のILLIONAIRE DAY記念シングルは、DAMOIMの仲間でもあるYUMDDAをフィーチャリングに迎えた『BENTLEY 2』というトラック。厳密に言うとダブルシングルになっていて、『BENTLEY 2』のほかにSkinny Brown、Leellamarz、Sik-Kをフィーチャリングに迎えた『아부다비(アブダビ)』が収録されています。

『BENTLEY 2』はミュージックビデオも公開されたのですが、これがまた「ILLIONAIREのThe Quiett感」が抜群なのです。サウンド然り、映像の世界観然り、The Quiettの表情やモーション然り、すべてに「ILLIONAIREのThe Quiett感」が溢れています。それでいて曲の後半ではさりげなく転調して曲調とテンポが変わり、今のThe Quiettっぽさと正統派なラップが堪能できるところが最高です!

[MV] The Quiett – BENTLEY 2 (Feat. YUMDDA)

 

ILLIONAIREが解体したときの記事(この記事の一番上に貼ったやつ)にも書きましたが、The Quiettは元々は爽やか好青年キャラで知られてて、ILLIONAIREの設立と同時にいかついキャラに変えました。好青年時代は若者の悩みや愛についてラップしてたけど、ILLIONAIREを始めてからはイメージ戦略としてギャング感を出し、ボースティングなラップを多くするようになりました。

ところがここ2年くらいで急に昔の好青年さが戻ってきました。実はギャング感を出してた頃も、カメラが回ってない時はめちゃくちゃ爽やかな好青年だったのですが、いかついイメージをキープするのが面倒臭くなっちゃったんでしょうか。恐らくDok2と別々に活動することが多くなる中で、少しずつ素が出るようになって、気が付いたらすっかり素に戻っちゃったんだろうなと想像しています。

今回の『BENTLEY 2』で久々に「ILLIONAIREのThe Quiett感」に触れて、ちょっぴり懐かしいようなしんみりした気分になりました。そしてこういう雰囲気も相変わらずかっこいいな、さすがだなって思いました。さらに曲の後半で雰囲気が変わるところからは次のステップに進んでいく意思も感じ取れて、その表現力に感銘を受けました。

(作曲のクレジットにNOISEMASTERMINSU、AP Boi、Doplamingoと3人の名前が載ってるので、曲調が変わるタイミングで違うプロデューサー入れてるのかな?)

ちなみにその曲調が変わる直前のブリッジ部分に女性の歌声が聴こえると思いますが、これはHi-Lite Recordsのjerdです。バッキングボーカルでの参加のためフィーチャリングに名前は載っていません。

そして『BENTLEY 2』にはタイトルに「2」がついてますが、「1」に当たる『Bentley』は2015年リリースのアルバム『1 Life 2 Live』に収録されています。こちらもめちゃくちゃかっこいいので、まだ聴いてない人はぜひチェックしてみてください。

(そしてBLOOMINT MUSICの最新プレイリストにはYUMDDAの『BENTLEY 1.5』が入ってます。)

Album | The Quiett – 1 Life 2 Live

 

さて。もうすでに記事がだいぶ長くなっちゃってますが、記事のタイトルにも書いてある通り、もうひとつニュースがあります。

The QuiettがCEOを務めるAMBITION MUSIK所属のCHANGMO、そしてILLIONAIREから多大な影響を受けたことを公言しているSUPERBEEの2人もまた、ILLIONAIRE DAYを記念してILLIONAIREをトリビュートするトラック『1lli boy / Peace Up』をリリースしました。

Dok2がライブで「ヒップホップとは」と語る音声から始まるところがもう胸熱! ILLIONAIREからの影響を感じさせつつもSUPERBEEらしく、CHANGMOらしいサウンドに仕上がっていて、こちらも必聴です。

[Official Audio] CHANGMO & SUPERBEE – 1lli boy / Peace Up

 

『1lli boy / Peace Up』は今のところ音源サービスでの配信はなく、SoundCloudとYouTubeのみで公開されているようです。

ILLIONAIREが解体したという実感が正直まだないのですが、最後のILLIONAIRE DAYにこんなにかっこいい2曲がリリースされ、ファンがそれぞれILLIONAIREに対する思い出を改めて振り返るきっかけとなったこと、本当に素敵だと思います。

ありきたりの表現ではありますが、あえて言いたい!

1LLIONAIRE FOREVER!!!
 


 

The Quiett – BENTLEY 2 のご視聴はこちらから

itunes spotify
 

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