第4回 RHYTHMER Awards 結果発表

Written By Sakiko Torii

img_top_award

RYTHMER Awardsの結果が発表されたので、翻訳しました。RHYTHMERとは韓国のブラックミュージック専門サイトで、リズマーと読みます。韓国語風に発音するとリドゥモです。以前、編集長であるカン・イルグォンさんが書いたサンプリングの考察記事を翻訳したことがあるのですが、ヒップホップの歴史やサンプリングについて詳しく知りたい方には最良の記事ですので、ご興味のある方はぜひ一度読んでみてください。

Column | サンプリングを語る by RHYTHMER

では、第4回 RHYTHMER Awardsの結果をご覧ください。

 


 

今年のR&B・ソウルアーティスト

Zion.T

rhythmer_awards_1.jpg

Zion.Tの音楽と彼自身が持つ価値は色々あるだろうが、何よりも画一化されたボーカルの間にある新鮮さ、つまり、国内で唯一無二の声に込められた特有のスキルとグルーヴ感の独自性といえる。誰かをまねてアクセクしたような一部のアーティストたちの退屈さはZion.Tを通して破壊され、大衆の音楽的な虚勢に食い込む彼のユニークさと才能は、完成度の高いアルバムを通して感嘆の声を出すレベルに上がった。このようにZion.Tの登場は、R&B・ソウルミュージックの枠を飛び越え、昨年の国内音楽市場で最も印象的な瞬間のひとつであった。彼はただ単に多くの人々が渇望していた「ホット」なソウルスターではなく、どこにもなかった新気流が形成できるミュージシャンとして自らを見せてくれたのだ(文:オイ)

- 受賞コメント -
昨年僕は2枚のアルバムを出しましたが、1枚は初のフルアルバム『Red Light』で、もう1枚は12月に出した『ミラーボール』です。『ミラーボール』はコンセプトアルバムではなく、元々はPatti Kim先輩をはじめ、当時の流れを今の時代にも継続しているといったアルバムになることを望んでいましたが、コンセプトアルバムのように映ってしまったのが残念な思い出です。だけどひとつの試みとしては面白かったアルバムだったと思います。それ以外でも、2013年は本当に一生懸命やった一年だったと思います。だからRHYTHMERでこの​​ような賞をいただくと、やや補償を受けるような感じなので本当に嬉しくて、僕がやったことよりもずっと大きな反響が得られたようでいつも感謝しています。頑張ります!

- その他候補者 -
ソヌジョンア
Jinbo
Soulciety

 


 

今年のR&B・ソウルシングル

Zion.T – 뻔한 멜로디 (Two Melodies) (Feat. Crush)

rhythmer_awards_2.jpg

一気に耳をさらう代替不可の感性的なボーカルとして記憶されるZion.Tだが、初のフルアルバム『Red Light』で彼の真価を明白にした曲は、最も落ち着いた進行を見せる『뻔한 멜로디(ありふれたメロディ)』だ。ひょっとしたらタイトル通り、分かり切ったような感じにもなり得た曲だが、若干の歌詞の変奏と特色あるふたつのボーカルの安定した調和、進行と構成の流麗さが、逸品のメロディを通して愛と別れのふたつの感情をうまく表現した。聴き手の感情を静かに、しかし強く揺さぶる、落ち着きながらもドラマチックな歌が強固なジャンルの文法を通じて誕生したのだ。いわゆる「牛追い唱法(※)」と調和したミディアムテンポのR&Bとは次元が違う、真のミディアムテンポR&B曲といえる (文:ナム・ソンフン)

※牛追い唱法:牛を追うように「ウォウォウォ〜」と響かせながら歌う歌唱法。主に低い声のバイブレーションがきいた男性歌手の歌い方を指す。本当にうまい人に対しては賞賛の言葉だが、基本的にはあまりポジティブな意味では使われない

- 受賞コメント -
わあ。2013年のR&B・ソウルシングルとアーティストのふたつの部門の賞をいただけるとは、本当にありがとうございます。この曲を一緒に作ったCrushと出会えたのは、僕にとって本当に大きな幸運だと思います。この曲は即興的に作った曲です。『뻔한 멜로디(ありふれたメロディ)』のレコーディングをする当日も、この曲が世の中に出ることができるか実はよく分からなかったのに、このような賞を受けてちょっと実感が涌きますね。一緒に歌ったCrushの未来が開けたら良いし、Crushのことをたくさん応援していただけたら嬉しいです。僕のこともたくさん応援してください。ありがとうございます。

- その他候補作 -
ソヌジョンア – 당신을 파괴하는 순간(あなたを破壊する瞬間)
Jinbo – Fantasy
イ・ハイ – It’s Over
Mayson The Soul – Holiday (Feat. Beenzino)
Soulciety – 늘(いつも)

 


 

今年のR&B・ソウルアルバム

Jinbo – Fantasy

rhythmer_awards_3.jpg

デビュー作『Afterwork』でシーンの代表的なミュージシャンとして浮上したJinboは、後のアルバムでも安定した成果を見せており、その流れは今回の『Fantasy』まで続いた。今回は音楽性が微妙に変化しており、アルバムのコンセプトがより明確になった。よりいっそう洗練されて精巧になったサウンド上に置かれた彼の妖艶な愛と性の話は、少しの不自由もなく聴き手を刺激する。今回は映像制作チームのDIGIPEDIとともに進行したプロジェクトであり、合わせて公開されたミュージックビデオも音楽のムードやメッセージを効果的に伝達している。様々な面で韓国では接しにくい良い音楽でもあり、同時に英語の歌詞が曲をいっぱいに満たしていて、言及した特別な意味を自ら一部喪失することになるアルバムでもある。とにかく重要なのは、我々がこのアルバムを通して国内R&Bシーンで最も偉大なプロデューサーのオーラを再び確認することができる点である(文:イ・ビョンジュ)

- その他候補作 -
ソヌジョンア – It’s Okay, Dear
Zion.T – Red Light
イ・ハイ – First Love
Soulciety – Diamonds
 


 

今年のラップ・ヒップホップアーティスト

Vasco

rhythmer_awards_4.jpg

Vascoは、2004年のデビューアルバム『The Genesis』で韓国ヒップホップシーンに登場して以来、10年間一度も停滞期もなく着実に活動を続けてきており、今ではベテランの称号にふさわしいラッパーとしての地位を獲得した。しかし、長いと言えば長いキャリアの中で、大きなひとつの部屋を作り出せなかったというのも事実である。ただし彼のようなキャリア自体が、強烈に吹き付けるラップスタイル、そして着実に発表してきたアルバムとなって生命力を与えているのは興味深い。ソロ活動に加えてJiggy Fellaz、Independent Recordsを導いてきた紆余曲折の音楽キ​​ャリアの中で、離婚の痛みを経験した個人史も加わり、Vascoは緊張したときには濃い熾烈さを、そして内面の話を解放するときにはどのラッパーよりも濃い哀愁を広げる珍しい人物に成長した。そしてその姿がしっかりと見え始めた時期が2013年である。彼は2013年にプロデューサーのJay Kidmanとともに作業した『Molotov Cocktail』とソロ作『Guerrilla Muzik Vol.3 ‘Exodos’』など、2枚のアルバムを介して前述した代替不可能の真価を存分に表した。もちろんこの2枚のアルバムの完成度がすべて優れていたために、自然とこのような感想が出てくるのだ。 2013年、今年のラップ・ヒップホップアーティストとして選定した理由も同様だ。キャリアで作り上げた堅固さは簡単には崩れないため、彼の今後の歩みにも期待してみる(文:ナム・ソンフン)

- 受賞コメント -
2013年のラップ・ヒップホップアーティストに選ばれて光栄です。特にRHYTHMERという発信力のあるサイトで賞を受けたので一層嬉しいです。離婚をして、Independent RecordsもJiggy Fellazも皆なくなって、すべてを失った状況で「精神状態を正常にして再び始めよう」と決心したのが2013年ですね。本当に骨の折れることでしたが、このような結果が出て本当に嬉しいです。今後も失望させないよう、さらにアーティストとして発展して、そして10年、20年と音楽を続けても常に若いアーティストでいられるよう努力します。ありがとうございます。

- その他候補者 -
JJK
Paloalto
Dok2
Jerry.k

 


 

今年のラップ・ヒップホップシングル

Gaeko – 될 대로 되라고 해(느낌 So Good)

rhythmer_awards_5.jpg

韓国ヒップホップ史で最も重要なグループのひとつとして評価されるCB MASSのメンバーとして登場したGaekoは、2004年からDynamic Duoとしてのキャリアを始め、数多くのフィーチャリング活動を通じて、大衆的な成功はもちろんのこと、実力派ラッパーたちまでもが賞賛する、まさにラッパーたちのラップスターという位置づけとなった。長年に渡って彼の独歩的な存在感があまりにも大きかったので、2013年に発表した「될 대로 되라고 해 (느낌 So Good)(なるようになれ(感じSo Good))」がGaekoにとって初めての正式なソロシングルであるという事実は驚くべきことである。Gaekoは、彼のラップに向かった評価に次第に興奮が行くことを見逃さないというようにこの曲で決意して、隙間というものが見られないタイトなラップで自分の位置づけを改めて見せつけて証明している。固く組まれたライミングや感心せざるを得ないフロー設計の上に、誰もがう​​なずく自分だけの物語を強いながらも、余裕とユーモアがあふれる口調で解きほぐした伝達力100%のラップは素晴らしい聴覚の体験を提供してくれる。2013年の序盤に出てきたシングルだが、2013年で最も印象的なヒップホップのトラックのひとつとして生き残ったのは当然のことだ。さすが名不虚伝(※)である。 (ナム・ソンフン)

※名声や名誉が無駄に広がったのではない、名が知られるには理由があるという意味

- 受賞コメント -
プレゼントというものは予告なしに受け取ったときに驚くほど新鮮な喜びを与えてくれますが、今日RHYTHMERでこの​​ような賞をいただいたのがそんな感じですね。この曲は昨年初めにプロジェクトのひとつとして出した曲でしたが、1年が過ぎてこのような賞をいただき、本当にありがたいですね。(トロフィーを見て)トロフィーも本当にきれいですね。どのようにコメントすべきなのか(笑)ああ、この賞を受けて曲を作った過程を思​​い出しました。仕事が多くて忙しくなると曲を作る楽しさを忘れてしまうときがありますが、今がそのような感情を喚起させる機会になると思います。この曲を作っていたとき、自宅で赤ん坊が目を覚まさないように小さな声で気をつけてガイドを浮かべながら、レコーディングではこうやって作らないといけないなどと思っていた、そんな些細な過程が思い出されて、本当に感慨深いです。賞をいただき、改めて感謝いたします。より多くの方に感動を与える音楽をするため、責任感を持って音楽をしていきます。

- その他候補作 -
JJK – 360度
不汗黨 – 不汗黨歌
PNSB Feat. 영쿡 – 방방 (Trampoline)
Beenzino – Dali, Van, Picasso
T.O.P – DOOM DADA

 


 

今年のラップ・ヒップホップアルバム

Paloalto – Chief Life

rhythmer_awards_6.jpg

しっかりとしたキャリアを築いてきた末、いつの間にかHI-LITE RECORDSというレーベルの社長になった彼が、今回の『Chief Life』を通して並べた過去、現在、未来のストーリーは、良い韓国ヒップホップのアルバムに向き合った聴き手の喉の渇きを解消してくれる。現実にしっかりと足を踏み入れた自分自身の誇示は説得力があり、土台に敷かれた音楽的な完成度がそれを支え、この大胆なタイトルのアルバムは2013年の最も優れたヒップホップアルバムとして高くそびえ立つことになった。最近はありふれた中身のない歌詞を並べたり、徹底的にトレンドに便乗した音楽をそのまま繰り広げたアルバムが多い中で、このアルバムの価値はより大きく感じざるを得ず、このアルバムを通して、現時点の国内ヒップホップが持つ盲点や流れを見出すこともできる。RHYTHMER Awardsの様々な部門の中でも、選定委員たちの意見や悩みが最も少ない分野であり、『Chief Life』は確たる成果を多角的に示している。(文:イ・ビョンジュ)

- 受賞コメント -
昨年はアルバム作業のために多くの時間を投資しましたが、韓国大衆音楽賞に続いてRHYTHMER Awardsでも今年のアルバム賞を受賞して本当に嬉しいです。このアルバムが出たときから思っていたのが、このアルバムの音楽は僕が過去のアルバムでやってきた音楽と違った感じがたくさん入っているので、聴く方にどうやって受け入れられるのか心配でした。だけど反応が良くて、こうして賞を受けることになって感謝してしています。僕が音楽活動をしている中で、実はめでたいことがありませんでしたが、こうやって昨年と今年にめでたいことが起こりましたね(笑) 『Chief Life』を作った甲斐があります。賞を受けることで、『Chief Life』をまだ聴いてない方が聴いてみるきっかけになるといいですね。アルバムのために一緒に作業した様々なアーティストにもう一度感謝します。次のアルバムを準備する上で、この賞が勇気と力になると思うので、僕には大きな意味があります。ありがとうございます。

- その他候補作 -
JJK – 비공식적 기록2(非公式記録2)
Mild Beats – Beautiful Struggle
Molotov – Molotov Cocktail
Vismajor – Run VMC
PNSB – Fractice

 


 

今年の新人アーティスト

イ・ハイ

rhythmer_awards_7.jpg

オーディション番組出身のスターというのは、一般人としては大きなチャンスであり、プロのミュージシャンとしては不利にもなり得る経歴だ。いずれにせよ、彼女は自分の魅力を大衆に伝えるのには大きく成功した。小さな成功を大きな成功に引き上げたYGの企画力は絶妙だった。もちろん、ブリティッシュ・ソウルスタイルの曲にポップな感性を加味した彼女のアルバムが成し遂げた成果を、完全に事務所の取り分とする見方もある。しかし大衆の愛と関心を最初に惹きつけたのは、明らかに彼女が自分で見せた不思議なキャラクターと音楽的な力量だったという点を覚えておく必要がある。アルバムを通じて見せてくれたのが何であるか、そして今後このミュージシャンがどのようにより多くのことを示すことができる可能性があるかを合わせて計ったとき、明らかに彼女は2013年で最も輝いた新人だった。 (文:イ・ビョンジュ)

- その他候補者 -
PNSB
Reddy
Somdef
GRAY

 


 

今年のプロデューサー

ソヌジョンア

rhythmer_awards_8.jpg

ソヌジョンアは、プロデューサーの役割でのみアーティストを理解することも、彼女のプロダクションをひたすらブラックミュージックのジャンル的枠組みの中でのみ規定することも、どちらも意味のないアプローチであることをよく知っている。それにもかかわらず、2013年に彼女がプロデュースしたイ・ハイやソ・イニョンの曲と、7年ぶりに出したセカンドアルバム『It’s Okay. Dear』で示したプロダクションが、ブルースやジャズをベースにプロデューサー本来の感受性を独創的に表現した結果だということに、異議を唱える人は多くないだろう。R&B、ソウル、ロック、エレクトロニカ等、様々なカテゴリーの音楽の間を行き来しても、伝統的なバラードナンバーを標榜する曲の中でも、プロデューサーとしてのソヌジョンアのジャジーな余裕とソウルフルな感受性は間違いなく光を放っている。インディーズとメジャーを自由に行き来しながら、独自の音楽的シグネチャーを刻んでいく彼女の次の行動に、ブラックミュージック愛好家たちの関心と支持は変わらず繋がっていくことは明らかである(文:パン・ヨンチャン)

- 受賞コメント -
『It’s Okay. Dear』のリリース後にRHYTHMERとインタビューをしましたが、私にはあのような深みのあるインタビューは初めてでした。あのようなインタビューを通して、改めて私の音楽やアルバムについて考えてみる機会ができたという記憶がありますが、このように賞までRHYTHMERからいただいて、改めて感謝ですね。受賞の知らせを聞いて、内心アルバム部門かアーティスト部門ではないかと思ったのですが、プロデューサー部門だということに鳥肌が立ちましたね。なぜなら、これは私のアルバムだけでなく、イ・ハイのアルバムも含まれているのですから。だからもっと嬉しいですね。ハイのアルバムも私のアルバムに劣らず一生懸命、そして楽しく作ったアルバムなので、感慨が格別です。改めて感謝いたします。

- その他候補者 -
Mild Beats
Jay Kidman
Jinbo
Zion.T

 


 

出所:RHYTHMER(2014-06-23)
日本語訳:SAKIKO

Related

/

Access Top

/

Subscribe us!

BLOOMINT MUSICの最新情報をお届けします。

友だちに追加