BeenzinoがE SENS、XXXなどの所属するレーベルBANAに加入!
昨年7月に解体した1LLIONAIRE RECORDSから脱退し、インディペンデントとして活動を続けていたBeenzinoが、Beasts And Natives Alike(BANA)に加入しました。
BANAには韓国ヒップホップシーンにおいて欠かせない存在であるE SENSを筆頭に、実験的なオルタナティブ・ヒップホップでグローバルな反響を起こしたKim XimyaとFRNKによるデュオ「XXX」、BoAやNCT 127などK-POPアーティストにまで幅広く楽曲を提供してきたプロデューサーの250、そして韓国アンダーグラウンドシーンの代表的なクルー「360 Sounds」の活動でも知られるプロデューサーのMaalibなどといったアーティストたちが所属しています。
それだけではなく、今年のアカデミー短編アニメ賞にノミネートされている『Opera』などの作品を制作したアニメーターのErik Ohも所属しています。つい先月には、長いキャリアを持つラッパーMasta Wuが新しいメンバーとして加入しました。
Beenzinoは加入のニュースと同時に、2016年リリースの『12』以来約5年ぶりに2ndアルバム『NOWITZKI』をリリースすることを発表しました。アルバムに関する詳しい情報はまだ明らかになっていませんが、「NOWITZKI」というタイトルはNBAのチーム「ダラス・マーベリックス」で20年にわたって活躍した伝説的な選手、ダーク・ノヴィツキーの名前から取ったようです。
実際、BANA加入のニュースが出た当日にサプライズで無料公開されたトラック『Monet (Demo)』では、カバーイメージにダーク・ノヴィツキーの現役時代の写真が使われています。この曲のタイトルは、Beenzinoが2013年にリリースした『Dali, Van, Picasso』と同様に著名な美術家の名前を掲げています。今回は印象派を代表する画家クロード・モネですね。
Beenzino – Monet (Demo)
今回のBeenzinoのBANAへの加入が韓国のヒップホップシーンにおいて大きな話題となった理由は色々あります。まずは片手で数えられるほどのビッグネームの行き先がついに決まったということ。そしてBeenzinoとE SENSの組み合わせが持つ意味があまりにも大きいということです。
韓国のベストラッパーを語る上で欠かすことのできないこの2人は、長年お互いにリスペクトを持って交流を深めてきました。今では知らない人も多くなりましたが、2人は昔、「Illest Konfusion」というクルーの仲間同士でした。クルーのメンバーにはSwings、Simon Dominic 、J-Tongなどがいました。
2014年にはEpik Highの『Born Hater』という曲で、Beenzinoが「E SENS兄さんが羨ましい 敵がいないから」というリリックを書き、ヒップホップコミュニティーの中で大流行しました。2016年にはE SENSのアルバム『The Anecdote』のリリース1周年を記念に公開された『Writer’s Block』のリミックスにBeenzinoが参加。また、Beenzinoが兵役を終えてから最初にリリースした意味深いシングル『OKGO』にはE SENSがフィーチャリングで参加しました。
E SENS – Writer’s Block [Lyricist Mix] (Feat. Beenzino)
[MV] Beenzino – OKGO (Feat. E SENS)
長い年月をかけて交流を続けてきたからこそ、今回のBeenzinoのBANA加入はE SENSの存在が影響したのではないかという推測もできます。Beenzinoの方向性や影響力を考えると、インディペンデント活動やレーベル設立ではなく既存のレーベルに加入したことに対する驚きの声も少なくありません。一ファンとしては、とにかく2人がより多くの交流を深める環境が整ったということが非常に楽しみです。
この2人に加え、Masta WuとKim Ximyaまで揃ったBANAのラッパーのラインナップは本当に素晴らしいですね。これからBeenzinoがBANAで繰り広げていく活動をみんなで期待しましょう。