H1GHR MUSICの新メンバー、Mokyoがシングル『Daddy』をリリース

Written By Sakiko Torii

Jay Park率いる「H1GHR MUSIC」に新たなメンバーとして加入したMokyo。3月2日にデビューシングル『Something』をリリースし、8日に早くも2枚目のシングル『Daddy』をリリースしました。H1GHR MUSICというイメージをいろんな意味でくつがえす楽曲です。

Mokyoという名前は見るからにTokyoに似ていますが、実はMokyoは日本人のミックスでもあり、東京も好きだということもあって自分のイニシャルの「M」とTokyoを掛け合わせたそうです。ハングルでは「모키오(モキオ)」と書きます。

曲名の「Daddy」はそのまま「お父さん」という意味ですが、曲の説明文には韓国語と英語で一行ずつ書いてあるだけです。韓国語のほうには「상처를 잊기에는 오래 걸리지만 본인의 삶을 찾아가요 우리 모두(傷を忘れるには長い時間が掛かるけど、本人の人生を歩もう、俺たちみんな)」とあり、英語のほうには「This is for people suffering from domestic violence(DVに苦しむすべての人々のために)」とあります。

このページの一番上に貼ってあるアートカバーを見ると、左側にビンを片手に持って泣いている人の姿が描いてあります。これがMokyoのお父様だそうです。手にしているのは酒瓶です。これ以上は説明しなくても何となく理解できるかと思います。Mokyoは『Daddy』を作った背景について、「“何があっても親のことは憎んではならない” なんて正義じゃない」と語っています。自分で打ち勝つことができるというメッセージを伝えたかったそうです。

[MV] Mokyo – Daddy

 

先にリリースされた『Something』のほうは逆に母親について歌った曲です。少し抽象的に表現しているため、聴いた人によっては恋人だったり宗教だったり、その人が強く信じている愛に当てはめて聴くことができるのではないか、ということです。

デビュー曲でいきなり家族について語るのはとても珍しいことですが、Mokyoにとって一番影響を受けた人が母親だったため、デビュー曲では絶対に母親に関する曲を出そうと決めていたそうです。人格形成の面で良い影響もたくさん受けたようですが、お母様のうつ病が特にひどかった時にMokyoが生まれたそうで、その面でも大きな影響を受けてしまったようです。だから家族の話題で共感を呼びたいというわけではなく、個人的な話を語ったに過ぎないと語っています。

曲名が「Mom(お母さん)」ではなく「Something(何か)」となったのも、「母親が与えてくれた愛ははっきりと形容することができない、それだけ抽象的なものだったのだ」という理由だそうです。一方で父親は明確に嫌な人だったので、歌詞でも露骨に表現しています。

[MV] Mokyo – Something

 

『Daddy』は「DVに苦しむすべての人々のために」とありますが、同じ境遇で育った人にはちょっと向き合うのがつらい曲かもしれません。一方でそのような環境とはまったく関係のないところで生きてきた人には、なかなか理解ができないのも事実だと思います。デビューから早々とても難しいテーマで挑んでいるMokyo自身をすごいと思うと同時に、それを抱えるH1GHR MUSICもすごいなって思いました。

「トレンドではなくスタンダードになりたい」と語るMokyo。ヒップホップとは全く違った音楽性の彼がこれからこのシーンの中でどのような位置付けで活躍していくのか、今から楽しみで仕方ありません。

 


 

Mokyo – Daddy のご視聴はこちらから

itunes spotify

 

writerSakiko Torii

BLOOMINT MUSICの運営者。韓国ヒップホップ・キュレーターとして執筆、ライヴ主催、音源/MV制作サポート、メディア出演など多方面に活躍中。イギリスに音楽留学していた本格派。著書に『ヒップホップコリア』。

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