Reddyが自伝的な内容をたっぷり詰め込んだアルバム『500000』をリリース

Written By Sakiko Torii

Hi-Lite Recordsに所属するReddyが、5月17日にニューアルバム『500000』をリリースしました。前作の『Telescope』以来約2年ぶりに発表されたアルバムとして、多くのファンから注目を集めています。

全12曲が収録された『500000』は、同レーベルのPaloaltoとYosiがプロデュースを務めました。去年の夏頃、Reddyは「アルバムを一度作り終えたんだけど、なんか違うと思って一から全部やり直すことにした」と語っていました。一度完成したものを捨てるのって、ものすごく勇気と覚悟のいることです。こだわりの強さに驚かされると同時に、作品への期待もグッと高まります。

Reddyは平均と比べると遅咲きのほうなのですが、30歳を過ぎてからもどんどん進化するのが素晴らしいと思います。流行に流されず、だけど新しいスタイルを自分らしくうまく取り入れながら作品ごとに成長を見せてくれます。今回の『500000』も、1曲目から「またReddyが進化したな!」と感じさせてくれます。

アルバムの公式紹介文にはシンプルに「キム・ホンウについてのアルバム」とだけ書いてあります。キム・ホンウとはReddyの本名で、つまり自伝的なアルバムということですね。自伝はヒップホップを語る上で欠かせない要素ですが、Reddyはシンプルなメッセージが多いタイプなのでこの路線は結構意外でした。リード曲の『Hmmm』の歌詞を読むだけでも「人間キム・ホンウ」の人生が描かれていることがよく分ります。『Hmmm』のミュージックビデオには私とsoulitudeさんが翻訳した日本語訳の字幕があるので、字幕をONにして観てみてください。

[MV] Reddy – Hmmm

 

『Hmmm』の日本語訳は別途記事にもしていますので、よろしければこちらからどうぞ!

Reddyが過去にリリースした『DRESS CODE』や『BREAK BREAD』の歌詞を読むと分かる通り、Reddyはかつて「ファッションばかりでラッパーとしてはイマイチ」みたいな扱いを受けていました。実際のところはラッパーとしても十分すごいのに、Hi-Lite Recordsの他のラッパーたちがすごすぎるっていう比較の問題で低く見られた部分もあったし、ファッションのイメージが強いラッパーが数年前までは他にいなかったという面もあると思います。

そういった事情でReddyは過小評価されることが多かったのですが、努力を重ねた結果ラップの実力はどんどん磨きがかかったし、クオリティの高いサウンドやミュージックビデオで作品ごとに高評価を得てきたことで、今ではReddyを馬鹿にする声もなくなってきました。今回のアルバムで見ても、「全体の構成がいい」「自伝的な内容が素晴らしい」「ドキュメンタリーのような作品だ」など良い評価で溢れています。

そしてこのアルバムのタイトルの意味について聞いてみたのですが、50万ウォン(=約5万円)という金額がReddy自身の状況によって多くも少なくも感じられるという意味だそうです。ラッパーとして活動を始めた当初に受け取った50万ウォンのギャラはReddyにとって本当に大きな金額だったけど、有名になった今は50万ウォンが少なく感じられる。その経験から、自分が置かれた状況によって変わる価値について語っているとのことです。今は50万ウォンを受け取るたび、当時のことを含めていろんな思いが溢れてくるそうです。

アルバム『500000』のトラックリストは以下の通りです。ぜひ全体を通して聴いていただきたい作品です。

01. 500000
02. Buried Alive
03. Humantree (Skit)
04. Hmmm
05. 두 배로 (Do Better)
06. Teenage Shopper (Interlude)
07. I Was a Boom Bap Kid
08. 수면 위 (The Surface)
09. 치트키 (Cheat Code)
10. Baby Driver
11. No Worries
12. Fade Out
 


 

Reddy – 500000 のご視聴はこちらから

itunes spotify

 

writerSakiko Torii

韓国ヒップホップを専門に文筆業、イベント主催、音源/MV制作サポート、メディア出演など多方面に活躍。



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