ライブレポート/Dok2 & The Quiett – Live in Tokyo 2014
2014年10月18日、韓国のアンダーグラウンド・ヒップホップシーンで最高の人気を誇るDok2 & The Quiettが、渋谷スターラウンジにて来日ライブを開催しました。ライブから半年も経ってのレポだなんて、もう恥ずかしくて記事の日付を改ざんしたい勢いですが、ここは素直に謝っておきます。大変申し訳ございません(涙)
このライブを私が主催することになったきっかけは、Sunday Tribeのライブレポにも書いてありますが、昨年2月、たまたまDok2 & The Quiettに遭遇したことに始まります。そのときにダメ元で「日本で単独公演やりません?」と声をかけたのが最初のきっかけです。たまたま遭遇できたというミラクルから実現に至った、Dok2 & The Quiettの初めての単独来日公演。観に来てくださった方も、残念ながら観に来れなかった方も、このレポを読んでお楽しみいただければ幸いです。
待ちに待ったライブ当日、時間通りに会場入りしてすっかりリハーサルの準備万端なDok2、The Quiett、そしてスターラウンジの皆様。しかし待てど暮らせど来ないのが約1名……そう、DJ Chikaさんです。The Quiettの「DJの方はまだですか?」という優しい笑顔と丁寧な口調の裏側に、きっと隠されていたであろう苛立ち(笑) 大幅遅刻で現れたChikaさんは、まったく悪びれた様子も見せずに爽やかな笑顔でDok2とThe Quiettに挨拶をしました(笑)
実はこのとき、Dok2 & The QuiettとChikaさんは初対面だったんです。だけどChikaさんは気さくで大らかでノリがいいので、あっという間に仲良しになりました。DJとしても超一流の腕前なので、みっちりと打ち合わせをする必要もなく、サラッと流れも理解して、非常にスムーズなリハーサルでした。さすが大物DJ!(遅刻したことを暴露したので、持ち上げてみた)
ところで今回ChikaさんにDJをお願いしたのは、完全なる私の個人的嗜好でした。このライブを企画した時点から頭の中にはChikaさんしかいなかったのですが、まさか本当にアポが取れるとは思ってなかったので、とにかく何でも言ってみるもんだなあと思いました。あ、もちろんDok2とThe Quiettにもお伺いを立てましたよ。Chikaさんがプレイしている動画やChikaさんのアルバムを渡して検討してもらいました。なので私の独断で決めたのではなく、ちゃんとご本人たちの意思も伺ってます。誤解なさらぬよう!
ところでChikaさんって、Aloe Blacc、De La Soul、Gang StarrのGuruなどと共演したことがあるというとんでもない経歴をお持ちなのですが、ご存知でしたか? Guruの相方だったDJ Premierは、去年Dynamic Duoとコラボ曲をリリースしたことで注目を集めましたね。
Aloe Blaccが歌った『Wake Me Up』(スウェーデンのプロデューサー、Aviciiが手掛けた曲)は、2013年~2014年にかけて世界で最もヒットした曲のひとつです。実際、世界各国44ものチャートで1位を獲得し、Spotifyでは過去最高の再生回数を誇ります(2015年2月現在)。YouTubeの再生回数も6億回に到達する勢いです。この『Wake Me Up』の入ってるAviciiのアルバム『TRUE』は、本当にお勧めです。EDM好きにはたまらない1枚だと思います。私も一時期ハマって鬼リピしてました。
そんなすごい日本人Chikaさんと、すごい韓国人Dok2 & The Quiettの共演なので、うまくいかないはずがないですね。リハーサルもスピーディーに終わってしまい、スターラウンジの方も驚いていました。私はサウンドチェックの際に通訳としてPAさんとの間に入ったり、ChikaさんとDok2 & The Quiettのコミュニケーションを手伝ったりしました。
サウンドチェックでは、モニターやメインスピーカーの調整をしたり、マイクのイコライザー、リヴァーブ、ハウリングポイントなどの調整をします。バンドの場合はやることが何倍にも増えますが、この手のライブでは比較的簡単です。だから最初は「15分もやれば十分」と言っていたDok2とThe Quiettですが、なんだかんだ40分くらいリハーサルしました。それでもかなり短いけど。本人たちが納得いくまで音響の調整をするのに少々時間かかりました。Chikaさんとの打ち合わせ的なものはほとんどなくて、ササッと曲をいくつか合わせてタイミング調整をした程度。さすが。
手の空いた隙にリハーサル中の写真を数枚撮ったので、一部公開します。
ステージの上でボチボチ準備
Dok2のラップ中、ステージから降りてくるThe Quiett
客席からのステージの見え方、音の聴こえ方を確かめます
Dok2とThe Quiett、立ち位置チェンジ
激写中のAlmondさん(Illionaireのアートディレクター)
リハーサル後は、少し休んでから雑誌の撮影&インタビュー。今回インタビューを担当してくださったのは、私が2013年に主催した不汗黨のライブのときに取材してくれたことから知り合いになったライターの阿部さん。HI-LITEのときも告知記事をメディアに載せてくださったりと、いつも大変お世話になっている方なのです。阿部さんの著書『K-POP パーフェクトBOOK』は、300もの韓国アーティストやアイドルのプロフィールが紹介されている韓国音楽のバイブルです。必読!
それからカメラマンさん、編集部の方、通訳の方がいらっしゃいました。このときのインタビューは『RIVERIVER』という韓流雑誌のVol.05[新春特大号]に掲載されています。こんなゴリゴリのラッパーを取材するのはとても珍しいとのことでした。『RIVERIVER』の公式サイトに詳細や販売情報が載っていますので、ぜひゲットしてください。お値段は少々張りますが、Dok2とThe Quiettの大きな写真や充実のインタビューが、たっぷり6ページにわたって掲載されていて満足度100%です。
Photo credit: riveriver_magazine @ Instagram
『RIVERIVER』の公式インスタグラムに、このときのインタビューのこぼれ話が書いてありますので、そちらもぜひ合わせてご覧ください。
ほかにもこれとかこれとかいろいろな写真をアップしてくださっているので、『RIVERIVER』のアカウントをぜひチェックしてみてください。私からはこぼれ話の代わりに、撮影中の2人の写真を貼っておきます。
撮影モードでキメッキメになって楽屋から出てきた2人
キメッキメ
サングラスなしでキメッキメ
撮影&インタビューも終わり、いよいよ開場です。 開演までの間、Dok2とThe Quiettはパソコンで自分たちの過去のライブ映像を観ていました。イメトレか、それとも映像を観ながら注意点を話し合ってるのかと思って私も黙って様子を見ていたのですが、ただ単に普通に自分たちの映像を観て楽しんでいただけでした(爆)
開場するや否や、あっという間にライブハウスの中がパンパンになりました。私はちょっと高い位置にいたのですが、そこから見渡す光景はなかなかのカオスですごい熱気でした。
開演前、パンパンのライブハウス
2月のSunday Tribeのときは時間も悪かったとはいえ100人もいない様子だったし、6月のOne Nation(※1)のときも観客は圧倒的にJay Parkさんのファンが多いように感じたけど、やはり「Show Me The Money 3(※2)」の影響は大きいようで、ファンが急増しましたね。Bobbyのファンの方も多く見受けられました。
※1 One Nation:2014年6月にTOKYO DOME CITY HALLで開催されたイベント。出演者はIllionaire Records(Dok2、The Quiett、Beenzino)のほかに、Jay Park、Loco、DJ Pumkin。実は私が5月にIllionaire Recordsの単独ライブを開催する予定だったのですが、このイベントが入っちゃったので10月に変更したのでした
※2 Show Me The Money:韓国のケーブルテレビ『Mnet』で毎年夏に放送されているヒップホップ・サバイバル番組。アマチュア、プロ問わずラッパーがスキルを競い合う。ヤラセやコンセプトのブレなどを理由に、ラッパーやヒップホップファンから多くの批判を受けている。2012年の優勝者はLoco、2013年はSoul Dive、そして2014年はDok2とThe Quiettがプロデュースを務めたBobbyが優勝した
そして開演。まずはChikaさんのDJプレイからスタートしました。元々はアンコールの前にChikaさんのDJタイムを入れる予定だったんだけど、本番直前にThe QuiettからDJタイムを冒頭に持ってきたいと言われ、急遽変更しました。本番前にChikaさんがプレイする曲を話し合ったのですが、Chikaさんは「何かけてほしい? 何でもいいよ」って言っておきながら、Dok2が「サウスヒップホップ」とリクエストしたら「サウスはない」ってバッサリ切ったので吹きました(爆)
Dok2とThe Quiettにしか興味がない方にも、Chikaさんのプレイを楽しんでいただけたらいいなーと思ったのですが、いかがでしたか? ヒップホップ好き、クラブ好きな方たちからは「最高だった!」と感想をいただき、とても嬉しかったです。これを機に、日本のクラブシーンにも興味が湧いた方がいれば本望です。
そしてChikaさんのかっこいいプレイが終了し、会場の熱も十分に高まったところで、ついにDok2 & The Quiettが登場しました。スターラウンジにはキャパシティ限界の250人がビッシリ入っていたので、開演前から満員電車状態になっていたのですが、Dok2 & The Quiettが登場した途端、黄色い歓声とともに人の波がドドーーッと前に押し寄せ、会場の後ろにポッカリ隙間ができました。実は300人くらい入るのでは? と一瞬思ったのですが、前のほうにいた方々は押しつぶされてひどい目に遭ったと後から聞きました。怪我人が出なくて本当に良かったです。
下の動画は、Chikaさんの素晴らしいDJプレイが終わって「いよいよDok2とThe Quiettが登場か?」と会場がザワつくところから。『We Here 2』の切ないピアノのイントロが流れるや否や歓声があがり、ご本人たちが登場した瞬間にドワーッと人の波が前に行くのですが、このアングルからだと分かりづらいですね。
そのままノンストップで『1llionaire So Ambitious』『11:11』『연결고리』と続いたのですが、とにかく観てて感じたのは、2人とも海外公演ということを感じさせない「こなれた感」がすごいということです。日本でステージに立つのがすでに3回目だし、世界の様々な国でライブをしたことがあるから当然なのでしょうけど、それにしても外国でライブをしていることを感じさせない堂々としたパフォーマンスでした。
特に私は不汗黨やHI-LITEの初来日ライブを手掛けてきたので、初めて外国のステージに立つ緊張感や感慨深さのようなものに直面してきました。だからDok2とThe Quiettのこなれたステージングには感心すると同時に、ちょっと寂しい気持ちにもなりました(笑)でも緊張したり胸熱になっているDok2とThe Quiettなんて、なんだかイメージが湧きませんね。日本だろうがパリだろうがニューヨークだろうが、いつでも堂々と最高のパフォーマンスを見せるぜ! これでこそIllionaireなのでしょう。
『연결고리』は、最近の彼らのライブでは一番と言ってもいいくらい盛り上がる曲ですね。実は今年1月、韓国ソウルで行なわれたIllionaireの設立4周年記念コンサートに行ってきたのですが、そこでは本編で1回、アンコールで3回と、トータルで4回も『연결고리』をやりました(爆)
韓国でも当然ものすごい大合唱になっていましたが、日本公演でも大合唱になっていたのでご本人たちも喜んでいました。Dok2がインスタグラムに日本のファンが大合唱している動画をアップしたのですが、そのときThe Quiettと一緒にその動画を確認しながら「みんな発音もいいし、完璧に揃っててすごい」と感心していましたよ。
下の動画でもその大合唱が確認できますが、曲の冒頭でThe Quiettが韓国語で「みんなで一緒に」って言ったあと、日本語でも「ミンナデ、ミンナデ」って言ってるのが可愛いですね。
あと、これも同じ動画で確認できますが、曲が終わってから簡単な挨拶をしたときにDok2が足下に貼っておいたカンペを一生懸命読んで、「タノシイデスカ?」と言うのも可愛いですね。「イエーー!!!」と大きな反応が返ってきたときも嬉しそうに笑ってて。
HI-LITEのライブでも実感しましたが、簡単でもいいのでひとつでも多くの日本語を話したほうが、ファンとの一体感が生まれて良いですよね。HI-LITEのときは「僕はHI-LITEのPaloaltoです」みたいなことも言ってもらいましたが、Dok2に「僕はDok2です」とか言わせるのもどうかしてるので、今回はそういうのは省きましたが(笑)
Illionaireの皆さんは6月にもOne Nationで来日ライブをやりましたが、そのときは持ち時間がさほど長くなかったため、定番の曲しか聴けませんでした。だけど今回は『Don』『가』あたりも聴けたのが良かったですね。特に『가』では「カー! カー!」と大合唱で大盛り上がりでした。Beenzinoの声がそのまま録音で流れていたのも良かった。この曲に関してはBeenzinoの印象が強いので、絶対にカットできないですよね。
本編の一番最後は、『We Gon Make It』でしっとりとさせてから、爽やかなビートが終わりを飾るにふさわしい『Mr. Independent 2』で美しく締めました。
ところでこの『We Gon Make It』や『가』が収録されているアルバム『11:11』には、Dok2の声がハスキーになってる曲がいくつか入っていて、それがまたいい味を出していて大好きなんです。特に『Rollie Up』なんてガラガラすぎてダンディだし。
Illionaire Records – 11:11 (Deluxe Edition)
喉を絞るようにしてある程度ハスキーにすることはできるけど、それにしてもずいぶんとシャガレてるので、不思議だったんですよね。加工ではなさそうだし。実は声優やモノマネタレント並みに声色を七変化させるスキルの持ち主だったとか!? なんて思ってDok2に聞いてみたんです。「今回のアルバムでは声がハスキーな曲があるよね」って。そしたらまさかの「風邪を引いて、喉を痛めてたから」という回答が返ってきました(笑)
でも結果的にあのハスキーになってる感じがいい味出してるので、喉を痛めてるのをあえて生かして録音したんでしょうね。そういう遊び心というか、とりあえずやってみようというチャレンジ精神というか、そういうところから名作が生まれたりもするので、風邪声でアルバムを作るってのはある意味すごく芸術家らしいというか。
ってこれだけ語っておいて、単に締切に間に合わせたかっただけだったりして(爆)
余談が長くなりましたが、ここでライブ本編の最後にやった2曲『We Gon Make It』と『Mr. Independent 2』の動画をご覧ください。
このあとアンコールに入ったのですが、なんとアンコールで6曲も披露するというサービス精神。しかしアンコールにおける彼らの本当のサービスは、曲数の多さではなかったのです。彼らによる真のファンサービス、それは今回来日がかなわなかったレーベルメイト、Beenzinoの持ち歌である『Always Awake』を披露すること。Beenzinoファンの方は本命不在のライブに少し寂しさを覚えていらっしゃったかもしれませんが、これでほんの少しでもその寂しさが埋まったのであれば、Illinaireの3人も喜ぶと思います。
というわけで、Beenzino抜きでお届けした『Always Awake』の映像をお楽しみください。逆に主役不在の動画は貴重かもしれないですね。
最後にアンコールからもうひとつ動画をご紹介したいと思います。
『I’m 1LL』という曲なのですが、この曲では客席に向かってこれでもかというほどの大量の水をかけるパフォーマンスが見どころで、この曲のために本番前、Dok2から「もっとステージに水足しといて」って言われて、足しても足しても「もっと、もっと」と要求され、何度もステージに水を置きに行く私の姿にイヤな予感がしたファンも続出していたかと思います。
余談ですが、リハーサル中に「アンコールで水をまくパフォーマンスをしたいんだけど、大丈夫ですか?」とThe Quiettに聞かれ、バタバタしていた私は「大丈夫じゃないですか?」と適当な返事をしたら、「ちゃんと会場の人に確認してくれますか?」と言われてしまいました(爆)主催者よりよっぽど常識的なラッパーですね。ってか、あそこまでザブザブ水をまくとも思ってなかったので、こりゃ確かに許可いるわ、と本番中に実感したのでした。前列のほうにいた方達は、雨に打たれたみたいにズブ濡れになっていたようです。
そんなザブンザブンに水をかけまくってる楽しい動画をご覧ください。
アンコールの一番最後は、やはりこの曲。『연결고리』で締めました。最後の最後まで大合唱で大盛り上がり。楽しかったライブもあっという間に終わってしまいましたが、短いながらも充実した時間でしたね。2014年に入ってから3度目の日本公演だったとはいえ、単独公演は初めてだったので、Dok2もThe Quiettもなんだかんだ感慨深かったようです。最後まで一瞬も力を抜くことなく、全力で最高のパフォーマンスを見せてくれました。
本当はこのレポ、写真をふんだんに貼って構成しようと思っていたのですが、いかんせんカメラも腕前もポンコツなもので、お見せできるような写真がまさかの2枚しかないという惨劇。動画に関しては客席に撮影要員を送り込んでいたので、まあまあ撮れていますが、写真に関してはほんともうごめんなさいって感じです。下がその2枚です。これはこれでお見せできるレベルでもないんですけど、これでも一番マシだったんです。すみません……。
土下座もんのクオリティですが、でもなんかほら、高いところから撮ってるから観客の皆さんの手がニョキニョキってたくさん出てる臨場感とか、案外いいでしょ? って自分で自分を慰めるのも情けないだけなので、前のほうで観覧していた方から送ってもらった写真を公開します。いろんな意味で素晴らしい写真です。「いろんな意味」の意味は、深く考えずに流してください。
Photo credit: Noriko
タワーレコード運営のミュージック・レヴュー・サイト『Mikiki』様も素敵なレポを書いてくださったので、ぜひシェアさせてください。 Mikikiの加藤直子様のレポは、読むたび「さすがプロ!」と感じます。音楽の知識はもちろんのこと、状況を説明する文章力が素晴らしいです。HI-LITEのレポも素敵でした。そんな加藤様ですが、カメラの腕前は私同様にポンコツとのことで、早々と諦めて「他の方々による映像をググっていただければ」って書いてあるのを読んで吹きました(爆)
Mikiki (2014-12-19) – 韓国のラッパー、DOK2 & THE QUIETTの来日公演においての雑感を……いまさら?
最後にセットリストをご紹介します。
01. We Here 2
02. 1llionaire So Ambitious
03. 11:11
04. 연결고리
05. Don
06. 2 Chainz & Rollies
07. Profile
08. Illionaire Gang 2
09. Illionaire Gang
10. 가
11. Be my luv
12. My love
13. Tomorrow
14. On my way
15. We Gon Make It
16. Mr. Independent 2
– アンコール –
17. Hotter Than The Summer
18. Always Awake
19. L4L
20. I’m 1LL
21. 훔쳐
22. 연결고리
―あとがき―
ただでさえレポを書くのが遅い私ですが、今回はより一層悩むところが多く、なかなか書き進めることができませんでした。というのも、Dok2とThe Quiettはクールなイメージが確立されているので、彼らのイメージを損なわないために、どこまで書くべきか判断に迷う部分が多かったんです。たとえばHI-LITEのレポだったら「B-Freeがステージからゴロンと転げ落ちた」とか書きたい放題でしたが、もし同じことがThe Quiettの身に起こっても絶対に書けないですよね。「The Quiettがふざけて転んで大爆笑!」とか絶対に書けない(笑) まあThe Quiettがふざけて転がるとか、どのみち絶対ないと思うけど(笑)
レポが遅れた理由のひとつにはそんな側面もあったわけだけど、一番の理由は単に忙しすぎたからです。1月下旬に今年上半期のスケジュール帳を書き込んでみたら、5月まで休める日が1日もないことが判明して、正直逃げたくなりました。忙しさのあまり、先週出演したTBSラジオ『菊地成孔の粋な夜電波』の告知もすることができないまま終わり、4月15日に開催される菊地凜子さんことRinbjöの『戒厳令』リリースパーティーの告知もろくにできず、どうしようもない状態です。
言い訳と宣伝で埋め尽くされるという情けないあとがきになってしまいましたが、最後にひとこと。何かと至らない点の多い主催者ではありますが、多くの方の支えあってこそ毎回やり遂げることができています。直接サポートしてくれている家族や友人のほか、ツイッターなどを通して応援メッセージをくださる方々に励まされながら、奮闘しております。このDok2 & The Quiettのライブのときも、たくさんの方からプレゼントをいただき、心のこもったお手紙までいただき、ライブ準備中に何度も心が折れそうになったことすべてが帳消しになるくらい嬉しかったです。プレゼントそのものというより、そのお気持ちやお気遣いが、とにかく嬉しくてありがたかったです。
あ、これは次回以降のプレゼントのおねだりだと誤解されるといけないので、あらかじめ明確にお伝えしておきますが、おねだりではありません! 次回以降、私にプレゼントを検討してくださっている方は、お気持ちだけありがたくいただきますので、どうぞ手ぶらでお越しください。声だけ掛けてもらえればこの上なき幸せです。人とのつながりが何よりの宝物です。
まさに「연결고리(つながり)」ですね。
ノワ! ナエ! ヨンギョル! ゴリ!
君と! 僕の! つな! がり!
和訳するとダサいですね(笑)
ですので、プレゼントを買うための資金は、次回以降また私が主催するライブのチケット代のために貯金しておいてください(笑)今年も精力的にK-HIPHOPのライブを開催していくつもりです。4月のDok2 & The Quiettの再来日公演、Rinbjöのリリパ、それ以外にもいくつか企画は動いています。ほかにも、韓国や日本の音楽業界のちょっとしたお手伝いもしているので、今後ともご注目くださいませ。
改めて、ライブを観に来てくださった皆様、本当にありがとうございました。いや、私のために来てくれたのではないことくらい分かってますが、主催者というものは、実はアーティストに負けないくらい、来てくださる方々に感謝の気持ちを抱いているものなのです。4月29日のライブも、お時間合いましたらぜひ遊びに来てくださいませ。
そして毎度のことながら、ダラダラと長いレポを最後まで読んでくださってありがとうございました。楽しんでいただけたようでしたら、幸いです。
-完-
※この記事で使用されているライブ映像は、Illionaire Recordsと締結した契約のもと、当サイトの運営者であるSAKIKOが著作権を所有しています。映像のご利用に関してご不明な点がある場合は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。