TABLOの身に起こった「タジンヨ」事件の判決関連まとめ

Written By Sakiko Torii

※筆者追記(2019年1月8日)

本記事は当サイトの運営者である私、鳥居咲子が2012年に別ブログに書いていた「タジンヨ」に関する記事をひとつにまとめたものです。

これらの記事を書いてから6年が過ぎた2018年、総合カルチャーサイトの「Real Sound(リアルサウンド)」にもこの事件について簡単にまとめた記事「SEKAI NO OWARIとのコラボも話題 韓国ヒップホップグループ EPIK HIGHの功績を振り返る」を寄稿しました。

ご参考までに、「タジンヨ」事件が収束した後にリリースされた『Airbag』の歌詞和訳はこちらの記事「歌詞和訳/TABLO – Airbag (Feat. Naul)」をご覧ください。

 


 

TABLO「タジンヨ」会員2名に実刑判決(2012年7月7日)

Tabloに学歴虚偽疑惑を提起し、虚偽事実流布の疑いから名誉毀損で起訴された、インターネットサイト「Tablo(TABLO)に事実を要求します=韓国語略でタジンヨ(以下タジンヨ)」会員に対する裁判で、タジンヨ会員の中の一部に実刑判決が下された。

 

6日午前、ソウル中央裁判所で行われた宣告公判で、刑事14単独判事は、情報通信網利用促進及び情報保護などに関する法律違反(虚偽事実流布による名誉棄損)容疑で起訴された、タジンヨ会員9名のうち2名に対し懲役10カ月の実刑を宣告した。

 

裁判所は、起訴された9名のうち2名に対し、「同種犯罪の前歴があり、悪意的な表現を繰り返し使用、裁判中にも過ちを認める態度を見せなかった」との理由で懲役10カ月の実刑を宣告した。実刑を宣告された2名は、宣告直後に拘束手続きを踏む。

 

9名中4名は、過ちを認め謝罪した点、掲示の回数が少ない点などが考慮され懲役8カ月、執行猶予2年を宣告された。裁判所に姿を現さなかった1名を除いた残りの2名は懲役10カ月、執行猶予2年を宣告された。

 

タジンヨの実刑判決の知らせを聞いたネットユーザーの大部分は、「ついに長い争いが終わった」、「悪質なコメントを書き込んでいる人は、この一件をキッカケに目を覚ましてほしい」「懲役10カ月は短いような気もするが、それでも良かったと思う」など、タジンヨの実刑判決に賛同する反応を見せた。

 

<イ・ジュニョブ記者:スターニュース>
提供:〔KSTAR NEWS&Moneytoday Starnews〕

 

Source: Kstar News

 

本当に良かったです。インターネットであることないことバラまいて有名人の名誉を傷つけることが、犯罪だと立証された記念すべき日です。この判決を機に、同様の行為をしている人たちがもう馬鹿げた行為はやめてくれることを願っています。同様の事件再発の防止効果があればいいですね。

Epik HighとしてYGからアルバムを発売するというウワサも出てきましたね。TABLOさんが、これで安心して音楽活動に集中できることを切に願います。

 


 

「タジンヨ」がTABLOに謝罪(2012年9月14日)

TABLOを罵って、結局監獄に行くと反省

 

歌手TABLO(本名イ・ソンウン・32)に対して、学歴偽造疑惑を提起して実刑を宣告受けた「タジンヨ(TABLOに真実を要求します)」カフェの会員8人が、疑惑を認めて善処を訴えた。

 

9月12日午前、ソウル中央地方法院で開かれたTABLOの名誉毀損に対する控訴審1次公判で、彼らは「TABLOと彼の家族に申し訳ない」としながら、「社会的物議をかもした点に対して反省している。善処してくだされば、正しく生きていく」という立場を伝えた。

 

特に一審で法廷拘束された会員は、「TABLOに精神的・物理的な苦痛を与え、血を吐く心情で謝罪する」として、「過去の行動に対してたくさん後悔した。今後は他人に被害を与える行為をしない」と反省した。

 

引き続き、ほかの会員は、「高卒という学歴の状況で、TABLOを見て劣等感を感じた。一審判決に承服し、今後はTABLOの音楽活動を邪魔しない」と話した。

 

この日の控訴審では、TABLOのスタンフォード学歴の真偽の有無を問い詰めることよりも、減刑に重きがおかれた。被疑者が犯罪事実を認めて善処を訴えたことにより、宣告まで急速に進行される見通しだ。

 

被告人は7月の一審宣告公判で、3人が懲役10月、ほかの6人は執行猶予2年を宣告された。控訴審宣告期日は来月5日だ。

TABLOは2010年、米国スタンフォード大学の修士学位取得に対する偽造疑惑に包まれ、同年8月、学歴偽造疑惑を主導した「タジンヨ」の会員たちを「学歴偽造説流布など誹謗(名誉毀損および侮辱)」疑惑で告訴した。

 

Source: アジア経済

 

劣等感とか、反省してるとか、うーん。。。罪を認めるのはいいことだけど、単に減刑のために反省の言葉を口にしているのかとか勘ぐっちゃうわ。

今回の実刑判決は、有名人に対して根拠のないデマを垂れ流し、誹謗・中傷して名誉を傷つける行為が、いかに悪質であるかということを知らしめるためにも、画期的な一歩だったと思うんですよね。だから、減刑とかほんとダメだと思う。場合によっては自殺を招いたかもしれない、それくらいひどいことをしたわけだから、それなりに罪は償ってもらわないと。悪質なネチズンたちに、「どうせ反省の言葉を口にすれば減刑される」という認識が植えつけられないためにも、減刑には反対。被告人というひとりの人間の人生に大きく影響する事柄に対して、蚊帳の外にいるべき私がああだこうだ言うことでもないんだけど。

でも、当時のTABLOの泣いている映像を観たとき、本当に胸が痛んだんです。TABLOの書く歌詞を読むと分かるけど、TABLOって文学者なだけあって人一倍感受性が強いと思うんですよね。まあ傷つくレベルに度合いとか個人差とかなんて物差しで測るのもナンセンスだけど、あれだけ感受性が強い人だから余計につらかっただろうなって思ったんです。

二度と同じようなことが繰り返されないためにも、減刑には強く反対したい。でも本当に心の底から反省してるのなら、減刑された場合、そのことへの感謝の気持ちを忘れずに、約束通り二度とこんなバカなことはしないでほしいな。

 


 

タジンヨの控訴が棄却(2012年10月15日)

ソウル中央地裁が、TABLOの学歴詐称疑惑を提起した被告人8人全員の控訴を棄却したそうです。前回の記事で「減刑反対!」と憤っていた私としては、良かったなって思ってます。

前回も書いたように、被告人の人生がかかっている件について他人の私がどうこういう言うもんではないけど、やっぱり今後同様の事件が起こることを抑制するためにもしっかりと罪をつぐなってもらったほうがいいと思うんですよね。ということで、いくつかあるニュース記事の中でも読み応えのあるものを3つほどご紹介したいと思います。

TABLO学歴詐称論争「タジンヨ」ついに完敗

 

EPIK HIGHのTABLOとタジンヨの長い法廷争いが終わる見通しだ。

 

TABLOの学歴詐称論議を起こした「タジンヨ(TABLOに真実を要求します)」の会員たちが、とうとう実刑を免れなくなった。10日、ソウル瑞草洞(ソチョドン)、ソウル中央地方裁判所で「タジンヨ」の会員8人(情報通信網利用促進および情報保護などに関する法律違反疑惑)に対する控訴審の結審公判が行われた。

 

裁判所は、「被告人の意図が不純な上に方法が浅はかだった。その被害結果も深刻だ。一部の被告人は最後までTABLOを信じられないという考えを明らかにしている。被害者の厳罰意志が維持されており、私たちの社会で悪質な書き込みが横行していじめが起こる現実で一罰百戒が必要だと考え、量刑不当の控訴を受け入れない」と明らかにした。

 

一方、拘束収監された3人の被告人のうち女性被告人のひとりは量刑不当控訴が受け入れられた。裁判所は、「実刑宣告受けた被告人のうちA被告人は、幼いころからアトピーのために食べ物の調節が容易ではなく収監生活が出来ない特異体質であること、幼いころから特異な成長背景を有していたことを勘案し、量刑不当の控訴を受け入れる。懲役10ヶ月執行猶予2年に減刑する」と宣告した。

 

また、裁判所は7月6日、情報通信網利用促進および情報保護などに関する法律違反(虚偽事実流布による名誉毀損)疑惑で起訴された「タジンヨ」会員9人のうち4人に対して懲役8ヶ月執行猶予2年、2人に対して懲役10ヶ月執行猶予2年、最も悪意ある論議を起こした3人に対しては懲役10ヶ月の実刑を宣告した。タジンヨ会員と検察側は、一審判決を不服として今月10日ソウル中央地方裁判所に控訴状を提出した。しかし裁判所は控訴審を受け入れず、結局実刑を確定した。

 

TABLOは2010年、米国スタンフォード大学の学位取得に関連して「タジンヨ」運営者「ワッビコムズ」を通じて偽造疑惑に包まれた。同年8月に「タジンヨ」会員たちを相手に名誉毀損の疑いで告訴し、長い法廷攻防を予告していた。

 

Source: dailian.co.kr

 

TABLO 学歴論から抜け出した……2年半の残酷史

 

TABLOが約2年6ヶ月続いた学歴詐称疑惑の罠から脱出した。

 

10日午前9時50分に行われた結審公判で、「TABLOに真実を要求します(以下タジンヨ)」会員8人の控訴がすべて棄却され、そのうちのひとりは判決が確定した。まだ被告人の上告機会が残っているものの、裁判所の立場が強硬なためタジンヨ会員による追加控訴はないと予想される。これでTABLOはこれまで数多くの疑惑とデマによって受けた荷物を下ろすことができるようになった。

 

#1. 疑惑提起から告訴状提出まで

2009年11月、あるネチズンがTABLOが卒業したことで知られる米国スタンフォード大学の卒業者名簿にイ・ソンウン(TABLOの本名)の名がないとし、疑惑を初めて提起した。5ヶ月後の2010年4月、TABLOが自身に対する不正確な情報をインターネット上で繰り返し広めたとし、そのネチズンを相手にソウル麻浦警察署サイバー捜査チームに告訴状を提出した。2ヶ月後、タジンヨサイトが開設されて本格的にTABLOに関するデマが広まり始めた。

 

#2. 法廷攻防の開始

スタンフォード大学教務課長、トーマス・ブラックが2010年6月、学校の公式ツイッターを通じてTABLOの学歴を認証し、タジンヨの証拠は操作されていると主張した。60日後、スタンフォード大学から具体的な証拠が提供されたが、タジンヨはスタンフォード大学校の言う学生ダニエル・ソンウン・リー(TABLOの名前)がTABLOではないという主張を展開した。TABLOは結局、学歴詐称説を流布したネチズン22人を名誉毀損の疑いで警察に捜査依頼した。2010年10月、ソウル瑞草警察署がTABLOの卒業証書、成績証明書、パスポートなどスタンフォード大学側が提示した証拠をもとに、学歴詐称疑惑がないことを公式発表した。

 

#3. 法廷闘争長期化の兆し

ソウル中央地方検察庁は2011年1月、TABLOの学歴詐称を主張した12人を在宅起訴し、タジンヨの前運営者「ワッビコムズ」など身元が確認されていない6人を手配した。未成年者2人は起訴猶予とした。6ヶ月が過ぎたが、検察がスタンフォード大学に要請した入学許可書、卒業証明書などが到着せず、予定していた公判が延期された。2011年12月から2012年3月に延期された。3月に開かれた公判は10分で解散され、裁判所は5月18日に続行すると明らかにした。TABLOは2012年5月に開かれた第5回公判でタジンヨ会員2人を相手取った訴えを取り下げ、検察は残りの9人に対して侮辱罪を追加で公訴した。

 

#4. TABLO アルバム発表

法廷闘争の開始とともに、公式席上から姿を隠していたTABLOが1年半ぶりに初のソロアルバムを発表した。2011年10月、ソロアルバム「열꽃(熱花)」のパート1を、11月にはパート2を公開して大衆の前に立った。

 

#5. タジンヨ実刑求刑

2012年6月、タジンヨ会員9人に最高2年6ヶ月から1年が求刑された。タジンヨ会員たちは侮辱の意図がなかったとして減刑を訴えたが、検察は厳罰を要求した。1ヶ月が過ぎて開かれた最終宣告で、タジンヨ会員のパク氏を含む3人は、懲役10ヶ月を宣告されて法廷拘束された。同じ容疑で起訴されたソン氏など6人には、それぞれ懲役8~10ヶ月に執行猶予2年が宣告された。4日後、パク氏はソウル高等法院に反省文と控訴状を提出した。2012年9月、健康上の理由で公判に出席することが出来なかったキム氏を除いたタジンヨ会員8人、全員が過ちを認めて減刑を訴えたと伝えられた。

 

#6. 活動再開

TABLOは自身のソロアルバムを発売した当時、「以前の私に戻ることは難しいようだ。実際EPIK HIGHの中でも私はいつも穏やかな感性を追求した。今後も大きく変わらないようだ」と話し、大きな苦痛を乗り越えていることを示唆した。タジンヨの有罪と法廷闘争が終わり、TABLOはEPIK HIGHとして新たなスタートに乗り出した。彼は3年ぶりに発表したEPIK HIGH7枚目のアルバムの先行曲「춥다(寒い)」を通じて、現在の国内すべての音源チャートで1位を独占している。TABLOが所属するEPIK HIGHは、19日に7枚目のアルバムの全曲を公開して活発な活動を続けていく予定だ。

 

Source: asiae.co.kr

 

TABLO「タジンヨは懺悔したのか疑問・・・一罰百戒してほしい」

 

全南(チョンナム)、扶安(プアン)の内辺山(ネピョンサン)国立公園に、月明岩(ウォルミョンアム)という有名な庵があります。被告人に、そこにある句をひとつ紹介しようかと思います。「何かを聞いて簡単に行動しないで、それが事実なのかを深く考え、道理が明確なときに果敢に行動しなさい。」この言葉を胸に刻んで、賢い人に生まれ変わってください。

 

歌手TABLO(本名イ・ソンウン)の米国スタンフォード大学の学歴詐称疑惑を拡散させたインターネットカフェ「タジンヨ(TABLOに真実を要求します)」会員8人の控訴審の判決が下された、10日午前9時50分ソウル中央地裁421号法廷。刑事控訴2部、パク・グァングン部長判事が仏教経典のひとつである「雑宝蔵経」の一節を読み上げた。8人のうち唯一の女性であり、最も若いパク氏(26)は、着ていた緑のストライプのそでで目元をぬぐい始めた。

 

一審で有罪を宣告されたほとんどの被告人たちは「刑がとても重い」と主張したが、裁判所は受け入れなかった。一審の最終陳述でも「刑務所に行ってもTABLOに対して個人的に信じることができない」として最後まで反省せずに実刑を宣告されたメンバー3人も、一歩遅れて反省文を提出して後悔したそぶりを見せたが無駄だった。裁判所は「犯行の動機が不純で犯行方法も浅はかだ」と非難した。続いて、「この事件のような愚かなことが再発しないように、一罰百戒する必要がある」と明らかにした。

 

被害者であるTABLOとその家族が、「被告人が心から懺悔したのか疑わしい。厳罰に処してほしい」と話したことも判決に影響を与えた。TABLOは裁判所に、「今年3月末にこの世を去った父親の死亡原因はタジンヨによるストレス」と明らかにした。8年前から肝臓がんを患ってはいたが、被告らの名誉毀損で急に病状が悪化したそうだ。裁判所も父親の死亡について「この事件で体験した苦痛とストレスがひとつの原因になって死亡した」と認めた。

 

TABLOはまた、裁判所の量刑調査官の電話を受けて「まだタジンヨに対して許すことができない。1日に何度も考えてみるが変化がない。家族の傷があまりにも大きいため、裁判所でも他の家族には別々に連絡してほしい。ただ早く事件を忘れたい」という意見を明らかにしたと伝えられた。

 

ただし、裁判所は一審で実刑を受けた3人のうちパク氏については「特異体質であるうえ、アトピー性皮膚炎が悪化して収監生活をするのが容易ではなく、不遇な成長過程が歪んだ心理状態を作ったと思われる」とし、懲役10ヶ月の一審の量刑を2年間の執行猶予にして釈放した。その代わり、異例的に「本を2冊読んだあと感想文を提出して、悪意のあるコメントを追放するための活動をしなさい」という特別遵守事項を課した。裁判所が推薦した本はキム・サラさんが書いた「第3のイブ」と、ディー・ウォーレスが書いた「人生劇場演技の授業」だ。パク部長判事は、「人生劇場演技の授業」の中の「誤った信念と性格が私たちのエネルギーを病むようにして、それによって私たちの生活を望まない道に導く」という一節で裁判を終えた。

 

Source: news.donga.com

 

writerSakiko Torii

韓国ヒップホップを専門に文筆業、イベント主催、音源/MV制作サポート、メディア出演など多方面に活躍。



Sponsored Link

Related

/

Access Top

/

Subscribe us!

BLOOMINT MUSICの最新情報をお届けします。

友だちに追加

Sponsored Link