The QuiettとYUMDDAがピックアップした「Daytona Entertainment」加入のアーティスト3人とは?
The QuiettとYUMDDAが昨年11月に共同設立したレーベル「Daytona Entertainment」が、設立からこれまでの約2ヶ月で3人のアーティストを迎え入れました。
デビュー当時から知り合いだったThe QuiettとYUMDDAの2人。最近では84年生まれのラッパーが集まった「DAMOIM」プロジェクトや、インターネットラジオ「NAVER NOW」の『RAPHOUSE ON AIR』での共同MCとしても交流を深めていきました。歴史的なキャリアを持つ韓国ヒップホップのゴッドファーザーであるThe Quiettと、トレンド先端の音楽性と親しみのある面白いキャラクターを持ち合わせたアーティストであるYUMDDA。それぞれ異なるイメージを持ちながらも抜群のケミストリーを披露してきたため、予想外の組み合わせとも言える新レーベルに大きな期待が集まっています。
特にSoul CompanyからILLIONAIRE RECORDS、AMBITION MUSIKに至るまで、韓国ヒップホップシーンの時代の流れをリードしながら多くの新人アーティストを発掘してきたThe Quiettと、若手アーティストとの交流が深いことでも有名なYUMDDAの2人が誰と契約を結ぶかは注目の的でした。
レーベルの設立発表から約2ヶ月が経った現時点で、公式に発表されたDaytona Entertainmentの新メンバーは3人です。それぞれ印象的なキャリアを持つアーティストですが、Daytona Entertainmentに合流したことで改めて注目されることも確かでしょう。The QuiettとYUMDDAの2人が一体どんなアーティストをピックアップしたのか気になっている方々のために、その3人のアーティストを簡単に紹介したいと思います。
Futuristic Swaver
Daytona Entertainmentの第一弾アーティストとして2020年12月3日に発表されたメンバーは、Futuristic Swaver(フューチャリスティック・スウェーバー)でした。彼はUNEDUCATED KIDやNorthfacegawdなどが所属している「Starex」クルーの一員であり、恐ろしいほどの仕事量の多さで有名なラッパー兼プロデューサーです。
精力的な創作活動を繰り広げている彼は、The QuiettとYUMDDAの両方とコラボしたことがあるだけでなく、『RAPHOUSE ON AIR』の初回でゲストととして呼ばれたこともあります。2人のCEOとのこれまでの交流を考えれば、第一弾のメンバーとして当然の人選と言えます。
オフィシャルのデビュー作は2014年にリリースしたシングル『내가왜돈때문에울어야하나요(どうして僕がお金のために泣かなければならないのですか)』。以降は今回レーベルへの加入と同時にリリースしたアルバム『YFGOD』を含め、12枚のフルアルバムと8枚のEPをリリースしています。シングルやSoundCloudの公開曲などを含めると、全体のリリース曲数は軽く300曲を超えるでしょう。
[MV] Futuristic Swaver – I Wonder Why (Feat. EK)
Futuristic Swaverは、プロデューサーとしても「Laptopboyboy」という別の活動名で活躍しています。IMJMWDP、Yng & Rich Recordsなどのレーベルに所属している複数のアーティストに楽曲を提供してきただけでなく、自身のYouTubeチャンネルではビートの公開販売も行っています。現時点で公開されたビートは、なんと500曲以上!
オタク的なイメージと “ヘタウマ” と言えそうなユニークな歌い方、量産かつ良産のビートメイキングまで、実に才能あふれるアーティストです。
MELOH
今年に入り、1月2日に第2弾アーティストとして加入が発表されたのが、MELOH(メロ)でした。2019年にMBNで放送されたAOMGのオーディション番組『Signhere』をご覧になった方なら、MELOHの名前を覚えているかもしれませんね。彼は2017年からSoundCloudにトラックを公開して音楽活動を本格的に始めましたが、『Signhere』に出演するまで知名度は高くありませんでした。
中国に留学していた頃からミュージシャンを夢見ていた彼は、親の反対や事務所の破産などの危機を迎えましたが、『Signhear』をきっかけに注目を浴びるようになりました。彼は特有のセクシーな歌声とスタイリッシュな歌い方を生かしてファイナルまで勝ち残り、視聴者にMELOHという名前を十分に刻み込みました。
[RAPHOUSE ON AIR ] MELOH – Understand & 떠나가 (LIVE)
MELOHはWEDAPLUGG RECORDSに所属しているシンガーソングライターのJhnovr、Yng & Rich Recordsに所属しているR&Bアーティストのtwlvと3人でそれぞれの頭文字を合わせた「JMT」という名のクルーを結成しています。そのためMELOHはWEDAPLUGG RECORDSかYng & Rich Recordsに加入する可能性が高いだろうと言われてきましたが、その契約先は意外なことにDaytona Entertainmentだったのです。
レーベル加入の告知と同日にリリースしたデビューEP『MELOH』は、トレンド先端のMELOHの歌い方とGI$T、YUMDDA、Skinny Brownらのラッパーたちが調和し、さらにクルーメイトであるtwlvとの見事なハーモニーも合わさった気持ちのいい6曲のトラックで構成されています。最先端のグルーヴを楽しみたい方にはぜひお勧めしたいです。
BRADYSTREET
先日1月29日に第3弾アーティストとして発表されたのが、BRADYSTREET(ブレディストリート)です。彼は2018年9月にリリースしたミックステープ『Cocaine Lullaby』以降、4枚のEPと多数のシングルをリリースしてきたトラップラッパー兼ビートメイカーです。アメリカに留学したことがあります。
Futuristic Swaverと同様、The Quiettが2018年にリリースしたアルバム『glow forever』に参加したことがある上に、2019年にはデビューミックステープをThe Quiettにリマスターしてもらったほど長年にわたってThe Quiettから目を掛けられていた新人です。
[Official Audio] BRADYSTREET – Still Used To (Feat. YUMDDA)
これまでAMBITION MUSIKのLeellamarz、ZENE THE ZILLA、キム・ヒョウンとコラボしたことがあり、Jay Park、Kid Milli、pH-1などの曲にフィーチャリングしたこともあるため、彼の名前に見覚えがある方も少なくないでしょう。トラップビートを余裕あふれるシンギングラップで乗りこなす洗練されたラップスタイルと、個性的なハイトーンボイスが生み出すバイブスが彼の魅力です。地声はそれほど細くないようですね。
どのトラックも自分だけの魅力にすることができる彼のセンスは、Daytona Entertainmentへの加入を記念してリリースされた10曲入りのアルバム『Jack Frost』でも感じることができます。
以上、Daytona Entertainmentに加入した3人のアーティストをご紹介しました。The QuiettとYUMDDAは設立当初からレーベル単位での団体曲、バラエティーの団体出演、団体コンサートは無しというルールを公言していたため、ILLIONAIRE RECORDSやAMBITION MUSIKのように3人のメンバーがチームのような活動を広げることはなさそうですが、それほど2人のCEOから独立したアーティストとして認められているとも言えるでしょう。
このコラムの中でも言及した3人の最新アルバムもぜひ聴いてみてください。
Futuristic Swaver – YFGOD
Apple Music | Spotify
MELOH – MELOH
Apple Music | Spotify
BRADYSTREET – Jack Frost
Apple Music | Spotify