Korean Hiphop Awards 2020 結果発表
※これまでの韓国ヒップホップのアワードに関する全記事はこちら
1月末に候補者の発表と一般投票が実施された『Korean Hiphop Awards 2020』の結果が発表されました。全11部門の候補者や作品については、こちらの記事「Korean Hiphop Awards 2020 投票受付開始」にてご確認ください。
投票受付の記事にも書いたように、今年は授賞式は開催されず、オンラインで受賞者の発表が行われました。ブラックミュージックに限定したアワードですし、動画配信のみで十分な気がします。「HIPHOPPLAYA Awards」時代は受賞者の発表がウェブサイトに掲載されただけだったことを考えると、動画で配信してくれるだけでも夢のよう。字幕は英語しかないですが、韓国語も英語も分からない人でも雰囲気だけでも十分楽しめると思います!
動画でも受賞者を確認することはできますが、受賞者を下記に書き出していきます。一般投票者からのコメントも公式ページで紹介されているので、こちらにも合わせて記載しておきます。ご参考までに、昨年の結果はこちらからどうぞ。
1. 今年のアーティスト:YUMDDA
投票者コメント:
- 韓国ヒップホップシーンを外部に広く知らせ、大衆に親しまれることに大きく貢献した
- 2019年はYUMDDAの年だったと思う。『살아숨셔 2 (Breathe 2) 』をリリースして音楽的な成就も見せたし、Dingoなどの大型プロジェクトでヒップホップシーンに様々な影響を与えた
- 音楽面での歩みはもちろん、キャラ、話題性、そしてチャートの支配力まで。今年のこのシーンの中で、YUMDDAよりも波及力が大きく話題になった人物はいなかった
- ヒップホップをよく知らない大衆まで知ってるような流行語を作り、音源チャートでも健闘した
- 「苦労の末に楽が来る」という言葉を実現した、日の当たらないアーティストたちにとっての希望
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2. 今年の新人アーティスト:ASH ISLAND
投票者コメント:
- 『高等ラッパー』に出演した時とは違ったスタイルのラップを見せ、十分な可能性を見せた
- まだ韓国に深く根付いていないエモ・ヒップホップの次世代の先導者として刻印されるのも当然だ
- 新人でありながら全く新人らしくない最高のパフォーマンスを見せた
- 果敢なイメージチェンジも一役買った。何よりも変化した音楽スタイルが印象的だった
- フィーチャリングでも独自性の高い音楽性を見せた。トレンドを最もよく理解して表現しているアーティスト
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3. 今年のヒップホップ・アルバム:C JAMM – 킁 (クン / KEUNG)
投票者コメント:
- C JAMMの再発見、彼だけができる韓国のエモ・ヒップホップのクラシック
- 1曲も余すことなく新鮮だった。飛ばす曲がほとんどなく、韓国でこんな音楽は聴いたことがない
- Jay Kidmanによる素晴らしいプロデュースと、C JAMMによる自然なシンギングラップで、2019年の上半期に発売されたアルバムにも関わらず、リスナーたちが絶えず聴いている名盤だ
- 韓国語のライミングのレベルを高めた。韓国ヒップホップシーンに長く残る名盤として記憶されそう
- 人間の快楽と信仰の間で悩むリュ・ソンミン(=C JAMMの本名)をうまく描いたと同時に、新しいラップスタイルを提示した
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4. 今年のヒップホップ・トラック:CHANGMO – METEOR
投票者コメント:
- 独自の力で音源チャートでヒップホップの曲が1位を取るというのは驚異的なことだ
- 韓国人の成功に対する熱望を見事に描いた曲だ
- 音源の買いだめが幅を利かせる時代に、ソロ曲としてテレビ出演もない状態で各種チャート1位を総なめにした。曲のクオリティーは言うまでもない
- CHANGMOというアーティストの歴史を見せてくれる曲であり、夢を見て前に進むことができるという希望を与える曲
- 音源チャートで1位を取ったことで大衆性を確保しつつ、CHANGMO自身のファンまで満足させた曲だ
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5. 今年のR&Bアルバム:Crush – From Midnight To Sunrise
投票者コメント:
- 甘美であり、多彩な楽器を使った新しい音を大衆に広めた
- 過去のR&B風の楽器を積極的に活用した、過去と現在を合わせたR&Bアルバム
- 20世紀のR&Bを韓国語で聴くとしたら、Crushのこのアルバムになるのではないか
- Crushがやりたいことを思う存分に誇示し、このジャンルのファンの耳をとらえた
- 叙情的なメロディーとセッション、そして夜から夜明けまでのセンチメンタルな感性を盛り込んだ歌詞まで完璧だった
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6. 今年のR&Bトラック:DEAN – Howlin’ 404
投票者コメント:
- 解釈する価値のある音楽。彼のセンスが相変わらずだということを見せてくれたシングルだった
- DEANが閉じ込められているという感情を、とてもハウリングするようなメロディーでうまく表現した曲だ
- 彼のアルバムを待つしかないクオリティーのトラックだ
- 韓国では珍しいサイバーパンクスタイルで、DEANならではの感性を完成させた
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7. 今年の過小評価されたアルバム:OLNL – Cyber Lover
投票者コメント:
- 予想外の感動を与えてくれたアルバム。OLNL特有のサウンドで耳をとらえた。それなのに注目されなくて残念
- 「全年齢利用可」の姿から脱皮した。そしてそれが成功した。
- クオリティに比べて注目されなかったアルバム。今すぐ聴いてほしい。完成度はどのアルバムにも負けないくらい
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すみません、このアルバムの記事書いてないです……。でもこのアルバムが出た時のプレイリストに収録曲の『ASMR』を入れてて、この曲は何気に私にとって2019年のTop10ソングです。その頃、渋谷で開催した「BLOOMINT PARTY」の第2弾で集まった人たちのお勧めの曲を話し合ってる時、「この曲を聴いたらOLNLのこと(異性として)好きになりそう」ってコメントもしました。そんくらい好きなのに、記事を書いてないというね。
8. 今年のプロデューサー:GIRIBOY
投票者コメント:
- 多作および秀作、話題性のすべての面で最高点をもらえるプロデューサーだ。GIRIBOYの力量は進化し続けている
- アーティストたちのアーティスト、終わりのないチャレンジ精神に満ちたミュージシャン。ヒップホップシーンで最も大きな波及力を持つ人物のひとりだ
- ハッスルそのものの2019年を送った最高のプロデューサーだ
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9. 今年のコラボレーション:DAMOIM – 아마두 (アマドゥ)
投票者コメント:
- 韓国ヒップホップの巨匠が一瞬にして集まって、大きな成果を上げた
- チャート1位達成など、客観的な数値でも証明できる良い曲
- ヒップホップの順機能を見せてくれた曲。OGたちを若い世代にまで広く知らせた曲
- アーティストごとに新しいスタイルの試みがあって、より価値があった。韓国のヒップホップが死んでないことを証明したトラック
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10. 今年のミュージックビデオ:Balming Tiger – Armadillo (Directed by Pennacky)
投票者コメント:
- Balming Tigerがなぜ注目されるクルーなのかを見せてくれたミュージックビデオ。88risingまでもがコメントを残すほどだ
- ミュージックビデオの完成度に比べて、あまり注目されなかった気がする
- アイディアが予算よりも重要であることを改めて知らせたビデオだ
- この組み合わせをいつまた見ることができるのだろうかと引き続き期待を呼び起こすミュージックビデオ
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11. 今年のレーベル:AMBITION MUSIK
投票者コメント:
- 新しいアーティストの加入、記憶に残る活動、アルバムの成功まで
- ILLIONAIREの3人体制の模倣から脱して、完成度の高いレーベルの形を整えた
- 2019年はAMBITIONの年だった。団体曲『BAND』が未だに音源チャートで頑張ってる
- 韓国ヒップホップのイメージをさらにポジティブに変化させた主役たち。最もかっこよく活動したレーベルはAMBITION MUSIKだ
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- Single | CHANGMO, Hash Swan, ASH ISLAND, キム・ヒョウン, Leellamarz & The Quiett – 비워 (Beer) (Prod. Way Ched) ※
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- Ambition Musikに新たに加入したWay Chedが、1stアルバム『COMFY』をリリース!
- ついにAmbition Musikに加入したLeellamarzが、ニューアルバム『MARZ 2 AMBITION』をリリース!
- Ambition Musik 7人目のメンバーとしてZENE THE ZILLAが加入!
※この記事で、Ambition Musikが今年のレーベルを受賞しそうって書いたのが当たった!
出所:Korean Hiphop Awards
日本語訳:Sakiko Torii