EP | Coogie – EMO #1

Written By soulitude

『SHOW ME THE MONEY 777』での活躍をきっかけにその名が広く知られるようになったCoogieが、12月7日にEP『EMO #1』をリリースしました。今年5月にリリースされた1st EP 『Coogie』以来、7カ月ぶりの作品となります。先行リリースされたシングル『PEACH』『Wifey』を含む全7曲が収録されています。

Coogieは今年に入ってから注目を集めるようになったばかりの新鋭ラッパーです。2017年11月にSoundCloudで公開したミックステープが、当時Just Musicの所属だったBILL STAX(元Vasco)の耳に留まりました。そこでBILL STAXは今年初めに「ATM SEOUL」というレーベルを設立し、Coogieを迎え入れて全面的にサポートしようとしました。実際にヒップホップリスナーの間でCoogieの名前が知られるようになったきっかけも、今年1月に公開された『MIC SWAGGER III』のラストエピソードでこの2人が共演したことでした。Coogieはラップを始めてからまだわずかだとは思えないほど高い実力を披露し、その後も相次いでシングルやEPをリリースしながら注目を集めていきました。

[BLAC·K x MICSWAGGER III] The last episode. BILL STAX & Coogie

 

しかし今年5月にBILL STAXが大麻吸引により立件されたため、レーベルからのサポートを受けることが難しくなってしまいました。そんなタイミングで『SHOW ME THE MONEY 777』が始まり、好成績を残せたことは彼にとって大きな幸いでした。実は彼は大学休学中の身で、1年のうちに結果を出せなかった場合は大学に戻るという約束を両親としていたのです。そんな短い期間のうちにミックステープを出し、レーベル契約を決め、番組でも好成績を収めて今回また新しいEPを出すという凄まじいスピードで進んでいます。

しかも10月にはATM SEOULが「SMエンターテインメント」の子会社である「Million Market エンターテインメント」に合併されることになり、レーベルからサポートを受ける環境も整いました。Jay Parkをフィーチャリングに迎えた今回のEPのリード曲『Justin Bieber』のミュージックビデオも、ATM SEOULとSMTOWNの両方のYouTubeアカウントから公開されています。

[MV] Coogie – Justin Bieber (Feat. Jay Park)

 

Coogieはこれまで綺麗なトーンでトレンド最先端のラップをすることが好評でしたが、同時にアメリカの旬なラッパーたちに似ているという批判も受けてきました。『SHOW ME THE MONEY 777』の中でも言及されましたが、特にアメリカの人気ラッパーLil Pumpのフロウを真似しているという批判が多くありました。Coogie自身は「実際にアメリカのFamous Dex、Rich The Kid、Lil Uzi Vert、XXXTentacionなどから影響は受けたが、逆にLil Pumpからはそんなに影響を受けたかどうかよく分からない」と話しています。

今回リリースされたEP『EMO #1』では、これまでCoogieが得意としてきたトレンド先端のフロウやスキルフルなラップより、『SHOW ME THE MONEY 777』の中でSik-Kを迎えて披露した『빌어먹을 인연(クソな縁)』で見せたようなシンギング・ラップを主にしています。Coogieは最近Sik-K、BOYCOLD、GroovyRoomなどが所属しているクルー「Yelows Mob」に合流したので、その影響があるのかもしれません。

[Live] Coogie – 빌어먹을 인연 (クソな縁) (Feat. Sik-K)

 

「EMO」というタイトルが示しているように、本作では男女間の感情(エモーション)の変化を描いています。リード曲の曲名がアメリカのポップスター、Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー)の名前そのままなのもおもしろいですが、Coogieが大学の女性の友達から「あなたラッパーなの? ラッパーって女の子とたくさん会ってるみたいな歌詞を書くけど、あなたはそんなこと書かないで。実生活でもそんなふりはしないほうがいい」と言われたことがあり、「もしも自分の恋人がそういう考え方で、自分と別れようと言ってきたらどうしよう」と想像したことから誕生したというエピソードも興味深いです。

EP『EMO #1』のトラックリストは以下の通りです。フィーチャリングには『SHOW ME THE MONEY 777』でCoogieを負かした当事者であるOLNL、そして番組内でCoogieのプロデューサーを務めたCHANGMOのほか、AOMGからCEOのJay Parkと最近EP『af』をリリースしたウ・ウォンジェが参加しています。

01. EMO
02. PEACH
03. !!!!Lips!!!! (Feat. ウ・ウォンジェ)
04. Wifey (Feat. CHANGMO)
05. Justin Bieber (Feat. Jay Park)
06. Carnegie (Feat. OLNL)
07. Feat. Weeknd

 


 

Coogie – EMO #1 のダウンロードはこちらから(Spotifyではまだ配信されていません)

itunes

 

writersoulitude

ポピュラーミュージックを専門とするライター。日韓の両国で記事執筆、歌詞や記事の翻訳、音源の流通などの仕事をしている。多様なメディアを通じて日韓の音楽シーンの架け橋となるべく活動中。



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