EP | Kid Milli – Maiden Voyage III

Written By soulitude

つい先日まで『SHOW ME THE MONEY 777』で大活躍していたKid Milliが、11月17日にEP『Maiden Voyage III』をリリースしました。番組の最終決戦が終わってから8日後のリリースとなります。

本作は2017年2月に発表された『Maiden Voyage』、同年8月に発表された『Maiden Voyage II』に続くシリーズ3作目となります。ちなみに「Maiden Voyage」という言葉は「処女航海」という意味なのですが、Kid Milliが海外から郵送されてきた商品のボックスにその言葉が書いてあるのを見て、その語感が気に入ってタイトルに付けたそうです。

トラックリストからしてもユニークで、普通は『Intro』となるはずのアルバム1曲目が『Outro』となっています。「心の中の深海を見てきたあと」というアルバム紹介からも分かるように、本作は『SHOW ME THE MONEY 777』が終わってからのリスタートという意味が込められているようです。そのため『Outro』では、同番組に出演したGIRIBOYと共に番組で感じたプレッシャーや番組が終わったあとの寂しい気持ちを語り、その感情を整理したのでしょう。

その「深海」というテーマは、『Beluga(シロイルカ』)、『KOCEAN(K+大洋)』のように海に関連したタイトルのトラックにもつながっています。彼は韓国のヒップホップシーンを大洋に例え、そのなかで感じたことを歌詞に込めているのではないかと思います。特に最後の『ABYSS(深い底)』では、成功はしたものの有名税を払うことになった状況、そして膨大になってしまったプレッシャーを深海で感じる水圧に例えています。

[Official Audio] Kid Milli – Maiden Voyage III

 

参加者の面々も興味深いです。特に先月SwingsとGIRIBOYが新たに設立したレーベル「WEDAPLUGG RECORDS」のメンバーたちが参加したことが目に留まります。『Xanny』にはシンガーのYUNHWAYがフィーチャリングしており、プロデューサーのsAewooは7曲中3曲にビートを提供しています。さらにsAewooは全曲のミキシングに関わり、全曲のマスタリングを担当しています。アルバム全般のサウンドをsAewooが手掛けたということになりますね。

そしてフィーチャリングとして参加したGIRIBOY、Byung Un、YUNHWAYのほかに、Indigo MucisのレーベルメイトであるJvcki Waiが『Beluga』、『KOCEAN』の2曲に参加しています。Jvcki Waiは「WEDAPLUGG RECORDS」がローンチした時から音楽性が合いそうだと言われていただけに、キャッチーなシンギングラップでトラックの魅力を倍増させています。

EP『Maiden Voyage III』のトラックリストは以下の通りです。

01. Outro (Feat. GIRIBOY)
02. Duracell (Feat. Byung Un)
03. CLOSE!
04. Xanny (Feat. YUNHWAY)
05. Beluga (Feat. Jvcki Wai)
06. KOCEAN (Feat. Jvcki Wai)
07. ABYSS

 


 

Kid Milli – Maiden Voyage III のご視聴・ダウンロードはこちらから

itunes spotify

 

writersoulitude

ポピュラーミュージックを専門とするライター。日韓の両国で記事執筆、歌詞や記事の翻訳、音源の流通などの仕事をしている。多様なメディアを通じて日韓の音楽シーンの架け橋となるべく活動中。



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