CJ E&MがAmoeba Cultureを買収
韓国の金融情報専門メディアである「EDAILY(イーデイリー)」によると、CJ E&MがAmoeba Cultureを買収することになったそうです。CJ E&Mによるヒップホップレーベルの買収は、Hi-Lite Records、AOMGに続いてこれで3社目になりますね。ご参考までに、その2社が買収された当時の過去記事を貼っておきます。
今回のAmoeba Cultureのニュースについては、言わずもがな賛否両論です。十分な資本投入によって安定した活動ができると肯定的に見る意見もあれば、巨大企業が市場を独占することに対する抵抗感、インディペンデントならではのかっこ良さが失われる懸念などの声も上がっています。あと、EDAILYの記事内でCJ E&Mがヒップホップのことを「疎外されたジャンル」と表現していることに批判の声が多く上がっています。
ところで元々Dynamic DuoとCJ E&Mは、あまり関係が良くなかったと聞いたことがあります。それが改善されたため、今年は『Show Me The Money』に出ることになったと聞きました。そこから買収にまで来たのだとすると、かなりのスピード感で双方の関係性が近づいたことが窺えますね。いずれにせよ、熟考の末にAmoeba Culture側が出した決断だと思うので、そこは尊重したい思います。Hi-Lite Recordsも、AOMGも、CJ E&Mの傘下に入っても何も変わらなかったし、あまり心配しなくてもいいように思っています。
個人的な話をしますと、私にとってのAmoeba CultureはSupreme Teamがいなくなった時点で止まってしまいました。もちろんDynamic Duoのことは変わらず好きですが、やはりあの黄金期のことを思うとファンとしては未練がたっぷりで、今のAmoeba Cultureは全く違うものに見えてしまいます。念を押しておきますが、ネガティヴな感情は全然ありません。ただ「単に違うものになってしまって、あの頃が懐かしい」といった感情です。
そんな「私にとってのAmoeba Cultureの黄金期」だった時のコンサートのレポはこちら(ライブレポート/2013 Amoebahood Concert)です。この時の感動は自分の中ではまだこんなにも鮮明なのに、時間はどんどん流れていくんだなぁ。
ということで、EDAILYの記事を翻訳します ↓
[単独] CJ E&M、Dynamic DuoやCrushが所属するAmoeba Cultureまでも抱える
Hi-Lite Records、AOMGに続いてヒップホップレーベルの株式買取
CJ E&M「疎外されるジャンル助けてあげたい」
Dynamic Duoのヒップホップレーベル(所属事務所)のAmoeba Cultureが、CJ E&Mの懐に抱かれる。Paloaltoが率いるHi-Lite Recordsに続き、1月にはJay ParkとSimon Dominicが設立したヒップホップレーベルAOMGを買収したCJ E&Mが、引き続きレーベルを買収した。
13日の投資銀行(IB)業界によると、CJ E&Mの音楽事業部は、今週中にAmoeba Cultureの株式の買収を完了するという計画だ。ただし買収する持ち株比率や具体的な金額については、双方間で調整中であることが分かった。経営権はAmoeba Cultureの最高経営責任者(CEO)が保有する見通しだ。CJ E&Mはアルバム発売と市場への進出を支援するため、戦略的提携の形態を帯びるものと思われる。事実上、すでに買収したヒップホップレーベルAOMGと同様の方向に流れていく公算が大きい。
Amoeba Cultureは、2006年に甲エンターテイメントとの契約が満了したDynamic Duoが、自分たちが活動していたプロジェクトチームの名前を取って設立したヒップホップレーベルである。Amoeba Cultureには現在Dynamic Duoをはじめ、Crush、HA:TFELTなどの歌手やPrimaryなどのプロデューサーが所属している。Mnetで放映されたヒップホップ・コンテスト番組『Show Me The Money』のシーズン6の勝者であるHangzooもAmoeba Cultureの所属だ。
今回のCJ E&MのAmoeba Culture買収により、ヒップホップ市場は再び乱高下うる見通しだ。Amoeba Cultureを含め、大規模なヒップホップレーベルが次々にCJ E&Mに買収され、ヒップホップ市場ではCJ E&Mの影響力がさらに大きくなるという分析だ。CJ E&Mの関係者は、「ヒップホップ音楽の発展とアーティストたちの自由な創作活動を支えるための投資」と「アイドルに偏った音楽産業で、疎外されたジャンルのミュージシャンやクリエイターの困難を少しでも助けたいという意図」と説明した。
出所:EDAILY(2017年11月12日)
日本語訳:Sakiko Torii