Khundi Pandaが、自身の劣等感や煩悩から脱するプロセスを描いた1stアルバム『横社屋』をリリース

Written By Sakiko Torii

BewhYが運営する「Dejavu Group」に昨年12月に加入したKhundi Pandaが、7月26日にアルバム『가로사옥 (横社屋)』をリリースしました。これまでも数多くのミックステープをリリースしてきたKhundi Pandaですが、フルアルバムとしては初の作品となります。このアルバムが韓国のヒップホップマニアの間でかなり高く評価されていますので、ぜひご注目いただければと思って記事にしてみました。

ご参考までに、Khundi PandaがDejavu Groupに加入した時の記事は下記をご覧ください。

Viannに続き、Khundi Panda、Simba Zawadiの2人がDejavu Groupに加入

 

アルバムのタイトルである「가로사옥」は「ガロサオク」と読むのですが、英題はそれを英語っぽくアルファベット表記した「GAROSAWK」となっています。そのまま日本語に訳すと「横社屋」となるんだけど、これはKhundi Pandaによる造語で、Khundi Pandaが抱えてきた劣等感や煩悩を指しています。普通は垂直に建てられる建物に対して、自分自身を横方向に建てられた社屋と表現し、そこから抜け出す過程が描かれています。

現在23歳のKhundi Pandaは、20歳だった2017年に『쾌락설계도 (快楽設計図)』というミックステープと『재건축 (再建築)』というアルバムをリリースしています。『再構築』のほうは同じくDejavu Groupに所属するViannとの共作で、韓国で最も権威ある音楽賞の「韓国大衆音楽賞」で「最優秀ラップ・ヒップホップアルバム」を受賞しました。Khundi Pandaはこれ以外にも複数のミックステープやEPをリリースしていますが、この『快楽設計図』『再構築』『横社屋』は、字面からもなんとなく想像できるように三部作となっています。

Khundi Pandaは中学生の頃にラップを始め、2016年に『SHOW ME THE MONEY 5』に挑戦しました。『横社屋』には、同番組を脱落した直後から自分にのしかかってきた劣等感や煩悩を取り除くプロセスが描かれています。ご本人曰く「大げさに聞こえるかもしれないが、ひとつひとつ共感できる話があるはずだと自信を持っている。僕のマインドマップを鑑賞することで、ご自分の話も整理することができるよう願う」とのことです。

『横社屋』は全10曲で構成されており、フィーチャリングにはJinbo、DAMYE、Hippy was Gipsy、HYNGSN、Noogi、Don Sign.が、プロデュースにはViann、Beautiful Disco、J-Flow、IOAH、Unsinkableが参加しています。ミュージックビデオも2曲公開されています。

[MV] Khundi Panda – 블랙박스 (BLACKBOX)

 

[MV] Khundi Panda – 어덜트금고 (Nothermaturesgold) (Feat. Jinbo)

 

この『横社屋』の評価がどのくらい高いかというと、比較されているアルバムがE SENSの『The Anecdote』、C JAMMの『킁 (クン)』、JUSTHISの『2 Many Homes 4 1 Kid』、Tabloの『열꽃 (熱花)』、Hwajiの『ZISSOU』、B-Freeの『Korean Dream』、Okasianの『탑승수속 (搭乗手続)』、XXXの『Language』などなんですよ。これらはすべて「韓国ヒップホップ史上に残る名盤」と言うことができる名盤中の名盤で、何かしら賞を受賞していたり、その時代のトレンドに影響を与えてたりします。

これらのアルバムが評価されてきた最大の理由は、ラップの極意である「ストーリーテリング」が秀でてるから。ラップというものは口から吐き出したときのリズムやフロウ、言葉を操るライミングや比喩力と共に、自分だけのストーリーを伝える表現力というものが最も重要視されます。これらの名盤たちと同列に並べるマニアがいるという事実は、それだけ『横社屋』の評価が高いということです。

マニアからの評価が高いから誰にとってもいいアルバムだというわけではないので、あくまでご参考までにって感じなのですが、少なくとも上記に挙がった過去の名盤たちは一聴の価値ありなので、オタクの沼につかって深掘りしたい系の人はぜひ!

ところで全然話が変わるけど、Khundi Pandaと同時にDejave Groupに加入したSimba Zawadiがこのアルバムリリースの翌日に「Son Simba」に改名したことを発表しました。ご本人曰く「慣れ親しんだ過去から脱して現在を生きるために選択した決定であるだけに、残念で名残惜しくても応援して支持してください」とのことです。

では、最後に『横社屋』のトラックリストを紹介して終わりにしたいと思います。

01. 블랙박스 (BLACKBOX)
02. 네버코마니 (Nevercomanie)
03. 자벌레 (Camoflage) (Feat. HYNGSN)
04. 양심트리거 (Trigger Flow)
05. 향바코 (Paperolls) (Feat. Noogi, Don Sign.)
06. 겟어웨어 (Gateway)
07. 어덜트금고 (Nothermaturesgold) (Feat. Jinbo)
08. 낙찰 전 / 용기의 합창단 (Story On Sale) (Feat. DAMYE)
09. 킥아웃코드 (Kiskout Code)
10. 집 (Home) (with Hippy was Gipsy)

 


 

Khundi Panda – 가로사옥 (GAROSAWK / 横社屋) のご視聴はこちらから

itunes spotify

 

Related

/

Access Top

/

Subscribe us!

BLOOMINT MUSICの最新情報をお届けします。

友だちに追加

Sponsored Link