DPR LIVEが初のフルアルバム『IS ANYBODY OUT THERE?』をリリース。この機会にDPR LIVEについてもおさらい!

Written By Sakiko Torii

オリジナリティあふれる活動形態で注目を集めるDPRクルー。中でも卓越したセンスで多くのファンを惹きつけてきたDPR LIVEが、3月3日に1stアルバム『IS ANYBODY OUT THERE?』をリリースしました。

DPR LIVEによるアルバム単位の作品は、2017年3月リリースのEP『Coming To You Live』、同年12月リリースのEP『Her』に続く3作目で、2年3ヶ月ぶりとなります。知名度や人気の高さに比べるとリリース量が少ないので(人気者あるあるだけど)、アルバムを待ち焦がれていたファンも多いかと思います。2016年に初めて名前が知られるようになってから、実に4年の時を経て1stアルバムが出ました。

全11曲で構成された本アルバム『IS ANYBODY OUT THERE?』には、フィーチャリング・アーティストは1人もいません。制作はDPR CREAMが全曲のプロデューシングをおこなっているほか、DPR IANが半数の曲にバッキングボーカルで参加しています。ギターやストリングスなどの生楽器も使用されていて、丁寧なサウンド作りがされたアルバムです。

DPR IANが手掛けたミュージックビデオも1曲公開されています。オフィシャルのコメントに「今年の最優秀ミュージックビデオとアルバム」って書いてありますが、いやこれ本当に「今年のミュージックビデオ」とれるよね!? アメリカの大物スターのビデオみたい! セットにCGにどれだけ予算を掛けたんだろう……。いくらDPRがクリエイターチームだとはいえ、これは驚きました。

[MV] DPR LIVE – Legacy

 

この曲のほかにも、アルバムのリード曲は4曲用意されているようです。ミュージックビデオがこれ以外にもまだ出てきそうな感じですが、もうこれだけでいいんじゃないかな!? 出たら出たでまたすごいんだろうけど。

アルバムはヒップホップ、インディーロック、R&Bなど様々なジャンルがミックスされており、DPR LIVEはスキルフルなラップからシンギングラップまで惜しみなく実力とセンスの高さを発揮。テレビ出演もまったくない状態で人気と知名度を上げた類まれなDPR LIVEなだけあり、どのファン層をも納得させる完成度です。
 


 

ところで私、DPR LIVEの過去のEPについて、BLOOMINT MUSICで記事を書いてなかったんですね。すっかり書いた気でいたのに、過去記事が見つからないから変だなと思って調べてみたら、他誌にのみ寄稿してたようです。というわけで、この機会にDPR LIVEについて簡単におさらいをしたいと思います。

1993年生まれ、現在27歳のDPR LIVEは、2016年に公開された『EUNG FREESTYLE』で初めてその名が知られました。当時は単なる「LIVE」という名義でした。この曲にはLIVEのほか、当時まだ無名だったSik-K、Punchnello、Owen Ovadoz、そして2010年代前半に人気を博した「Aziatix」のFlowsikが参加しました。映像を手掛けたのは、LIVE自身が所属するクリエイターチームのDPR。曲のプロデュースはGroovyRoom。ここに並んでいる名前は今となっては超スーパースター級だらけですが、当時はまだまだ駆け出しだったのです。たったの4年で時代の変化が激しい!

[MV] EUNG FREESTYLE – DPR LIVE, Sik-K, Punchnello, Owen Ovadoz, Flowsik

 

この曲はトラックのかっこ良さ、新鋭ラッパーたちの抜群のセンス、映像のクールさ、すべてが新しくて当時の韓国ヒップホップシーンに衝撃をもたらしました。この曲に参加した彼らのスター街道は、この曲をきっかけに始まったと言えます。当サイトではこの曲について特集する記事は書いたことがありませんが、ほかのいろんな記事の合間になにかとこの曲のことが出てきます。

DPR LIVE個人の話に戻りますが、5歳から18歳までグァムで過ごしたというバックグラウンドがあるため英語がネイティヴだそうです。クリエイターチーム「Dream Perfect Regime」略してDPRにラッパーとして加わり、『EUNG FREESTYLE』をきっかけにスター街道を歩むこととなります。その前にもシングルをいくつか出しているのですが、一応公式のデビュー曲は2017年3月リリースの『Know Me』となるようです。

『EUNG FREESTYLE』の参加者の中で最も無名だったLIVEは、多くのヒップホップファンたちが「一体これは誰なんだ!?」と注目をしていたのですが、その後出されたデビュー曲でいきなりDEANがフィーチャリングしてるし、立て続けに出したシングル『Please』にはキム・ヒョウンとG2とDumbfoundeadが参加してるし、そしてその2曲を含めたEP『Coming To You Live』にはJay Park、LOCO、Crushが参加してるし、「一体何者なんだー!?」という声がさらに強くなりました。

しかしその豪華なラインナップ以上に、LIVE自身のスキルの高さ、センスの良さ、DPRのハイクオリティな映像やオリジナリティあふれる活動スタイルが注目を集め、テレビ出演などの活動をすることもないままどんどんスター街道をのぼっていったのでした。これは、なんだかんだ知名度の高いラッパーはみんな『SHOW ME THE MONEY』やその他のさまざまなバラエティ番組に出ていることを考えると、ラッパーとしては一番理想の成功の仕方なんじゃないかなって思います。そしてその事実がますますLIVEのことをスターっぽい存在にさせていくのです。

昨年はベルリン発の音楽プラットフォーム「COLORS」による『A COLORS SHOW』に出演したことも話題に。韓国だけでなく、世界中の音楽ファンから注目されているからこそ実現した出演です。

DPR LIVE – Text Me | A COLORS SHOW

 

LIVEはシンギングラップをメインにするラッパーですが、その手のラッパーはスキル面で疑問の声が上がることがしばしばあります。しかしLIVEの場合はタイトなラップもうまく、トラップ的なビートからここ数年人気のフューチャービートまで幅広く適応することができます。そこがまた、幅広いファン層に愛される所以です。

DPRは音楽制作、映像制作、ビジネス、マネジメントをおこなうすべての業務に役割が分担されています。例えばLIVEはラッパー、CREAMはプロデューサー、IANは映像監督、みたいな感じで。もちろん担当以外の作業もおこないます。音楽をメインに活動するというより、映像クリエイションを基本にして、それに合わせて音楽制作をしている感じです。活動全体にしっかりとコンセプトを立てているので、イメージ管理もすごいと思います。

そんなDPRは、2018年に初のワールドツアーを開催。21都市のうち16都市全ての公演で全席売り切れを記録しました。そして今回の1stアルバム『IS ANYBODY OUT THERE?』を通して、さらに世界中のファンから注目を集めることが期待されます。公式の予想通り「今年のミュージックビデオ」と「今年のアルバム」も十分可能だと思いますし、DPRおよびDPR LIVEからまったく目が離せませんね!
 


 

以上、簡単ですがDPR LIVEのおさらいでした。

最後に今回リリースされたアルバムのトラックリストを紹介して終わりにしようと思います。日本ではApple MusicやSpotifyを通して全曲聴くことができますので、下記のリンク先よりチェックしてみてください!

01. Here Goes Nothing
02. Geronimo!
03. To Whoever
04. Out of Control
05. Disconnect
06. S.O.S
07. Oh Girl
08. Kiss Me
09. Neon
10. Legacy
11. No Rescue Needed
 


 

DPR LIVE – IS ANYBODY OUT THERE? のご視聴はこちらから

itunes spotify

 

writerSakiko Torii

韓国ヒップホップを専門に文筆業、イベント主催、音源/MV制作サポート、メディア出演など多方面に活躍。



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