RHYME-A-が『NBA Music』を設立し、再始動

Written By Sakiko Torii

お気づきの方もいたかと思いますが、RHYME-A-は2014年、ほとんど活動しませんでした。Noise Mobとしてライブに出演したり、Speaking Trumpetとしてのアルバムリリースやライブ活動はありましたが、年間を通して見てもライブに出演したのはほんの数回です。出す予定だったソロシングルも、Sorihedaとのプロジェクト・アルバムも出ないまま、5月頃にはSNSもすべてアカウントを削除してしまいました。密かに心配していたのですが、たまに他の人のインスタグラムに写る元気そうな姿を見て「大丈夫そうだな」と思ったり、思わなかったり。

先月に入ってSNSを一つずつ復活させ始めたので、いよいよ動き出すのではないかと期待していたのですが、また消しちゃう可能性もゼロではないので「ちゃんと動き出したな」と自信を持って判断できるまで様子を見ていました。

そしたら年が明けて発表されましたね。『Natural Born Artist Music』略して『NBA Music』というレーベルを立ち上げ、セカンドアルバムも制作中とのことです。Speaking Trumpetのインタビューでは「情熱がなくなった」と話していましたが、取り戻したということでしょうか?

ところでRHYME-A-のファーストアルバム『Hommage(オマージュ)』をまだ聴いたことがない方がいましたら、ぜひ聴いてみてください。Notorious B.I.G、Big L、Nasといった90年代のイーストコースト・ヒップホップをオマージュした作品なのですが、聴いた瞬間に猛烈に90年代の香りが漂ってくるアルバムです。一つの作品としてコンセプトが明確なところが素晴らしいです。聴きやすい曲が多く、ラップスキルも半端なく高いのでサウンドだけでも楽しめますが、歌詞もかなりウィットに富んでいて要注目です。このアルバムを聴いて、RHYME-A-は私の中で韓国人ラッパーのトップ10入りしました。


Hommage

ということで、RHYME-A-のNBA Musicと今後の予定に関するインタビューを翻訳しました。インタビューがタメ口なので訳しててすごく変な感じがしましたが、セカンドアルバムが出るというお知らせが一番嬉しかったです。不汗黨もプロジェクトアルバム『A Tribe Called Next』をリリースしたし、Soul Diveもアルバム『SIN』を出したし、Eluphantも始動したし、P-typeも延期しまくってるアルバムがさすがに今年は出るらしいし、2015年は不汗黨のメンバーたちが賑やかになりそうな予感です。

 


 

RHYME-A- レーベル「NBA Music」とニューアルバムについて

nba_logo

 

昨年Standart Music Groupを辞めて以降、シングル『리듬이란 건가(リズムというものか)』以外に特別なニュースがなかったRHYME-A-が、自身のTwitterに「NBA Music (Natural Born Artist Music) 」というタイトルでロゴ画像をアップデートした。HIPHOPPLAYAはレーベルだと認識し、話を聞いてみた。

 

KICK&SNAP(※1)のイントロは、どのように、なぜ参加することになったのか?

僕にする最初の質問としては……ちょっと微妙だね。なんで僕がメインじゃなくて、KICK&SNAPがメインになるんだろう? もちろん僕もKICK&SNAPが大切だし大好きだけど……というのは冗談で、とにかくどういうことかというと、EtchForteからKICK&SNAPの映像に使うシグニチャーサウンド制作の依頼を受けて、快諾した。KICK&SNAPのロゴの色がまるで僕を見るようで(青とオレンジ)気分が良かったし、普段からEtchForteとKICK&SNAPの活動を高く買っていたので、楽しい作業だったよ。

※1 KICK&SNAP:Etchforte、Libbiegraphy、Ming J、한가위、우리、BONANZAからなるクルーで、韓国のアンダーグラウンド・ヒップホップのライブの動画や写真を撮影し、ウェブで公開している(http://www.kicknsnap.com/

 

『리듬이란 건가(リズムというものか)』以降、どのように過ごしていたのか?

これについては話が長くなるし、たぶんそれを全部話そうとするとStandart Music Groupに関連した話も持ち出さないといけないけど、それはまた次の機会に話をするとして……。やっぱり一番大きかったのは、去年(2014年)の初頭から着々とセカンドアルバムの作業をして過ごしてきたよ。その間にたまにイベントやライブに出演したり……。正確には、Speaking Trumpetのアルバム制作以降は何の作業もしなかったけど、その時に経験したうつ病や強迫観念によってもたらされた結果だった。セカンドアルバムの前半の作業をしているときに、実際にうつ病に陥って家に引きこもったりもしたし、僕が自分で作った強迫観念のためにセカンドアルバムをリリースする以前に、外部とのどんな作業もしたくなかったよ。だから進行途中で失敗に終わったプロジェクトや、断ったフィーチャリング作業が多かった。代表的なのはSorihedaとのアルバム作業で、半分はそういった理由で持ち越されたわけで。

 

不汗黨クルーとしてのイベント以外ではほとんどニュースがない中、昨日(1月1日)会社のロゴと思える画像をSNSにあげたが、新しいレーベルを作ったのか?

はぁ……。これもやっぱり話すとちょっと長くなるんだけど、まあレーベルなわけであって。僕のセカンドアルバムを純粋なインディペンデントとして作業すると決めたとき、何か自分自身に帰属意識のようなものを与えることができて、同時にRHYME-A-という名前以外に僕を象徴できるものがあったらいいと思った。そして、どのみちアルバムを発売するときに発行元の名前を表記しなければダメでしょ? だから作ったんだ。セカンドアルバムのタイトルが『NBA』(Natural Born Artistの略)ということもあるし、普段僕が好きでよく着ている服が主にバスケットボールのNBAのスウェットだし、2つの意味があると思った。

 

NBA Music(Natural Born Artist Music)は一人だけのレーベルか?

そうだよ。

 

今は一人だが、今度所属アーティストも持つつもりなのか? 一人で活動するつもりなら、レーベルの名前が必要なのかという気もするが。

今のところまったくない。僕は誰かをケアする能力もないし、仮に能力があるとしてもそうしたいとは思わない。これまでもそうだったけど、僕はいつでも完全に自分のためだけに音楽をする。NBA Musicというのは、まあ大袈裟なものではなく、単に僕の別名だよ。そしと、元々僕はこういったシンボルを作ったり持ったりするのが好きなんだ。

 

Eluphantが「Galaxy Map」で新たなスタートを切ったが(※2)また一緒にやるつもりはないのか?

僕が思うに、Eluphantと僕は音楽の方向性が異なるようだ。ここで言う音楽の方向性というのは、音楽そのものと、音楽を通して眺めるものの両方だ。きっとEluphantもそれがよく分かってるだろうし、だからどんな提案も受けられなかったし、僕ももちろん提案していない。僕たち(RHYME-A-、Kebee、Minos)が一緒に意を集めて作ったStandartが、もはやStandartではなくなって、それぞれの道を模索していたその時から、僕たちは「公式的には」これ以上一緒にやることができないということが分かった。

※2 Eluphantが新たなスタート:詳しくは こちら 参照

 

ニューアルバムについて、公開できる範囲内で教えてほしい。

セカンドアルバム『NBA』は全14トラックで、自伝的な話で満ちている。現在すべてのトラックが出来た状態で歌詞の作業中だが、おそらく4月末か5月初めぐらいには発表できると思う。アルバム全体に僕の話を入れるからフィーチャリングアーティストが少ないほうだけど、僕がここ数年の間メンターの役割を果たしてきた、期待に値する新人女性アーティストが参加したトラックもある。僕の前作がそうだったように、このアルバムにもアルバム全体を導く明らな叙情と多くの象徴、そして最初のトラックから最後のトラックまで順番にひとつ残らず聴かなければならない理由がある。特に後半のトラックが叙情の中核を握っているが、最後まで聴いて初めて僕が本当にしたかった話が理解できるんだよ。

 

『리듬이란 건가(リズムというものか)』はプロデュース面で否定的なフィードバックが多かったが、ニューアルバムも自作曲で満ちているのか?

残念ながら(?)今回のアルバムは全曲僕がプロデュースした。だけどそうするしかなかった理由がある。後で話をする機会があればするが、この『NBA』というアルバムは完成度が不足していたとしても、僕がすべてのことを自分でやらなければならないし、やるしかなかった、そういうアルバムなんだ。

 

ソウルカンパニー以降、2つのレーベルを経て定着したようだ。

まず言いたいのが、誰にでも、またどんな組織にもみんな事情があり、理由がある。この質問で言う「定着」という言葉はちょっと間違っている気が……。NBA Musicというのは僕にはただのレーベルであって、定着しなければならない対象ではない。ただ単に僕自身であるだけで。

 

「後で」話すことが多いね。必ず後で話してくれるとして、最後に言いたいことがあればお願いしたい。

仕上げの段階まではまだやることがたくさん残っているが、今回のアルバムを作業しながら「僕」と「音楽」について本当に多くのことを考えた。総じて肯定的だったり、明るい考えではなかったけど。最後に、未だに僕の音楽を好きでいてくれて、新しい作品を期待するファンがいる場合は、心から感謝の気持ちを伝えたい。

 

出所:HIPHOPPLAYA (2015-01-02)
日本語訳:Sakiko Torii

 

writerSakiko Torii

BLOOMINT MUSICの運営者。韓国ヒップホップ・キュレーターとして執筆、ライヴ主催、音源/MV制作サポート、メディア出演など多方面に活躍中。イギリスに音楽留学していた本格派。著書に『ヒップホップコリア』。



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