Topic | Paloaltoが菊地凜子のデビューアルバムに参加


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HI-LITEのPaloaltoが、日本が世界に誇る国際派女優、菊地凜子さんの歌手デビューアルバムにフィーチャリング参加しました。12月24日に発売されるアルバム『戒厳令(かいげんれい)』に収録されている『反駁(はんばく)』という曲に参加しています。

今回のPaloaltoのアルバムへの参加は、当サイトの運営者である私、SAKIKOがコーディネートを担当いたしました。私が8月にTBSラジオ『菊地成孔の粋な夜電波』に出演した際、番組の中で軽くこの件について仄めかしていたのですが、気づいた方はいますでしょうか。実は今回のアルバムは、菊地成孔さんがプロデュースをしています。苗字が同じなので紛らわしいですが(しかも漢字もつちへん)、このお二方に血縁関係はございません。

菊地凜子さんは、アーティスト名「Rinbjö」としてアルバムをリリースします。Björkのように「o」にウムラウトをつけて「ö」です。読み方はリンビョウで、イントネーションは「リン→」「ビョウ↓」です。ユン・ピョウのように発音してください。良い子の皆さんは、決して「リン→」「ビョウ→」とは読まないように!

私はこのRinbjöという名前が決定する瞬間に立ち会っていたのですが、「リンビョウ」という言葉の響きが誤解を招きそうなので(誤解されるのがおいしいという事実もありつつ。誤解の意味が分からない方はスルーしてください)表記を工夫するためにあれこれアイディアが飛び出して、大盛り上がりでした。夜中の1時とか2時とかに、大爆笑の渦でした(笑)

そして名前が決まった瞬間の記念写真がこちら。紙を持っているのは凜子さんです。さすが女優。指まで美しい。

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『戒厳令』は全部で14曲入りのフルアルバムです。作曲陣には菊地成孔さんのほか7名が、そしてフィーチャリング陣も同じく菊地成孔さんのほかに7名が携わっているという豪華さです。そして、そのうちの1人がPaloaltoなのです。

こちらがトラックリスト。『反駁』は4曲目です。

01. 戒厳令(Feat. QN)
02. 3b(Feat. MARIA, I.C.I)
03. 魚になるまで
04. 反駁(Feat. Paloalto)
05. sTALKERs(Feat. N/K)
06. ANNY SPLINKLE
07. 泥の世界
08. Interlude
09. 蛇のmean(Feat. Dyy-PRIDE)
10. 空間虐殺(Feat. オダトモミ)
11. Angel craft
12. MORNING(Feat. N/K, I.C.I)
13. さよなら(Feat. OMSB)
14. みづうみ

普段のPaloaltoのラップは、割とフラットなトーンですよね。どんなにメッセージ性の高い歌詞でも、あまり感情をあらわにしたラップをするタイプではないのですが、今回は楽曲のテーマに合わせて怒りの感情を見事に表現していて、これまでにない新しいPaloaltoをお楽しみいただけると思います。

韓国での発売は未定ですが、2月16日にはフランスのレーベル「Grand Palais / Modulor」からヨーロッパ全土で発売されます。アメリカでの発売も調整中とのことです。早く韓国でも正式に販売されるといいですね。

アルバムを聴いていただくと分かると思いますが、サウンドはJ-POPから遠くかけ離れたものとなっています。パッと聴いたら完全に洋楽で、菊地成孔さんならではの独特の世界観が味わえます。ヒップホップ、EDM、バラード、日本語、英語、韓国語、ラップ、歌、テキストリーディングなどが交差し、最新トレンドが盛り込まれた個性の強い楽曲が堪能できます。

女優の歌手デビューというと、話題性ありきの企画もの的な偏見を持つ方も少なくないと思いますが、このアルバムはそういうものではありません。芸術作品の性格が非常に強く、大衆受けからは程遠いです。菊地凛子さんの持つ神秘的なイメージ、いい意味で変人っぽいイメージがさらに高まる作品だと思います。だいぶエグい歌詞も入ってます。

繰り返しになりますが、とにかく『反駁』でのPaloaltoのラップが素晴らしいです。今まで見たことのない気迫を感じることができます。曲自体は結構変わったビートなのですが、聴けば聴くほどクセになるスルメソングです。風変わりなビートにトリッキーなメロディが乗った複雑な曲なのですが、Paloaltoのラップが始まった瞬間、曲の雰囲気が一気にずっしりと重くなります。トータルでほんの1分程度のラップなのですが、胸に迫りくるものがあって、聴きながら思わずため息が漏れてしまうこと間違いなしです。

そして本日、ミュージックビデオが2本公開になりました。アルバムに収録されている『蛇のmean』と『魚になるまで』という2曲です。11月18日に恵比寿リキッドルームで行われたイベントでの映像が使われています。

『蛇のmean』はDJ TECHNORCHによるビートメイキングです。超高速のビートを得意とするDJ TECHNORCHらしい疾走感あるビートと、Lady Gagaを彷彿とさせるロックテイストのサウンドとボーカルが魅力的な一曲です。『魚になるまで』は菊地成孔さんによるビートメイキングで、菊地凜子さんの本業である女優業を最大限に生かしたテキストリーディングを楽しむことができる楽曲です。「Rinbjöワールド」を思う存分ご堪能いただけると思います。

ということで、なんとなくアルバムの素晴らしさは伝わったでしょうか。とにかくアルバム全体を聴いてみてください。少なくとも『反駁』だけでもダウンロードしていただけると嬉しいです。韓国人の音楽好きのお友達にも、ぜひ教えてあげてください。

それにしても今回は貴重な体験をさせていただき、感謝の気持ちしかないです。菊地成孔さんのご好意で、レコーディングやミキシング作業までお邪魔させていただきました。このような機会を与えてくださった菊地成孔さん、ソニーミュージックさん、菊地凜子さん、Paloaltoさん、本当にありがとうございました。

最後に、外部の記事を2つほど紹介させてください。まずは、菊地成孔さんのブログをご紹介したいと思います。先月20日の記事ですが、上述の恵比寿リキッドルームでのRinbjö初ステージの模様を伝えるレポのリンクから始まり、『戒厳令』に参加されている面々のラインナップなど掲載されています。

N/K blog |「丁度1年前の話」(2014-11-20)

それから韓国のブラックミュージック専門サイト、RHYTHMERでもこの件についてニュース記事が掲載されました。しかも私のことまで書いてくださって、大変恐縮しています。

RHYTHMER | Paloaltoが日本の女優、菊地凜子の歌手デビュー作に参加(2014-12-19)

<RHYTHMER記事 日本語訳>

映画『パシフィックリム』の主人公で韓国でもよく知られる日本の俳優、菊地凛子の歌手デビューアルバムに韓国ヒップホップのベテラン、Paloaltoが参加する予定で注目を集めている。菊地凜子は2006年、ハリウッド映画『バベル』でアカデミー助演女優賞候補に上がった人物だ。

12月24日に日本でリリースされるアルバム『戒厳令』は、世界的なジャズミュージシャンの菊地成孔がプロデュースした。このアルバムには、世界各国のアーティストが参加しており、韓国からは8月に初の日本公演を成功的に終えたHI-LITE RECORDSのPaloaltoが参加した。Paloaltoは、怒りと狂気などをテーマにした『反駁』という曲で、競争社会における心についてラップをしたという。

今回の作業は、韓国の大衆音楽が好きな日本人ファンであるブロガーのSAKIKOによって実現した。彼女は自分のブログを介して韓国ヒップホップを非常に多く紹介し、菊地成孔がそのブログを見てSAKIKOに連絡し、彼女はHI-LITEの日本公演時期に合わせてPaloaltoを紹介したという。SAKIKOはRHYTHMERに「今年まで私はただのファンでしたが、このように有名なミュージシャンとの仕事が成立できて本当に不思議です。」と嬉しい心境を明かした。

『戒厳令』は12月24日に日本で発売し、2015年2月16日にヨーロッパ全土で発売される。米国でも発売される予定である。

 


 

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Sakiko Torii
About Sakiko Torii
BLOOMINT MUSICの運営者。イギリスでの音楽留学経験を生かした音楽的に深みのある記事が売り。独自スタイルのライブ企画、楽曲リリースのコーディネート、ライター活動、各種メディア出演など、韓国ヒップホップにおいて多方面に活躍中。著書に『ヒップホップコリア』。別名ヴィヴィアン。
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