Song | Scissor Sisters - Laura


BLOOMINT MUSIC 運営者の SAKIKO が、好きな曲について書くコーナーです。韓国ヒップホップ以外にもジャンルを問わず色々ご紹介します。不定期更新です。

 

Scissor Sisters(シザー・シスターズ)は、2004年にアルバム『Scissor Sisters』でデビューしたニューヨーク出身の5人組バンドです。アメリカ人のバンドですが、本国よりもイギリスで人気が高く、そして私の個人的な印象では韓国でも結構売れたんじゃないかと思います。というのも、彼らの全盛期時代、韓国に行くたびに街中で彼らの曲が掛かっていたんですよね。

Scissor Sistersは5人のメンバーのうち男性が4人、女性が1人という構成なのですが、男性4人のうち3人がゲイで、女性はバイセクシャルなんです。ちなみに女性メンバーのアナのお父様もゲイだったそうで、エイズで亡くなったそうです。

インディーズ時代は、アメリカの中でも同性愛に対して寛容的なニューヨークで活動をしていました。欧米は日本と比べて同性愛に寛容なイメージがあるかもしれませんが、地域差が大きいんです。ヨーロッパ内でもまちまちだし、同じアメリカの中でも州によって同性婚が認可されているところとされていないところがあります。国によっては、偏見とか差別とかいうレベルじゃなくて犯罪ですからね。死刑になる国もあるわけで。そんな同性愛者であることをテーマにした彼らの音楽は、常に議論の対象となってきました。ゲイたちからは大絶賛され、否定派からは非難の嵐。

私はイギリスに住んでいたので分かるのですが、イギリスは同性愛に対して寛容です。大規模なゲイパレードがあったり、ロンドンの繁華街のど真ん中にゲイストリートがあって、ゲイの方たちが堂々とデートしています。イギリスに行くとゲイがやたら多いように感じるかもしれませんが、多いのではなく堂々としているだけなのでしょう。割合的にはどこの国も変わらないんじゃないかな。実際に同性愛者は人口の2~13%存在するという研究結果もあるようで、この数字を見ると決して少数派ではありませんよね。

そんなイギリスでも、同性婚を認める法律が施行されたのは今年のこと。婚姻と同等の権利を有することができるパートナーシップ法は10年前から施行されているけど。意識や文化のレベルで普及していても、社会的な受容や法整備はまた別の話ということですね。

韓国では同性愛に対して寛容でないらしく、日本のおネエタレントを韓国人が見るとみんなビックリするみたいです。Scissor Sistersに関しては、彼ら自身が同性愛者かどうかは関係なく、純粋に音楽が良くて売れていたのかなーと思います。

とりあえずそんな事情から、Scissor Sistersの人気は必然的に本国アメリカよりもイギリスで上がりました。インディーズ時代にロンドンでライブしたのをきっかけに、イギリスの大手レーベルであるポリドールからメジャーデビューを果たしたのです。デビューアルバムはイギリスでチャート1位を獲得し、200万枚を超えるセールスを記録しました。その成功を受けて本国アメリカでも発売されたのですが、やはり保守層からの反発が強く、結果は102位どまり。逆にイギリスでは最終的に2004年最も売れたアルバムとなり、それどころか2000年~2009年の10年間でのセールスランキングでも9位でした。

2~3年前に来日ライブをやったとき、残念ながら行きそびれちゃって。またすぐ来てくれるだろうと思ったら、その直後に無期限の活動休止となってしまいました。解散ではないと強調していたので、いつかまた来てくれることを願っていますが。こういうこともあるので、行きたいライブにはできる限り行くように努めております。

前置きが長くなりましたが、本題の『Laura』の話をします。Scissor Sistersの音楽性はダンスミュージックがメインですが、今回ご紹介する『Laura』は一味違ったロックテイストです。同じアルバムに入ってる『Take Your Mama』って曲もそうなんだけど、ピアノのフレーズがエルトン・ジョンの『Honky Cat』っぽくて、レトロでいい感じです。

この曲は半音ずつ下がっていくコードの展開も粋だし、2ビートのリズムが心地よくてファンキーな香りを醸し出していて、とにかくかっこいい曲なんです。同性愛うんぬんってのは彼らのアイデンティティではあるけど、だからどうとかいうのはなく、純粋に音楽がステキなんですよー。ぜひ聴いてみてください!

ちなみにエルトン・ジョンはイギリス人でゲイという、Scissor Sistersのことを好きになる要素が出そろった人ですが、当然のように早いうちから彼らのことを高く評価していました。その結果セカンドアルバム『Ta-Dah』に収録されている『I Don’t Feel Like Dancin’』という曲を共作して、ヨーロッパ各国で1位を記録するという大ヒットとなりました。こちらの曲ではボーカルのジェイクがビージーズばりのファルセットを披露していますが、ほかの曲でもファルセットで歌うことが多いんですよ。

 


 

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Sakiko Torii
About Sakiko Torii
BLOOMINT MUSICの運営者。イギリス音楽留学経験を生かした音楽的に深みのある記事がウリ。独自スタイルのライブ企画、楽曲リリースのコーディネート、ライター活動、各種メディア出演など、韓国ヒップホップにおいて多方面に活躍中。著書に『ヒップホップコリア』。別名ヴィヴィアン。
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