Interview | Kebee by OneHallyu

ベテランラッパーKebee「ラッパーにはなるべくしてなった」


アジアのエンタメ情報を提供する『OneHallyu』というウェブサイトに、Kebeeのインタビューが掲載されました。海外ファン向けのインタビューのため、とてもベーシックな内容となっています。日本のファンの皆様にもぜひ読んでいただきたいと思い、翻訳しました。

 


 

ベテランラッパーKebee「ラッパーにはなるべくしてなった」

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韓国ヒップホップに注目している方であれば、アンダーグラウンド・シーンで活躍するベテランラッパー、Kebeeのことは当然ご存知だろう。Mad Clown、Crucial Star、Fana、The Quiettなどが所属していたSoul Companyの設立者の1人だ。まだヒップホップの人気が高くなかった頃、Soul Companyとその所属アーティストたちはヒップホップの認知度を高めることに貢献した。しかし彼らは2011年に解体した。KebeeはラッパーのMinosと結成したEluphantのメンバーでもある。今回OneHallyuは、光栄にもKebeeに直接インタビューする機会に恵まれ、韓国のアンダーグラウンド・ヒップホップシーンについて、そしてKebee自身についてよく深く知ることができた。

※筆者注:Jerry.kもSoul Companyの共同設立者

 

こんにちは。Kebeeさんのことをご存知ない方たちのために、自己紹介をお願いします

こんにちは。僕はヒップホップ・ミュージシャンのKebeeです。OneHallyuの読者の皆さん、はじめまして。僕は主にソウルで活動しています。

 

Kebeeさんはずいぶんと長い間、ヒップホップシーンで活動を続けていますよね。韓国のアンダーグラウンド・ヒップホップシーンについて、簡単な歴史や現状などを海外ファンに説明していただけますか? いい点と悪い点は? Kebeeさんが活動を始めた頃と現在を比べると、大きく変わりましたか?

僕は2000年代前半に韓国で音楽活動を開始しました。その頃の韓国では、まだヒップホップがまともに成り立ってなかったので、ヒップホップミュージシャンの数も多くはありませんでした。それでもヒップホップ中心のクラブは少しだけあって、韓国人アーティストたちがライブをしていました。それからパフォーマンスをするアーティストが少しずつ増えていって、レーベルやエージェントもなしに自分たちでアルバムをリリースしたりしていました。ちょうどその頃、インターネットが急速に発達していって、アメリカを含む多くの海外のアーティストがかつてないほどの人気を得ていきました。かっこ良くてスキルのあるミュージシャンが表に出てこれるようになったんです。最近の韓国ではヒップホップに対する関心が非常に高く、人気で有名なミュージシャンもたくさん出てきています。これが一時的な流行には終わらず、ヒップホップへの関心がすぐに消えてしまわないことを願っています。

 

Kebeeという名前の由来について教えてください
中学生のときに考えた名前です。深い意味はありません。ニュアンスが気に入ったのでこの名前を使うことを決めて、そのまま未だに使っています。

 

ソロ活動とEluphantのメンバーとしての活動では、何が違いますか?

ソロ活動では、今現在の自分自身や、達成したいと思うことを、100%自分の音楽につぎ込むことができます。

 

Minosさんとラップデュオを始めようと思ったのはいつですか? また、Eluphantという名前はどのようにして思いついたのですか?

Minosのファーストアルバムが2005年の終わりにリリースされました。Minosはそのとき軍隊から除隊したばかりで、一緒にアルバムを作ってみようかと話をしました。僕の家で数ヶ月間一緒に過ごして、ファーストアルバムである『Eluphant Bakery』を作りました。Eluphant(イルファント)という名前は、象のエレファント(Elephant)と日本語のイルカ(Eluka)から造った造語です。僕たちがそれぞれ好きな動物で、その2つの発音をつなげました。

 

Kebeeさんの『Lost and Found』というアルバムは、とても個人的であり感性的だと思いました。詳しくお聞かせいただけますか? 歌詞を書く上でのインスピレーションは?

このアルバムは、僕が20代のときに作りました。Soul Companyが解体したとき、それとともに僕のミュージシャンとしての活動も解体されて、音楽活動を少しの間やめたんです。このアルバムには僕のあらゆる感情を凝縮して、ひとつの大きな隠喩として表現しました。このアルバムは、過ぎ去った過去を思い出す上で、僕のメンタルを表現するために作ったアルバムです。忘れてしまったことや終わったことを思い出し、新たなヴィジョンを見つけるために。

 

少し前に、Eluphantのアルバムを作業中だと発表しましたね。私を含め、多くの韓国ヒップホップファンはものすごく楽しみにしています。どんなアルバムになりそうなのか、過去の作品とはどう違うのか、少しだけ教えていただけますか?

今回のアルバムは、僕たちの3枚目のフルアルバムとなります。アルバム制作に長い時間をかけて、ものすごく努力を費やしました。僕たちのこれまでの音楽性をキープしながらも、より洗練されて磨きがかった作品となるよう努力しています。

 

いろいろなアーティストの方と一緒にやってこられましたよね。一番気に入っているコラボレーションは? 将来、誰と一緒にやってみたいですか?

ほかのアーティストと一緒に作業をすると、いつもたくさんのことを学びます。だから本当に楽しいです。一番のお気に入りを選ぶのは難しいですね。最近、僕が所属しているSpeaking Trumpetというクルーのアルバムを作ったのですが、様々なヒップホップ・アーティストたちと作業をしたり、長い間やってこなかったようなコラボレーションをしました。大好きなミュージシャンたちと一緒にアルバムを作ることは本当に素晴らしいことです。ヒップホップ・アーティストだけでなく、あらゆるタイプのアーティストと交流していきたいですね。ダンサーやペインター、作家との交流、それから様々なクリエイティブな方々とのコネクションを通して、新たなアートの観点をお見せしたいです。

 

洋楽では誰が好きですか?

最近はヒップホップ・ミュージシャンのケンドリック・ラマーが好きですね。彼からインスピレーションを受けますし、彼のラップ・パフォーマンス、リリック、芸術的視点、ほかにも彼の芸術的才能に関する多くの面から学んでいきたいです。

 

どうしてラッパーになろうと思ったのですか? ご自分の選んだ道に後悔はないですか? もしラッパーにならなかったら、何をしていたと思いますか?

僕はラッパーになろうと思ったわけではなく、なるべくしてなったんです。ラップとヒップホップが好きだから、自然と自分でもやるようになって、今となっては一番誇りに思える部分となりました。後悔はまったくありません。もし音楽をやっていなかったら、今よりも良い人生を送ることはできなかったでしょう。ラップを始める前は、詩人か小説家になりたかったんです。だから「もし僕がラッパーになっていなかったら」、きっとそのどちらかになっていたでしょう。

 

Kebeeさんが所属しているSpeaking Trumpetクルーが、ついに初のコンピレーション・アルバムを9月29日にリリースしました。このクルーについてもう少し詳しく教えてもらえますか? メンバーとのアルバム制作作業はいかがでしたか?

2000年代半ば、ヒップホップ・ミュージシャンによって組織されたミーティングがありました。僕たちのキャリアやビジネス関係について話すためではなく、ただ単につるんでたんです。去年、そんな彼らと一緒に音楽をやろうという話になりました。最初のプランよりもだいぶ時間が掛かりましたが、6曲が収録されたアルバムを完成させることができました。

 

Kebeeさんは大物クルー、不汗黨のメンバーでもありますよね。クルーにはMC Meta、Naachal、P-type、Sean2Slow、Artisan Beatsなど、韓国ヒップホップのパイオニアたちが所属していますが、Kebeeさんはどのようにしてこのクルーに加入することになったのですか? 「ベテラン」の仲間入りをしたことについて、どう思われますか?

僕が十代のときに、大ファンで一緒に作業をしてみたいと思っていたミュージシャンたちとミーティングをしました。2年前、その方たちが僕にクルーに入らないかと声を掛けてくれたんです。彼らと同じクルーに入ることになり、自尊心が高まりました。僕はヒップホップ・ミュージシャンとして10年以上活動しているので、いい音楽を作る方法は知っています。だけど僕は常に新しい流れを追及していくべきだと思うんです。僕には強みがあります。僕には自分の感じていることを表現する力があるので、僕が音楽に込めた個々のメッセージや音楽性から、僕の感情を的確に感じることができます。Eluphantでは音楽性やコンセプトを作り上げなくてはならず、ソロ活動もまた違ったものですが、それぞれ違った楽しみがあります。チームでパフォーマンスをすると、ソロでやるときよりも明らかに大きなエネルギーが流れます。それにいろいろなタイプのパフォーマンスができるので、チームとしての活動からはエネルギーやバイタリティを得ることができるんです。

 

3文字でミュージシャンとしてのKebeeさん自身を表現するとしたら?

Reflect my dailylife (日常生活を振り返る)

 

ありがとうございました。最後にファンの皆様にコメントをお願いします

韓国の音楽とヒップホップに興味を持ってくださり、ありがとうございます。これからもKebeeとEluphantの音楽にご注目ください。ありがとうございました!

 

出所:OneHallyu(2014-10-23)
日本語訳:Sakiko Torii

Sakiko Torii
About Sakiko Torii
BLOOMINT MUSICの運営者である鳥居咲子は、幼少期よりピアノと音楽理論を学び、ロンドンに音楽留学をした。現在は音楽記事の執筆、ライブ主催、楽曲リリースのコーディネート、メディア出演など、韓国ヒップホップに関する様々な活動を展開している。著書に『ヒップホップコリア』。音楽以外に関するネタを集めた趣味ブログ『BLOOMINT DIARY』も運営中。別名ヴィヴィアン。
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