Single | E SENS - Back In Time


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E SENSが本日9月30日、新曲『Back In Time』をリリースしました。アートワークが写真の裏面のデザインになっていますが、もしかして今の中高生って、このアートワークを見ても何だか分からなかったりするのでしょうか?

ところで「E SENS」という名前は「Essayistic Sense」の略で、直訳すると「随筆のセンスがある」という意味です。その名の通り、ストーリーテリングの腕前は韓国屈指と呼ばれているE SENSですが、今回の新曲『Back In Time』でも自身の故郷について、そして子供時代の思い出などについてリアリティのあるストーリーを語っています。曲のリリースと同時に公開されたミュージックビデオも、E SENSの故郷で撮影されたとのことです。

 

「時間をさかのぼる」という意味の『Back In Time』は、「朝には草の匂いがする場所 俺の故郷」というフレーズで始まります。それから故郷の話を回顧していくのですが、感心したのがフックの 「イヤフォンからは『Big Poppa』 姉貴のカセットからはキム・ゴンモ」とい部分です。『Big Poppa』とはアメリカの偉大なラッパー、The Notorious B.I.G.のニックネームおよび彼が90年代半ばにリリースした楽曲のタイトルです。そしてキム・ゴンモは、90年代に韓国でミリオンセラーを出しまくった大御所歌手です。「Big Poppa」と「キム・ゴンモ」という2つの単語だけで一気に90年代に記憶が戻るような、そんなフレーズです。

セカンドヴァースの「ハタチの頃から俺が描いてきた未来は 気楽に音楽をやってるおじさん」以降は、働いていたときの話、仕事だらけの生活に葛藤した話、俺は芸術をやる人間なんだと夢を追いかけた話などが語られています。そして「その頃から性格が少し変わったようだが おかげで 初めて見物してから6年目」というフレーズが出てくるのですが、Supreme Teamとして2009年にデビューしてから、今年が6年目。生まれ故郷や昔の自分を振り返り、2014年時点の今この瞬間の率直な思いが綴られていることがよく分かります。

そんな『Back In Time』のリリースに合わせて、E SENSが今日、インスタグラムに子供の頃の写真をたくさんアップしました。

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この下の写真は、笑ったときの口元が今と一緒ですね!

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Credit: E SENS Instagram

 

インスタグラムにE SENSがアップした写真は、なんだかどれもすごく可愛かったのですが、E SENSマニアの私は、もっとおもしろいE SENSの写真をたくさん持っています(笑)たとえばこの小麦粉をかぶった幼いE SENS。目が今と同じですね。

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Credit: Star News

 

そしてSupreme Team時代の元相方のSimon Dも、『Back In Time』リリースを記念して子供の頃の写真を投下しました。下の写真の右側に写っているのがSimon Dですが、今とまったく変わっていませんね。

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Credit: Simon D Instagram

 

話がそれましたが、新曲『Back In Time』では相変わらずE SENSの韓国語の激音(特にパ行)がよく破裂しています。私がE SENSを好きな理由のひとつが、この強めの発音なのです。それから抑揚ですね。そういった部分を堪能するという意味では、今回のような静かなビートは最高なのではないでしょうか。Supreme Teamでは大衆受けのするアップテンポが多かったですが、ソロアルバムではまた違った姿を見せてくれるのかとワクワクしています。

E SENSの歌詞は実直でリアリティに溢れているのですが、解釈が難しい表現も多く、言葉の書き方も縮約形が多くて口語的な部分もあり、なかなか解読が難しいのです。韓国人はもちろん、自分でも歌詞を書き続けいている韓国人ラッパーたちであっても、E SENSの歌詞は解釈が難しいと感じるようです。ネガティブな意味ではなく、解読をすることに楽しさを感じられるという意味です。

今回の『Back In Time』も例に漏れず難しかったのですが、HIPHOPLEの字幕プロジェクトとして日本語訳を一緒に作業しましたので、よろしければご覧ください。

Lyrics | E SENS – Back In Time

最後にHIPHOPPLAYAのリリース記事の日本語訳を載せたいと思います。曲のコンセプトや作業工程も書いてあって、大変興味深い記事です。

 


 

E SENS、ソロアルバムから先行シングル『Back In Time』をリリースおよびミュージックビデオ公開

ラッパーE SENSが今日(30日)正午、Beasts and Nativesのウェブサイトとその他の音源サイトを通じて、ファーストソロアルバム『The Anecdote』に収録されている中から先行シングル『Back In Time』を公開した。

E SENSは、発売前からDJ Soulscapeが進行役を務めるSBSパワーFM(107.7MHz)の深夜音楽番組『アフタークラブ』に出演し、近年では異例とも言えるラジオを介してのシングル先行公開を行ない、年内に発売されるアルバムの話を聞かせるなどシングルに対する期待感を盛り上げてきた。

今回リリースされたシングル『Back In Time』は、E SENS本人の自叙伝的な歌詞とおぼろげなビートがうまく絡み合った曲だ。歌詞に込められた人生に対する飾らない態度と思い出のおぼろげさが聴き手の胸に響き、過ぎ去った日々に対する懐かしさを呼び起こさせる今回のシングル。アートワークもフィルムカメラとスナップ写真の画像をそのまま使用している点が、過去の歳月を振り返る曲の雰囲気と見事に合致している。ここにラジオ先行公開というメディアならではのレトロな感性が加わり、リリース前から関心を集めた。

今回の新曲はRihanna、Jennifer Lopez、Method Man、Fat Joe、Missy Elliotなどアメリカの著名なヒップホップ・アーティストと作業をしてきたヒップホップR&Bプロデューサー、Daniel ‘Obi’ Kleinがプロデュースした。さらにデンマークの作曲家兼歌手であるPernille Sejlundが、曲のおぼろげな雰囲気をさらに深めるための重要な要素となる声のサンプルを作成して歌った。彼女はこのシングルのためにスタジオで4時間かけて新たに曲を作って歌い、Daniel ‘Obi’ Kleinはその曲を美しい声のサンプルとして使用した。SBSラジオ出演当時のインタビューによると、このすべての作業プロセスはE SENSがデンマークに直接出向いて行われたそうだ。

音源リリースと同時に公開されたミュージックビデオは、E SENSの故郷、慶尚北道慶山市で撮影が行われた。このミュージックビデオは、E SENSが住んでいた小さな町の景色と素朴な日常、そして静かで美しい夜の街を表わしている。叙情的なピアノ演奏の上におぼろげに流れる声のサンプルが韓国的な映像美とうまく調和している。自身が実際に住んでいた町を背景に撮影されたこの映像は、その中に浸透している大小の人生の記憶を再び浮かび上がらせる。さらにはボーナス映像のように後半に逆転が起こり、続く強烈な映像も目と耳を惹き付ける。

自身の人生の短い回顧録となるE SENSのソロアルバム『The Anecdote』に収録されている『Back In Time』は、全く見劣りする部分がないものと見られる。この曲を通して、E SENSの初のソロアルバムの音楽的方向を推測することができると思われる。

出所:HIPHOPPLAYA(2014-09-30)
日本語訳:Sakiko Torii

 


 

最後に。

昨年E SENSに起こった出来事をご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんので、念のため過去記事を貼っておきます。順番通りに並べていますので、詳しく知りたい方は上から順にどうぞ。

このような出来事を経て、一年が経過してやっと本格的に動き出したことを思うと、E SENSマニアの私としては本当に感慨深いです。といっても、実際はシングルを公開したり、ライブに出演したりと継続的に活動していたのですが、今回のようにアルバムが見えてくるような公式的な活動は初めてなので、とても嬉しく思います。

ただ、E SENSは性格的に難しい人だと思っているので、これで一安心だとも思っているわけではありません。とりあえずアルバムが楽しみだということ、そして今後もひっそりと応援していくというE SENSへの愛の告白で締めます。

 


 

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※『Back In Time』のミュージックビデオの最後に流れる曲は、シングル盤『Back In Time』の2曲目に収録された『Sh All Day』で、アルバム『The Anecdote』には収録されていません

Sakiko Torii
About Sakiko Torii
BLOOMINT MUSICの運営者。イギリスでの音楽留学経験を生かした音楽的に深みのある記事が売り。独自スタイルのライブ企画、楽曲リリースのコーディネート、ライター活動、各種メディア出演など、韓国ヒップホップにおいて多方面に活躍中。著書に『ヒップホップコリア』。別名ヴィヴィアン。
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