Column | Evanescence - Fallen


何気に「Evanescence(エヴァネッセンス)のアルバム『Fallen』が好き」っていうことを過去に3回も書いたので、ここいらでちょっと簡単に『Fallen』についてまとめておきたいと思います。

初めて書いたのは、2011年7月の「Song | Evanescence – Good Enough」。その中では「セカンドアルバム『The Open Door』よりも、ファーストアルバム『Fallen』のほうが好き」と断言しています。そして、その翌日に書いた「Song | We Are The Fallen – Bury Me Alive」では「Evanescenceのファンとは言っても、あくまで『Fallen』のファン」と書いています。そして先日書いた「Song | Seether & Amy Lee – Broken」の中でも「私にとってEvanescenceといえばこの『Fallen』」と言い切っています。ものすごい『Fallen』推しっぷりです。

驚いたことに、これだけ推してるにも関わらず『Fallen』の収録曲は一曲も紹介したことがないという事実。なのでこの機会に数曲紹介したいと思い、このコラムを書くことにしたわけです。その前に、Evanescenceと『Fallen』について簡単に説明したいと思います。過去記事と重複する部分もありますが、ご了承ください。

※ちなみにFiona Appleの紹介記事の中で、Amy Leeの『Sally’s Song』を紹介したこともあります。ここでは『Fallen』については触れていませんが、ご参考まで。

 


 

Evanescenceとは?

アメリカ・アーカンソー州出身のゴシックメタル・バンド。1981年生まれのボーカルのAmy Lee(エイミー・リー)とギターのBen Moody(ベン・ムーディー)が中学時代に結成したバンドが原形となった。1998年に2人で制作したアルバム『Evanescence EP』をインディーズでリリース。少しずつ地元で名が知られ始め、2000年にキーボードのDavid Hodgesが加わり、アルバム『Origin』をリリースした。このアルバムはEvanescenceのメジャーデビュー後、『Fallen』に並ぶ名盤としてファンの間で大きな話題になった。

2003年にアルバム『Fallen』でメジャーデビューを果たし、アルバムのセールスは全世界で1,700万枚を記録。グラミー賞では「最優秀新人賞」と「最優秀ハードロック・パフォーマンス賞」の二冠に輝くという快挙を遂げた。しかしDavid Hodgesは、実はアルバム完成直前に脱退していた。Evanescenceの2人は、ツアーのためにバンドメンバーを迎え入れて5人体制となった。しかし、そのツアーの最中にBen Moodyが脱退するという事件が起き、別のメンバーを加えてツアーを強行させた。『Fallen』のリリースからわずか7か月後の出来事だった。

Ben Moodyの脱退理由は諸説あるが、Ben Moodyが双極性障害だったため、まともなツアー活動ができなかったというのが有力のようだ。中学生の頃から信頼関係を築き上げてきたAmy LeeとBen Moodyであったが、これにより2人の友情も完全に終わってしまった。

2006年、新たなメンバーを迎え入れながら新体制となったEvanescenceは、セカンドアルバム『The Open Door』をリリース。600万枚のセールスを記録するなど大成功を収めたものの、その後もメンバーの脱退や解雇などが相次ぎ、なかなかメンバーが安定しない状態が続いている。2011年にはサードアルバム『Evanescence』をリリース。2014年現在はAmy Leeの出産のため活動を停止している。

 

『Fallen』とは?

Evanescenceが2004年3月にリリースしたメジャーデビューアルバム。アルバムのセールスは全世界で1,700万枚を記録し、グラミー賞では「最優秀新人賞」と「最優秀ハードロック・パフォーマンス賞」を獲得した。収録曲『Bring Me to Life』が映画『デアデビル』のサントラに起用されたのを機に、爆発的に売れた。

レコーディング時のメンバーはAmy Lee、Ben Moody、David Hodgesの3人で、『Tourniquet』以外の全曲がこの3人によって作られた。収録曲のうち『Whisper』『Imaginary』『My Immortal』の3曲は、2000年にインディーズでリリースしたアルバム『Origin』の収録曲をリメイクしたもの。


Fallen

収録曲:
01. Going Under
02. Bring Me to Life (Feat. Paul McCoy)
03. Everybody’s Fool
04. My Immortal
05. Haunted
06. Tourniquet
07. Imaginary
08. Taking Over Me
09. Hello
10. My Last Breath
11. Whisper
12. My Immortal (Band Ver.)

 


 

こんな感じです。『Fallen』の1~4曲目はシングルカットされていて、4曲ともミュージックビデオが制作されています。『Tourniquet』はEvanescenceの地元アーカンソー州のバンド「Soul Embraced」のカバー曲ですが、そのメンバーのRocky Grayは、Evanescenceの最初のツアー中にドラマーとして加入しました(2007年に解雇)。Ben MoodyがEvanescence脱退後に結成したバンド「We Are The Fallen(活動停止中)」でもドラマーを務めました。なんか、入ったり辞めたりみんな忙しいですね。

では、さっそく『Fallen』の中から好きな曲をご紹介したいと思います。私が一番好きな曲は、10曲目の『My Last Breath』です。この曲はもう軽く1000回は聴いたと思います。いや、それは言い過ぎか。でも200回くらいは聴いたんじゃないかしら。なんせリリースから10年経ってて、コンスタントに聴いてきてるし。

イントロの電子音のあと、ギターとドラムが同時に鳴り響く瞬間に激しく悶絶! そしてサビの直前から、イントロと同じリフが始まる部分で再び激しく悶絶! 昇天! あと、エンディングのドラムのリズムがすごいんです。ここだけ何回もリピートしちゃいます。激しいビートに心が揺さぶられる!

 

次に好きなのが『Going Under』です。これは曲もミュージックビデオの世界観も好きです。ラストの「Going under~~~」で最後、Amy Leeが息を抜くところが堪らないです。イントロのエッジの効いた「ガッガッ!」ってギターで痺れるわ、サビに入る直前の「I’m dying again」の部分でバックに流れている美しいピアノの旋律に鳥肌立つわ、聴いていて忙しい曲なんです。

 

その次に好きなのが『Bring Me To Life』です。イントロのピアノの旋律を聴くだけで、クラシックがベースにある人が作ったなってピンときますね。それにしても、こういうリフが作れるのは本当にすごい才能です。こういう才能って、ひとことで言うと「発想力」だと思うのですが、とにかくセンスあるアイディアがこの曲の中に詰まりまくっています。このミュージックビデオも何十回観たか分かりません。ストーリーもいいし、Amy Leeの表情もいいですね。

 

『My Immortal』も外せない一曲ですね。クラシックで育ったアーティストの強みってこういうのだなーって思います。バンド演奏とか電子音でガンガン肉厚に作り上げたサウンドに頼るだけじゃなく、シンプルな曲で勝負ができる。しかもAmy Leeはこの曲、ライブでピアノで弾き語りしちゃいます。クラシックを学んだ人の作品は、楽曲構成が非常によくできていますね。

ちなみにこちらのバージョンは、12曲目に収録されているバンドバージョンです。ラストのサビがバンド演奏になっています。4曲目のほうはラストの部分もピアノとストリングスだけです。『Origin』に入ってるバージョンもほぼ同じですが、『Fallen』のほうが演奏とボーカルのクオリティが圧倒的に高いです。

 

あとは『Tourniquet』と『Whisper』が好きです。もちろん全曲好きなのですが、特に好きなのがこれら6曲ということです。『Whisper』はボーナストラックである『My Immortal』のバンドバージョンを除くと、アルバムの最後を飾る曲となっています。それにふさわしい壮大な曲で、クワイヤーによるコーラスでゴシック感が抜群です。『Origin』にも収録されていますが、こちらも同様『Fallen』ではクオリティがグッと上がっています。

 

『Fallen』の収録曲たちは、とにかく編曲が素晴らしいです。生楽器と電子音の使い方のバランスもよく、エレキギターが唸る部分、クラシックピアノが美しく奏でる部分、それぞれが絶妙な役割を果たしています。ドラムのリズムも激しかったり、「間」をうまく利用したりと計算しつくされています。バッキングボーカルのアレンジメントもかなり複雑で、隅々にまでこだわって作り込まれているのがよく分かります。一瞬も無駄がなく、一瞬も飽きさせることがないアルバムです。

ちなみにEvanescenceがこのアルバムを作った時、Amy LeeもBen Moodyも21才でした。天才的な若者2人組が、音楽市場に残る名盤を作り上げた歴史的瞬間ですね。このアルバムは発売から10年にもなるけど、未だに聴き続けています。どれだけ聴いてもまったく飽きません。やっとこのアルバムについて記事が書けて良かったです。皆さんもぜひ聴いてみてください~。
 


 

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Sakiko Torii
About Sakiko Torii
BLOOMINT MUSICの運営者。イギリスでの音楽留学経験を生かした音楽的に深みのある記事が売り。独自スタイルのライブ企画、楽曲リリースのコーディネート、ライター活動、各種メディア出演など、韓国ヒップホップにおいて多方面に活躍中。著書に『ヒップホップコリア』。別名ヴィヴィアン。
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