Single | B-Free - My Team (Feat. Reddy, Okasian, Huckleberry P, Paloalto, Keith Ape)


B-Freeが、9月12日に新曲『My Team』をリリースしました。フィーチャリングしているのがReddy、Okasian、Huckleberry P、Paloalto、Keith Apeの5人なので、HI-LITEの新曲といっても良いくらいですね。

ちなみにKeith Apeは、同じく9月12日付けでHI-LITEに正式加入しました。これまではKid Ashという名前をメインで使っていましたが、今後はKeith Apeのみを使用していくようです。Keith Apeは、OkasianやReddyも所属するThe Cohortクルーのメンバーで、以前からHI-LITEとのコラボも多かったので、HI-LITEファンおよびThe Cohortファンにとっては嬉しいニュースですね。

今回の新曲『My Team』は、一言で言うと「俺たちHI-LITEという最高のチームを舐めんなよ、クソども」という内容です。且つ、ラップ・サバイバル番組『Show Me The Money』に対する批判と、ラッパーSan Eに対するディスも含まれています。そして歌詞には日本に関連したキーワードが何度か出てくるのですが、これはこの夏、HI-LITEが東京で初来日ライブを果たしたことによる喜びが込められたものとなっています。来日ライブの本当にすぐ直後に作られた曲なので、Paloaltoの歌詞全体からも、それを受けての自信や誇りのようなものを感じます。

具体的にはB-Freeの「釜山 光州 大邱 ソウル 日本 どこに行ってもみんなリスペクトする」という部分。HI-LITEが2014年のサマーツアーで回った都市を、回った順に言っています。HI-LITEの来日ライブは、当サイトの運営者である筆者が主催をしたため、メンバーの来日中はずっと側にいたのですが、B-Freeは特に日本が気に入った様子でした。実を言うと、B-Freeは元々日本に対して良い印象を持っていない様子だったのですが、実際に来てみたら好きになってくれたようで、どれだけ日本が素晴らしいと思うか満面の笑みで語ってくれたときは、本当に嬉しかったです。

それからReddyにも「釜山 光州 大邱 ソウル 飛んで東京」というラインや、「俺は一年目 この辺りじゃ『カンジ』の責任を負うドンキホーテ」というラインがあります。「カンジ」とは日本語の「感じ」に由来する、かっこ良さを表す言葉です。そしてドンキホーテは、物語のドンキホーテと、日本で散々遊んだドンキホーテのことを掛けているそうです。ライブの翌日のReddyのインスタグラムには、「日本に来てライブをするなんて。考えれば考えるほど驚くし、嬉しい。言葉が通じなくても、僕たちの音楽を聴いて、好きになってくれて、観に来てくださった日本のファンの皆さん、ありがとうございます。感謝した夜です」というコメントが書かれていました。

来日ライブのレポを書きましたので、ご興味のある方はぜひ読んでください。

『My Team』の歌詞全体も翻訳しましたので、こちらもぜひご覧ください。

どうしても日本人目線で、日本に関する部分をクローズアップして説明してしまいましたが、この曲のメインテーマは『Show Me The Money』に対する批判です。要は「あんな金儲け主義のインチキ番組なんかに出なくても、俺たちは韓国ラッパーを代表して日本でライブを大成功させたぜ!」ということです。『Show Me The Money』はあくまでテレビ番組なので、もちろん純粋なヒップホップではなく、多くの一般大衆に観てもらうための作りとなっています。当然アーティストたちやヒップホップファンたちからは嫌われているのですが、それでもヒップホップの認知度を上げていくことに貢献しているので、賛否両論、答えの出ない問題だと思います。

そしてB-Freeが歌詞の中でSan Eのこともディスしているので、そのことに関する記事が「RHYTHMER」に掲載されました。以下、日本語訳を載せておきます。B-Freeがニュースに載るとき。それはいつも誰かをディスしたとき。

 

B-Freeが新曲『My Team』でSan Eをディス

韓国ヒップホップシーンのイシューメーカーであり、男らしいラッパーで有名なHI-LITE RecordsのB-Freeが、San Eをディスして話題になった。

B-Freeは9月12日にリリースしたニューシングル『My Team』で「強いふりをしてみても 木の枝のようにお前は折れるだろう」「他人を罵っても 違うと言うラップ馬鹿 地質が山のように」というラインを介してラッパーSan Eを狙撃した。
※訳者注:木の枝のように折れるから地質が山のようだという意味。「山のように」は韓国語で「サニガチ」と発音するが、ここは「San E(サニ)のように」というダブルミーニングになっている

最近、音源チャートで1位を取り、『Show Me The Money』への出演などで株が上がったSan Eは、人気とは逆にどんどんヒップホップシーンとは距離が遠くなる歩みを見せ、評論家やヒップホップファンから批判を受けているところだった。加えて、少し前に公開した『Show You The Money』という曲でIllionaire Recordsをディスしたという疑惑を受けて、違うと釈明したことがあるが、B-Freeの歌詞ではこの部分も批判している。

HI-LITE所属のReddy、Okasian、Huckleberry P、Paloalto、Keith Apeなどが総出動したこの曲で興味深い点は、ただ単にB-FreeのSan Eをディスしているだけではない。各自のヴァースを通してHI-LITEの地位を語りながら、問題の番組『Show Me The Money』と一部のラッパーを強く批判していることだ。

特にReddyは「Show me the money イカサマしなくても韓国代表」というラインを通して番組を皮肉り、首長Paloaltoは「お前らはラッパーだからって ファンが見れば強いふりか? バカな」「それは全部ショーだから 子供たちよ どうかあまり騙されるな(中略)人々の前でヒップホップだと言う それがヒップホップなら俺は違うね」「誰もが浮かび上がろうとあがいてる そうさ 人生は一発だね」などといったラインを通して、現在の韓国ヒップホップシーンの実情を批判した。

一方、B-Freeが6月にリリースしたサードアルバム『Korean Dream』は、多くの異議や好評を引き出した。

出所: RHYTHMER (2014-09-12)
日本語訳:Sakiko Torii

 

いろいろと物議をかもしそうな『My Team』ですが、日本のHI-LITEファンからすると嬉しい内容も書いてあり、San Eや『Show Me The Money』のファンからすると腹も立つでしょうし、両方のファンは複雑な思いになりそうです。しかしそのようなミクロ的な視点ではなく、ヒップホップシーン全体を見たとき、ラッパーやレーベルによって異なる意見やスタンスを率直に表現してくれることは、非常におもしろいのではないかと思います。

 


 

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Sakiko Torii
About Sakiko Torii
BLOOMINT MUSICの運営者。イギリスでの音楽留学経験を生かした音楽的に深みのある記事が売り。独自スタイルのライブ企画、楽曲リリースのコーディネート、ライター活動、各種メディア出演など、韓国ヒップホップにおいて多方面に活躍中。著書に『ヒップホップコリア』。別名ヴィヴィアン。
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