Single | P-type – Timberland 6″

Written By Sakiko Torii

本日5月28日、P-typeが新曲『Timberland 6″』をリリースしました。4th アルバムのリリースも近づいている感じがしますね。私の勝手な予想では、6月中に出るんじゃないかと踏んでいます。でもこれまでも延びに延びてきてるので、期待は半分くらいにしておきたいと思います。

とりあえず今回は先行シングルとして『Timberland 6″(ティンバーランド6インチ)』という曲と、カップリングで『반환점(折り返し地点)』の2曲がリリースされました。『Timberland 6″』には、Soul DiveのNuckがフィーチャリングしています。Nuckの滑らかな発声とP-typeのカチカチした歯切れいいラップが、絶妙なバランスを取っていますね。曲のタイトルからして90年代のゴールデン・エラに関する内容の曲だと思われますが、ミュージックビデオからも90年代のヒップホップ感が漂っています。

ところでちょうど最近、ヒップホップとティンバーランドの関係について質問を受けたので、ここで簡単に説明したいと思います。ティンバーランドとは、あのアウトドア・メーカーで有名なティンバーランドです。アメリカでは昔からヒップホップのアーティストたちの間で人気のブランドで、中でも6インチのプレミアムブーツの人気は絶大です。

ヒップホップの4大要素は「ラップ」「DJ」「ブレイクダンス」「グラフィティ」ですが、ティンバーランドのブーツは丈夫な上に、靴底もゴムで滑りにくくなっていて、ブレイクダンスを踊る上でも支障がないのです。ヒップホップの定番ファッションとして、特にアメリカの東海岸で90年代に大流行したティンバーランドのブーツは、ヒップホップに関係なく黒人たちの定番オシャレアイテムとして、長い間高い支持を得ています。

P-typeの新曲の話に戻ります。今回のミュージックビデオには、Primaryのあの箱をデザインしたことで知られるユンヒョプが出演しているそうです。ビデオの中でグラフィティを描いてる人ですね。ユンヒョプについては『Amoebahood』の展示会に行ったときのレポに色々と作品を載せていますので、以下の記事をご参考にしてください。

 

よく考えてみると、このビデオにはヒップホップの4大要素がすべて含まれていますね。P-typeとNuckの「ラップ」、DJ Juiceによるスクラッチの「DJ」、誰かの(←)「ブレイクダンス」、ユンヒョプの「グラフィティ」。お見事です。

そしてカップリングの『반환점(折り返し地点)』ですが、これは2月末にミュージックビデオが公開されたときにリリース記事『MV | P-type – 반환점 (折り返し地点)』を書きました。その中で少しサンプリングについて触れているのですが、今回改めてサンプリング使用に関するニュース記事が出ていたのでご紹介します。

 


 

P-type、サヌリムの音楽をサンプリング……キム・チャンワン快諾

ラッパーのP-typeが、サヌリムの初期の音楽のサンプリング使用許可を受け、アルバムを発表する。

San Eと『不都合な関係』をリリースして以降、4枚目のアルバム制作に集中していたP-typeが、大先輩ミュージシャンであり、シングル『Eメジャーを弾いたら』で最近活動を再開したキム・チャンワン・バンドのリーダー、キム・チャンワンにサンプリング使用の要請をし、許諾を受けた。

サンプリングとは、ギター、ドラム、ベースなどの楽器の演奏を録音せずに、既存のポップスやクラシック音楽の音源をそのまま取って使う作曲技法だ。P-typeは今月28日にリリースするシングル『Timberland 6″』に収録される『반환점(折り返し地点)』という曲で、サヌリムの初期の曲である『어느 날 피었네(ある日咲いたね)』、『골목길(路地)』、『내 마음에 주단을 깔고(私の心に絨毯を敷いて)』など3曲をサンプリングして完成させた。

P-typeは3曲のサンプリングを使用する許可を得るために、当時ドラマ『별에서 온 그대(星から来たあなた)』の撮影の真っ只中で忙しかったサヌリムの元リーダー、キム・チャンワンを直接訪問してサンプリングの使用をお願いし、キム・チャンワンは快く曲の使用を許諾した。

所属事務所であるBrandNew Music側は、「サヌリムの曲がヒップホップの曲に借用される場合、最初に『サンプリング手法の使用目的は、先代のミュージシャンに対するリスペクトを表すことを最優先にしなければならない』というP-typeの意志を投影して、今回の『반환점(折り返し地点)』という曲を完成させた」と伝えた。

続いて「このような意志をよく理解してくださって、何の条件もなしに使用を許諾してくださったキム・チャンワン先輩に、この場を借りて改めて感謝の言葉を伝えます」としながら、「韓国語ライムの新しい地平を開拓した代表的なヒップホップ・ミュージシャンであるP-typeの新しいシングル『Timberland 6″』に多くの関心と愛をお願いします」と付け加えた。

出所:OBS NEWS (2014-05-26)
日本語訳:Sakiko Torii

 


 

そもそも私がRHYTHMERのサンプリング考察記事を読んだのは、P-typeがぜひ読むようにとSNSで強く勧めていたからだったのですが、その記事の中に書いてあった大事なポイントが、まさに「原作者へのリスペクト」なんですよね。

原作者の立場になって考えてみたら、勝手に自分の作品を使用されて、しかも自分の思惑とは違う形に加工されて、さらには商品として販売されて他人が利益を得るなんて、決して気分のいいものではないと思います。もの作りをする仕事をしている人は、自分の作ったものに対して愛情がありますから。お金の問題は別にしても、やはり原作者に使ってもいいかとお伺いを立てるのは、最低限の礼儀だと思います。逆にちゃんと使用許可を尋ねてくれれば、むしろ自分の曲を使ってくれてありがたいと思われることだってあると思います。

これは韓国のプロデューサーから聞いた話なのですが、韓国の音楽業界の実態としてはサンプル・クリアランスの概念がなく、原作者から使用許可を受けるのはほぼ無理で、仮に許可をもらったとしても著作権が100%原作者に移行するそうです。日本では、レコード会社が原作者または原作者の所属会社にコンタクトを取って使用許可を取る体制があるので、すごいと驚いていました。印税も双方に分配できるし。

それでも日本のレコード会社としては、時間と労力が掛かる割りにすんなりいかないし、共作者として著作権登録することになるから原盤印税もある程度持っていかれちゃうし、だったら最初からサンプリングはせずに自分で演奏してほしいというのが本音です。それらのことを踏まえると、今回のP-typeのような例は本当に稀で、許可をもらいに行くこともすごいし、快諾してくれたこともすごいし、しかも無料で使わせてくれたなんて本当に奇跡的な話だということです。これを機に、韓国でもクリアランスに対する意識が少しずつ向上していくといいですね。

 


 

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