今日の一曲/Youssou N’Dour – 7 Seconds

Written By Sakiko Torii

BLOOMINT MUSIC 運営者の SAKIKO が、好きな曲について書くコーナーです。韓国ヒップホップ以外にもジャンルを問わず色々ご紹介します。不定期更新です。

 

先日書いたAlex Boyé(アレックス・ボイエ)を紹介するコラムの中で、「Youssou N’Dourというセネガル人アーティストが好き」と書きました。せっかくなので、そのYoussou N’Dour(ユッスー・ンドゥール)が1994年に発表した『7 Seconds』という曲を紹介したいと思います。

Youssou N’Dourはアフリカのセネガル出身の歌手で、セネガルの伝統音楽にポピュラー・ミュージックの要素を取り入れた独自の音楽性で知られています。セネガルに古くから伝わる音楽や思想を伝える「語り部」の血を引いているそうです。歌手活動のほかにもパーカッション・プレイヤーや俳優としても活躍しており、さらには政治活動も活発に行なっていて、2012年からはセネガルの文化観光大臣も務めています。

そんなYoussou N’Dourが1994年にリリースした『7 Seconds』は、フランス、イタリア、スイス、フィンランドでチャート1位を獲得、オランダでは2位、イギリス、スウェーデン、ドイツ、オーストラリアなどで3位を獲得する大ヒットとなりました。

曲名の『7 Seconds』はそのまま「7秒」という意味ですが、新生児がこの世に生まれてから最初の7秒間を指しているそうです。世界中が抱える問題をまったく知らない時間という意味だそうです。歌詞から読み取るに、ここでいう問題とは、肌の色のことですね。肌の色によって引き起こされる様々な問題。奴隷、差別、戦争、そこから連鎖される貧困、犯罪など。あくまで私の個人的な解釈ですが。

この曲の歌詞は3ヶ国語で書かれています。まずユッスーがウォロフ語(セネガルに住むウォロフ族の言語)で歌い始め、続いて女性シンガーのNeneh Cherry(ネナ・チェリー)が英語で、そして今度はYoussou N’Dourがフランス語で歌っています。

セネガルは昔フランスの植民地だったため、行政や教育における公用語はフランス語なのですが、セネガルの多くの人はフランス語が分からず、80%の人がウォロフ語を話すのだとか。なんでもセネガルでは、全部で36の言語が話されているそうです。それにしても行政や教育がフランス語で行われているのに、国民の多くがその言語を理解しないだなんて……。我々のような単一民族国家には想像もつかない話ですね。

そしてフィーチャリングしているNeneh Cherryは英語で歌っていますが、彼女自身はスウェーデン人です。すごい多国籍な感じの曲ですね! Neneh Cherryの母国語はスウェーデン語ですが、スウェーデン人はみんな英語がペラペラなのです。ちなみにNeneh Cherryは、『Save Tonight』で有名なEagle-Eye Cherryとは異父姉弟です。

ところで実は私、2005年に開催された『Live 8』というフェスで、Youssou N’Dourとイギリス人シンガーのDidoがコラボした『7 Seconds』のほうが好きなのです。Didoの声が曲に切なさを増して、グッときます。

 

はあ~。何度聴いても名曲。Youssou N’Dourの伸びやかな声が素晴らしくて鳥肌が立ちます。「I’ll be wa~~~~~iting!!!」 ってとこ、ヤバイですね。一番最後に叫ぶ「アフリカーーー!」ってのも感動します。

この『Live 8』ですが、洋楽が好きでまだ観たことのない方がいたら、絶対に観て欲しいDVDです。私はこれが発売された当時、数えきれないくらい何度も観て、パソコンに取り込んでiPodに入れて通勤のお供にしたくらいハマってました。少々お値段は張りますが、4枚組で収録時間は600分(=10時間!爆)だし、出演者がもうハンパないんですよ。世界を代表するアーティストがたくさん出演しているんです。日本でも知名度が高い有名どころだけ書き出しても、

Paul McCartney / U2 / Coldplay / Elton John / Stereophonics / Black Eyed Peas / Duran Duran / UB40 / Green Day / Snoop Dogg / Bon Jovi / Destiny’s Child / Bryan Adams / Kanye West / Madonna / Will Smith / Linkin Park / Jay Z / Alicia Keys / Sting / Mariah Carey / Maroon 5 / Robbie Williams / Stevie Wonder / Pink Floyd / George Michael / James Brown / Björk etc…

なぜこんな豪華なイベントが実現したかというと、主旨が主旨なんですね。『Live 8』の「8」は、「G8」の「8」なんです。主要8か国首脳会議のことです。つまりこの『Live 8』は、2005年に行なわれたG8の首脳会議に向けて、貧困にあえぐアフリカへの支援を訴えかけるために開催されたチャリティー・コンサートだったのです。「G8」はフランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ、ロシアの8ヶ国から成っているのですが、それらの国を中心に、各国でこの『Live 8』が同時開催されたのです。ちなみに日本では、幕張メッセで開催されました。

DVDのパッケージを開けると、こんなアートワークが描かれています。貴族みたいな格好をした「G8」の首脳たちが豪勢な食べ物を前にしていて、それを痩せ細った黒人の子供が見ているというものです。

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ディスクもこんなです(笑)

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Youssou N’Dourの『7 Seconds』から若干話題がそれてしまいましたが、Youssou N’Dourが目指していることは『Live 8』の主旨とも通じているので、どちらもご注目いただければ! よかったら『Live 8』も観てみてください~!


LIVE 8 [DVD]

 

writerSakiko Torii

BLOOMINT MUSICの創設者および編集長。韓国ヒップホップ・キュレーターとして執筆、ライヴ主催、音源/MV制作サポート、メディア出演など多方面に活躍中。イギリスに音楽留学していた本格派。著書に『ヒップホップコリア』。

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