Gaekoが『I Can Control You』でE SENSに反撃


E SENSの『You Can’t Control Me』を受けて、Gaekoが昨夜「Controlのビートをダウンロードしました」とツイートしました。そして早速本日、アンサーソング『I Can Control You』を公開しました。この「Controlのビートをダウンロードしました」という文章、韓国に「流行語大賞」があったら受賞しちゃいそう。

Gaekoは、E SENSが昨日投下した爆弾の比じゃないくらい強烈なものを落としてきました。声のトーンも怒り炸裂で、リリックもストレートにE SENSを非難しまくってます。E SENSの「You Can’t Control Me(お前は俺をコントロールできない)」というタイトルに対して、「I Can Control You(俺はお前をコントロールできる)」って、タイトルだけでものすごく怖い……。

E SENSのほうの記事で、原曲の「Control(コントロールする)」に対してE SENSはうまいこと言うな~って呑気に構えたって書いたけど、Gaekoがさらにうまいこと言って返してきましたね。これが大喜利だったら座布団一枚あげたいところですが、うまいこと言っても誰も楽しくないという、ディス戦の悲しい現実。

正直最初に聴いた直後は、Gaekoのことを一瞬嫌いになりそうでした。だってあまりにもストレートに非難しすぎてるし、大麻のことを今さらそんなに持ち出さなくてもって思ったし。あと、E SENSはもっと言葉遊びをリリックに含ませてたけど、Gaekoはちょっと直接的すぎるかな。そこが若干の残念ポイントでした。

とは言っても、やっぱりGaekoはうまいです。ライムもうまいし、感情の表現もうまい。今回のGaekoのラップを聴いた人はみんなGaekoが怖いと感じただろうけど、それってつまり、聴き手を怖いと感じさせるほどの表現力があるということですよね。ということで、とりあえずGaekoの『I Can Control You』の曲と歌詞をご覧ください。

 

Gaeko – I Can Control You

못된 형이 맘 떠난 동생한테 해주는 마지막 홍보
悪い先輩が 気持ちの離れた後輩にしてやる最後の広報

간만에 좀 커지겠지 
久しぶりに ちょっと大きなことになるだろう

매일 풀려있던 니 동공
毎日開いていった お前の瞳孔

팻힐리급은 되니깐 받아줄께 나는 알도
パット・ヒーリー級だから受けてやる 俺はアルド
※パット・ヒーリーはアメリカの総合格闘家。ジョゼ・アルドはブラジルの総合格闘家

재 털어라 어제 흘린 술 묻은 티좀 빨고
灰をはたけ 昨日酒をこぼしたTシャツは洗って

하루의 반을 잘때 아낌없이 재능을 줬네
1日の半分は 寝る間も惜しんで才能を与えた

넌 열심히 하는 랩퍼애들한테 대마초를 줬네
お前はがんばってるラッパーの若いヤツらに 大麻をやったな

맨정신으로 만든 랩 반응봐 “이새끼 약빨았네”
しらふで作ったラップへの感想を見てみろ 「こいつ薬やってるな」

네이버 검색 고개숙인 니 사진봐 “약빨았네”
NAVER検索で うつむいたお前の写真を見て 「薬やってるな」
※2011年にE SENSが大麻喫煙で検挙された際、うつむいて記者会見をするE SENSの様子が大きく報道された。E SENSを検索すると、その時の写真が度々出てくる

똥싸놓고 회사한테 치워보라는 식
クソをして 会社に片付けてくれと言ってるようなもんだ

참아준 형 배신하고 
我慢してくれた先輩を裏切って

카톡으로 등 돌리는 식
カカオトークで背を向けるようなもんだ

한곡 부르고 목쉬어서 항상 빡쳐있는 입
一曲歌って喉が枯れて 常にむかついている口

너의 냉소와 염세때문에 
お前の冷笑と悲観のせいで

지쳐있는 내 주변인들의 기분때문에 한다고 임마
疲れ切った俺の周りの人たちのためにやるんだ この野郎

우리땜빵으로 번돈이 나보다 많아 임마
俺たちの代わりに稼いだ金は 俺より多いぞ この野郎

고상한 너에게 볼펜살께
高尚なお前に ボールペンを買ってやるよ
※E SENSが『You Can’t Control Me』で書いた「あまりにももったいない俺のボールペン」というフレーズを受けてのアンサー

지렁이는 잘돼야 미꾸라지 아님 뱀
ミミズはうまくいって ドジョウではなくヘビになった
※ミミズはE SENSに対する昔からの定番の悪口

랩대물이랑 만든 열번째 대박앨범 BAAAM
ラップ大物と作った 10枚目の大ヒットアルバム『BAAAM』
※E SENSが『You Can’t Control Me』でChoizaのことを「ラップ崩れ」と表現したため、ここではChoizaのことを「ラップ大物」と対抗した。また、Dynamic Duoの新作『BAAAM』は韓国語で「ベム」と読むが、「ベム」は「ヘビ」という意味なので上のラインに掛けている

뱅뱅 종울렸어 땡땡안해도 되는 경기지만 
バンバン鐘が鳴って ガンガンやらなくてもいい競技だが

간다 이 지저분한 엔터테인
やるさ この汚らわしいエンターテインメント

선풍기랩 회전모드에 바람세기는 허풍
扇風機ラップ 回転モードの風力は「誇張」

휩쓸리는건 너같이 관심병 환자들뿐
吹き飛ばされるのは お前みたいな目立ちたがり病の患者だけ

암적인 존재 니 존재자체가 독
癌のような存在 お前の存在自体が毒
※E SENSの代表曲『毒』に掛けている

아마 십년후에도 프라이머리의 독이 니 대표곡
きっと10年後も Primaryの『毒』がお前の代表曲
※『毒』はPrimaryの作品にE SENSがフィーチャリングしている形なので、あえてPrimaryの作品であることを強調していると思われる

아니면 “아 개코 디스한 애”
または「ああ、Gaekoをディスった子」

“지무덤파고 몸뚱이 묻은 치명적인 실수한 애”
「墓を掘り起こして、自分で埋まる致命的なミスをした子」
※E SENSが『You Can’t Control Me』で「俺はラッパーの墓、その下の深い所まで入ってから再び出てきた」と書いていることに掛けている

“별일없어 은퇴한 애”
「大したこともしないまま引退した子」

출두전 질질짤때 해줬던 FREE HUG
出頭前 ずるずると泣いた時にしてやったフリーハグ

널 존중한 기억은 지웠어 법이 개입하기전
お前を尊重する記憶は消し去った 法が介入する前に

용감함과 멍청함 이제 구분해라 
勇敢さと 間抜けさを そろそろ区別しろ

돈만큼 말 좀 아껴
お金だけのためだって 言葉を慎め

할 줄 아는게 투정뿐인 무뇌야
お前のできることなんて 文句だけの無能

병사 대 병사. 웃기지마라 I am the king
兵士対兵士? 笑わせるな 俺がキングだ

집에서 그냥 족뺑이 까라
家で引きこもって クソディスでもしてろ

니가 뭘해 놈팽이 니가 뭘해
お前に何ができる? ダメ男のお前に何かできる?

창 없는 옥살이 하게 될거야
窓のない獄中生活を送ることになるぞ

내가 널 벌해
俺がお前を罰するよ

I am not a business man
俺はビジネスマンじゃない

매일 난 앉아 비지니스 클래스
毎日俺が座るのは ビジネスクラス

난 꽤 바쁜 사람 Go fuck yourself
俺は忙しいんだ くたばれ

버릇처럼 넌 말했지 
口癖のように お前は言った

개코형이 내 롤모델
Gaekoさんが 僕のロールモデル

지금 이순간부터 다시 난 너의 롤모델
今この瞬間から また俺はお前のロールモデル

HIP HOP! HIP HOP!
ヒップホップ! ヒップホップ!

 


 

Gaekoからのこの応戦を受けたE SENSは、「オッケー、性格が出ますね」とツイートしました。さらに泥沼になる予感……。でもE SENSは『You Can’t Control Me』の中で「MCとして話をしろ」とGaekoを煽ったので、ちゃんとアンサーソングで答えてくれたことに関しては良かったのでしょうか。もう何か良いとか悪いとかさっぱり分かりませんが。

それからSwingsがサムディ(Simon Dominic)のことを激しくディスってるのですが、その内容が「お前はE SENSを見捨てたんだ」的なディスなので、E SENSとサムディも揉めてるのではないか、という憶測が立っていました。そんな噂が立ったためか、E SENSは「僕はSwingsとサムディ兄さんの話はしていない」とツイートしました。つまり自分とサムディは揉めていない、と。

そりゃそうだ。だって「Simon Dominic兄さんは僕の人生の責任を負ってくれる人です。兄さんの息子は僕のことを叔父と呼ぶでしょう」だもんね(参考記事:Interview | Supreme Team – カムバック by 聯合ニュース)。

そしてE SENSは「明け方に会いましょう」ともツイートしていたので、もしかしたら夜中にもう一発爆弾を投下するのかもしれません。もう激しいディスはしないでほしいと願っていますが、ここまでくると祭りみたいになっている部分もあるので、黙って見守るしかなさそうです。

サムディも今夜何かを出すようなことをチラつかせていたけど、現時点ではまだ何も出てきていません。でもサムディは黙ってたほうがいいんじゃないかな。サムディにはキャッキャッ言ってるミーハー女子ファンが少なくないし、ヒップホップの大衆化のために芸能人としての道を自ら選んできてるし、口汚いディス戦には乗っからずにクールなイメージをキープしたほうがいい気がする。

これまで信念を持ちながら、苦労をして得たイメージを覆すようなことはせず、A$AP ROCKYのようにクールに収めてほしいな。少なくとも表向きでは。やるとしても、非難合戦じゃなくて、ヒップホップの発展のために刺激になるようなクールで大人なやつを求む!

私は今後もずっと、どちらのことも応援するつもりです。別に人間が好きでファンになったんじゃないし。リリックとラップのスキルに惚れたわけだから。そうは言っても、これは私の勝手な願いだけど、GaekoとE SENSには、早く直接会って腹を割って話し合ってもらいたいなって思う。結局は価値観の相違、誤解、そんなところだろうと思うので。いや、知らんけど。

 


 

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Sakiko Torii
About Sakiko Torii
BLOOMINT MUSICの編集長。コラム執筆、ライヴ主催、楽曲リリースのコーディネート、メディア出演など韓国ヒップホップにおいて多方面に活躍中。イギリス音楽留学経験を生かした音楽的に深みのある記事がウリ。著書に『ヒップホップコリア』。
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