Amoeba Culture「K-POPの未来 – ヒップホップ、大衆の中で花を咲かせる」インタビュー by Sports Seoul

Written By Sakiko Torii

Amoeba Cultureの素敵なインタビュー記事がスポーツソウルにアップされていたので、翻訳しました。HIPHOPPLAYAなどに載る記事と違い、彼らをまったく知らない層に向けて書かれているので、いつもと違ったおもしろさがあるインタビューです。

 


 

K-POPの未来 – ヒップホップ、大衆の中で花を咲かせる

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韓国ヒップホップの未来は僕たちが責任を負う! スポーツソウル創刊28周年を記念して、ヒップホップの歴史と未来をともに議論したAmoeba Cultureの皆さん。左上から時計回りにSimon D、Gaeko、Choiza、Primary、Zion.T

「K-POPの未来」は明るいほうだ。特に着実に上昇の勢いに乗っているヒップホップと大衆音楽の強固な栄養成分的役割を果たしているインディーズ・グループが注目されている。

最近、ダンスやバラードに劣らずヒップホップに対するファンの関心が熱い。公演やイベント関係者は、学園祭をはじめとする各種行事で最も評価の高い歌手としてヒップホップ・ミュージシャンを挙げている。最近ではヒップホップ歌手たちの音楽マーケットであるMIDEM、Music Mattersなど海外ステージでも著しい活躍を見せながら、K-POPを導く軸として新たな飛躍をしている。

スポーツソウルは創刊28周年を迎え、国内を代表するヒップホップ・スターたちが集結しているAmoeba Culture所属ミュージシャンたちに、K-POPの新しい一軸を担っている国内ヒップホップの歴史と現在、未来について聞いてみた。対談にはDynamic DuoのChoizaとGaeko、Simon D、Primary、Zion.Tが総出動した。

 

低迷したヒップホップ市場に活力を吹き込んだEpik High

Dynamic DuoはAmoeba Cultureの最古参だ。1999年に結成したK.O.Dのメンバーとして歌謡界に足を踏み入れた後、ヒップホップグループCB MASSを経て2004年に2人組のDynamic Duoが誕生した。そして2006年、現在の所属事務所であるAmoeba Cultureを設立。2008年にはSimon Dが所属するヒップホップ・デュオSupreme Teamを、2009年にはプロデューサーPrimaryを、そして2012年にはZion.Tを相次いで獲得して社勢を広げている。

Dynamic DuoとPrimaryは、自分たちがちょうど活動を始めた2000年代初期を「アンダーグラウンド・ヒップホップ市場の中興期」と回想した。

「2000年代初期だけはインディーズ活動でも生存が可能でした。独立してアルバムを出してもファンがそのアルバムを直接買ってくれる時代だったからです」(Primary)

「ヒップホップを聴いてこそトレンディーとされるような時代でした。ファッションもヒップホップ・スタイルが流行しましたよね」(Dynamic Duo)

しかし、このようなヒップホップの中興期は長くは続かなかった。すでに注目されていたヒップホップ・スターたちに取って代わるほどの新たな顔が現れなかったからだ。

「LeeSsang、Drunken Tiger、MC Sniperなどがメジャーのヒップホップ・スターとして注目を浴びた代わりに、アンダーグラウンドのヒップホップ市場は徐々に沈んでいきましたよ。アルバム市場が難しくなっていって、新たに注目するほどの新人ヒップホップ・スターの発掘をすることができなかったんです」(Gaeko)

「そのような傾向だったため、ヒップホップをする人々が立つステージや公演会場も徐々に消えていきました」(Choiza)

しばらく低迷していたヒップホップ市場に活力を吹き込んだのは、まさにEpik Highであった。2004年にセカンドアルバム『평화의 날(平和の日)』で注目されたEpik Highは2005年には『Fly』、2007年には『FAN』を大ヒットさせ、ヒップホップ市場に再びファンを呼び集めた。

「Epik Highがヒット曲を相次いでリリースして、バラエティ番組でも大活躍して、当時の青少年たちが再びヒップホップを聴き始めました。Epik Highのアルバムに参加したPaloaltoやThe Quiettなどアンダーグラウンドのヒップホップ・スターたちも恩恵を受けました。少女ファンたちがこれらのヒップホップ公演を観るために列を成したほどでしたから」(Simon D)

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ヒップホップ、大衆の中でパッと咲く!

ヒップホップファンたちからの絶大な人気を受けて、放送関係者や大衆のヒップホップ・スターたちを見る目も明確に変わった。

「活動を始めた頃は控え室もありませんでした。ゴザを敷いて、廊下で待機することが多かったですからね。放送関係者の方々も僕たちのことを「いい加減だ」と思っていたのか、あまり綺麗ではない視線で見られていたようで」と回想したDynamic Duoは、「2007年にテレビ局に行ったとき、初めて僕たちの控え室が用意されていました。涙が出るほど胸がいっぱいになりましたよ。それ以降、音楽をする環境がますます良くなっていることを感じます」と話した。

「以前は音楽番組に出演しても、自分たちのステージを持てないことが多かったんですよ。ちょっとフィーチャリングで出演する程度?だけど今はヒップホップ・ミュージシャンたちが一緒にファミリー形式のステージを持つことが多いでしょう。放送でも10分以上の時間を割り当ててくれるなんてしょっちゅうですよ」(Choiza)

「ヒップホップ歌手たちが着実に、そしてガッチリと基盤を固めたことで今の光を見ているのだと思います。ちょうど今、番組の演出をされている方々がヒップホップを聴いて育った世代でもあるようで」(Gaeko)

ヒップホップは今後、さらに発展して人気が出るだろうと期待している。ファン層が拡大しており、「熱狂的なファンたちの専有物」とされていたヒップホップが、大衆に普及して幅広く好まれているジャンルとなっているためだ。

「2000年代は、ヒップホップ公演をすると軍隊に来たような感じでした。みんな男性ファンたちだったんですよ。でも今は女性ファンも本当に多いです。さらに発展する可能性もあると思うのが、高校生はもちろん子供のファンもさらに増えたんです。彼らは年を取ってもずっとヒップホップを好きでいてくれると思います」(Primary)

「本当にヒップホップの人気が高いことを実感しています。以前は学園祭に行くとヒップホップ歌手は僕たちしかいませんでしたが、今は少なくとも3〜4グループが交渉されています」(Choiza)

「音源チャートでもヒップホップ曲の成績がとてもいいじゃないですか。アイドルの子たちもヒップホップ・スタイルをやりたいと曲の依頼をしてきます。ヒップホップがトレンドになったということでしょう」(Primary)

 

K-POPの新しい主軸、様々な文化活動に転移しているヒップホップ

ヒップホップは今、世界の中で注目されているK-POPの主軸ジャンルに成長する可能性もあると見ている。アイドルスターたちとのコラボレーションを通じて海外のファンたちからも注目を集めており、韓国型のヒップホップに対する関心も高まっているというのが彼らの説明だ。

「SNSを通じて日本、東南アジアはもちろん南米のファンもメッセージを載せます。アイドル歌手たちと作業をして、彼らとやり取りをするうちに海外のファンたちがまず僕に興味を持って、一歩進んで僕の音楽にも関心を示してくれました」(Primary)

「僕たちのヒップホップのことを、K-POPというよりはアメリカのポップスを聴くような感じで、偏見を持たずにひとつの音楽として聴いてくれているようです」(Choiza)

「海外ファンたちは、ヒップホップにR&Bやソウル・ミュージックの要素を取り入れたメロディアスな歌をより簡単に受け入れられるようです」(Zion.T)

Amoeba Cultureは最近、ソウル、オリンピック公園オリンピックホールで所属歌手が総出動したファミリーコンサートを開いた。2日間で9千人あまりのファンが集まった。当初は1回のみの公演だったが、ファンからの反応が熱かったためにもう1回追加公演をしたほどだった。人気アイドルが揃った芸能企画会社の専売特許である「ファミリーコンサート」をヒップホップ歌手たちが試みて大成功を収めたことこそ、まさにヒップホップの熱い人気の証でもある。

先月はソウル平倉洞のガーナアートセンターで、Amoeba Cultureの作品展示会も開催した。10日間開催されたこの展示会には6千人のファンが訪れた。世界的なフィギュア・アーティストとSimon Dのコラボレーション作品であるSimon Dフィギュア スペシャル・エディションや、NIKEエアフォースワンのAmoebahoodエディションなどの作品が展示された中でチャリティーオークションも開き、収益金は障害のある子供たちの音楽教育と治療支援に寄付された。ヒップホップがより多様で活発な文化活動に移行されている代表的なケースだ。

Source: スポールソウル(2013-06-23)
日本語訳:Sakiko Torii

 


 

記事内に出てくるファミリーコンサートと展示会については過去にレポを書いていますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

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