Interview | 不汗黨 by The Korea Herald


ヒップホップクルーの不汗黨(プランダン)が、今月19日に韓国の英字新聞『The Korea Herald』に掲載されました。とてもいい記事だったので、たくさんの方に読んでいただきたいと思い、翻訳しました。

 


 

不汗黨には信じ続けているものがある

自分たちの音楽が、自分たちのカルチャーやスタイルに忠実であり続けることを願うヒップホップクルー

 

ヒップホップクルーの不汗黨(プランダン)がここに来るまでは、長い道のりだった。形式上は昨年の結成としているが、実際は今月リリースされたアルバムの制作に3年もの月日を共に費やしてきた。

しかしこのクルーが21人というラッパー、DJ、プロデューサーで構成されていることを考慮すると、こうして一緒になったことだけでも凄いことだ。さらに、彼らのうちの多くは韓国ヒップホップが始まったときからこのシーンにいる。

『The Korean Herald』が先週おこなったインタビューで、ラッパーのMC Metaは「僕たちはお互いに知り合ってから8~15年になります」と話してくれた。MC Metaは現在、Mnetのオーディション番組『Show Me The Money』のシーズン2に出演している。

 

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6月13日に弘大でおこなったインタビューに集まった不汗黨のメンバー:MC Meta, Artisan Beats, Optical Eyez XL, RHYME-A-, Minos, Nuck, Naachal, THE Z

 

続いてプロデューサーのArtisan Beatsが、このクルーが様々なグループから構成されていることを付け加えた。「だから全員が集まることは本当に難しかったんです」

アルバムのタイトル「折衝」はクルーにとって大きな意味を持つ。クルーが公式的に結成される以前の2002年から始まった折衝シリーズの3作目となる。

MC Metaは「韓国のアンダーグラウンド・シーンの初期は、ある種の精神みたいなものがありました」と話した。「自分たちが満足するためだけに音楽を作っていたんです。だけど時が流れ、今のいわゆるアンダーグラウンド・ヒップホップシーンは、商業的なものへと変わってしまいました」と話した。

そして「たくさんのアーティスト、プロデューサー、ビートメーカーが金儲けのためだけにヒップホップシーンを利用しています」と続けた。ラッパーのP-typeは金儲け以外に「健全なシーン」を作らなければならないと加えた。

「満足には2つのポイントがあります。お金、そして音楽における満足です。だけど多くの若手はそのことを忘れています。だから僕たちは自分たちの音楽や活動をより向上させようとしているんです。とりわけこの折衝シリーズを通して」とMC Metaは話した。

この精神はアルバムの中の音楽に込められている。昨今のヒップホップはサウンドがあまりに似通っているため、彼らは自分たちの文化やスタイルに忠実に音楽をやりたかったということだ。そのため、パンソリ(※)や韓国太鼓を含む韓国の伝統文化を多くの楽曲に取り入れている。

※パンソリ:18世紀から伝わる朝鮮の伝統的民俗芸能。ユネスコの無形文化遺産に登録されている。1人の歌い手と太鼓の奏者によって奏でられる物語性のある歌と打楽器の演奏

P-typeは「最近のヒップホップ・アーティストはMTVのスタイルに合わせています。だから僕たちはそういうものとは差別化を図りたかったんです。それと、新人アーティストたちに元来の韓国ヒップホップ・スタイルというものがどういうものなのかを見せたかったというのもあります」と話した。

続いてMC Metaは「僕たちは伝統との調和を保って、韓国語をできる限りたくさん使っていくつもりです。英語では表現できないような韓国語もありますから」と話した。

MC Metaによると、メンバーはかつてヒップホップ・アーティストたちを支援するための組織を作りたいと冗談まじりに話していたという。自分たちが本当にやりたいことをやるために、グループを作って音楽シーンに大きなインパクトを残したかったのだ。それが長い年月にわたって自然と形を成した。誰か1人がアイディアを強く推したのではなく、みんなで作り上げたのだ。

最近はK-POPが韓流ブームの第一線で活躍しているため、韓国の音楽はポップスもヒップホップも伝統音楽もすべて一括りにK-POPと呼ばれるようになってきた、とMC Metaは言う。しかし韓国ヒップホップには多くの可能性が秘められているのだ、と。

「ヒップホップをやっている人間はエネルギッシュでとても情熱的です。このジャンルに高い将来性があることは知っていただけていると思います。人々が韓国ヒップホップにより多くの関心を持ってくださることを願っています」

Source: The Korea Herald (2013-06-19)
日本語訳:Sakiko Torii


Sakiko Torii
About Sakiko Torii
BLOOMINT MUSICの運営者。イギリスでの音楽留学経験を生かした音楽的に深みのある記事が売り。独自スタイルのライブ企画、楽曲リリースのコーディネート、ライター活動、各種メディア出演など、韓国ヒップホップにおいて多方面に活躍中。著書に『ヒップホップコリア』。別名ヴィヴィアン。
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