Column | Carole King


私が敬愛するキャロル・キング(Carole King)。

ブログを2011年に始めて以来、自分の好きな洋楽アーティストを少しずつご紹介してきましたが、なかなかキャロル・キングについては書くに至りませんでした。その理由は、キャロルの存在があまりにも偉大だから。今さらビートルズについて紹介記事を書きますかっていうことです。そして何よりも、私自身にとってあまりにも大切な存在のため、手がつけられなかったというのが大きいです。

私は大昔、自分でも音楽をやっていました。割かし本格的にやっていて、ロンドンの難関大学で音楽を専門的に学んだりもしていました。キャロル・キングは、そんな私が最も影響を受けたミュージシャンです。私なんぞが軽々しく「ご紹介します」なんて言うのもおこがましいような、神のような存在なのです。

というわけで、ちゃんと書こうとすると恐れ多くてパソコンのキーボードが打てないので、本当に本当に簡単にだけ書こうと思います。ドキドキドキ……。

そもそも今回キャロルについて記事を書こうと思ったきっかけというのが、久々に発表されたこちらの新曲『I Believe in Loving You』です。

carole_king_single

 

こちらの曲は先週5月21日にリリースされたのですが、リリースの経緯に関してキャロルご本人によるメッセージが公式メルマガに書かれていたので、以下の通り翻訳します。

去年ハル・デヴィッドが亡くなったことを知り、彼と一緒に1999年に曲を作ったことを思い出しました。それで私のチームにそのときのカセットテープを探してくれるよう頼みました。
そして見つけてくれました。
ザックリと作成した「I Believe In Loving You」のデモを聴いて、ちゃんとレコーディングしてみようと思いました。ハルの家族のためにだけでも。だけど「グラミー賞候補プロデューサー」ルイーズ・ゴフィンが本当に素晴らしいトラックを録音してくれて、ハルの家族以外のたくさんの方々にもお聴かせできればと思いました。
ほかでもない私自身が一番驚いたのですが、私からチームに「この曲をシングルとしてリリースできないかな?」と聞いたんです。
そしてリリースすることになりました。
気に入っていただけたら幸いです。

 

ということで、ハル・デヴィッド作詞、キャロル・キング作曲の新作『I Believe in Loving You』がリリースされ、私たちファンの元に届けられることとなったのです。

※iTunesでのダウンロードはこちら

そして先週、この曲をアメリカのテレビ番組で披露したので動画も貼っておきます!客席にオバマ大統領ご夫妻の姿が! このときオバマ大統領がキャロルの功績を誉め称えたというニュースも出ています(こちら)。それにしても、さすがキャロル。次元が違いますね。

 

続いて、簡単にキャロルの紹介を書こうと思います。

キャロル・キングは1942年にアメリカ・ニューヨークで生まれた偉大なシンガーソングライターです。現在、御年71歳! 1960年代は作曲家として活躍していました。キャロルが作曲した曲の中で一番有名なのは、やはり『ロコ・モーション』でしょうか。きっと、この曲を知らない人はいないですよね? まさかいないよね??

 

1970年代に入ると、キャロルはシンガーソングライターにキャリア変更します。歌唱力は決して高いとは言えませんが、独特な声質がとても魅力的で、一度聴くと耳について離れません。

そして1971年になると、かの有名なアルバム『Tapestry』をリリース。この作品は名実ともに「名盤」です。日本語では『つづれおり』という邦題で知られています。ジャンルとしては、フォーク・ロック的なカテゴリに属すのでしょうか。


Tapestry

 

このアルバムは、発売以降302週間(約6年!)も連続でトップ100に留まるロングセラーとなりました。売上総数は2千万枚を超え、「歴史的名盤」と称されています。いやいやほんと、歴史的名盤という名にふさわしいんです。騙されたと思って一度聴いてみてください。「音楽の本質」に触れることができる数少ない作品のうちのひとつだと思います。

セリーヌ・ディオンもこのアルバムを聴いて育ったと言っているのをインタヴューか何かで読んだことがありますが、世界中のありとあらゆるアーティストがこのアルバムの影響を受けたと言っても過言ではありません。

中でも収録曲のうちのひとつである『You’ve got a friend』という曲は、本当に数多くの人たちがカバーをしてきています。私が今パッと思いつくだけでも軽く10人は超えます。実際は大袈裟じゃなくて100人は超えてると思います。マイケル・ジャクソンも子供の頃にカバーしたんですよ!

<You’ve got a friend – Carole King>

 

<You’ve got a friend – Michael Jackson>

 

私は中学生のとき、この『You’ve got a friend』が欲しくてアルバム『Tapestry』を購入したのですが、アルバムを聴くや否や一気にキャロルの世界にどっぷりとハマってしまいました。それ以来、キャロルは音楽において心の師匠です。ステージでもキャロルの『A Natural Woman』という曲をよく弾き語りしていました。遠い遠い昔の話ですが……。

<A Natural Woman>

 

この『A Natural Woman』のキャロル、とんでもなく若いですね。リリース当時だとしたら、まだ30歳そこそこでしょうか。上に貼った『You’ve got a friend』の動画は40代で、一番上に貼ったオバマ大統領の映ってる番組は71歳。歴史を感じますね!

私が『Tapestry』を買った頃も、キャロルはすでに伝説の人でした。当時14歳くらいだった私には、歌詞カードに書いてある「1961年制作」という数字が、100年も200年も前に感じたものです。歴史上の人物ぐらいの印象を抱いていました。なんてったってキャロルは、あのポール・サイモンからデモテープの作り方を教わった人なんですよ! そしてニール・セダカの代表曲『おお! キャロル』のモデルとなった人物なんですよ!

ところが2001年、キャロルは60歳を過ぎてニューアルバム『Love Makes the World』をリリースしました。私にとっては歴史上の人物ですからね。新作が出るなんて事件以外の何ものでもありませんでしたよ。っていうか、2001年からすでに10年以上が経過しているという事実に今、震撼しています。

このアルバムがこれまた素晴らしくて! 確かに加齢によって声に元気はなくなったけど、現代のサウンドが融合されて新鮮だったし、メロディメーカーとしての才能がまったく衰えてなくて驚きました。コード進行も相変わらず粋で、聴くたびに唸ります。


Love Makes the World

 

そんな歴史上の人物状態のキャロルが、今度はなんと、2007年に来日公演をしたんです! 実に15年ぶりの来日単独公演だということです。最初に来日のニュースを知ったときは、「え? えええぇーーー???」と若干パニックに陥りました。そしてもちろん行ってきましたよ、15年ぶりの来日コンサート!

それはもう、どれだけ感動したかって! 生キャロルを拝むなんて一生無理って思ってたというか、無理とかじゃなくて考えてみたこともなかったという状態だったので、ただただ信じられない気分でした。目の前で起こってることが奇跡としか思えない。そんな夢のような時間でした。

60代半ばだというのに、とてもパワフルなステージでした。ファンを喜ばせることを第一に考えた素晴らしいステージ・コンセプトに、古い曲から新しい曲までバランス良く聴かせてくれて、アンコールでは『ロコ・モーション』をみんなで歌って踊って。

このときの素晴らしいワールド・ツアー『Welcome to my living room』は、DVDで発売されています。ぜひ観てみてください。音楽の素晴らしさに触れるだけでなく、キャロルの人柄が伝わってくるようで心が温かくなる、そんなステージです。


Welcome to my living room [DVD]

 

2010年にはジェームス・テイラー(1960年代から活躍しているシンガーソングライター。キャロルとは数十年来の大親友)とのコラボ公演で再び来日してくれたので、それも観に行ってきました。これまた最高でしたよ! 長年の親友同士であり音楽仲間である2人による、息のピッタリ合ったステージングに夢中になりました。

それ以降のキャロルは、ちょっとしたミニアルバムを出したり、ちょろっと新曲をiTunesで公開したり、ちょくちょくライブもやったり、70代になっても相変わらず精力的に活動しています。キャロルについて書きたいことは他にも山ほどあるけど、とりあえず今回はこのくらいにしておきます。また機会があれば、他の曲もいろいろご紹介したいです。

以上、私が最も尊敬するミュージシャン、キャロル・キングの簡単なご紹介でした。「簡単、簡単と言う割には長かった」って思われそうだけど、本気で書いたらこの30倍以上の分量になります。だから本気でキャロルについて書くときは、キャロル本の出版になると思います(笑)

 


Sakiko Torii
About Sakiko Torii
BLOOMINT MUSICの運営者。イギリスでの音楽留学経験を生かした音楽的に深みのある記事が売り。独自スタイルのライブ企画、楽曲リリースのコーディネート、ライター活動、各種メディア出演など、韓国ヒップホップにおいて多方面に活躍中。著書に『ヒップホップコリア』。別名ヴィヴィアン。
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