Report | Ben Folds Five 再結成ツアー2013 (1/2)


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2013年2月16日と18日、Ben Folds Fiveのコンサートに行ってきました! まずは16日のレポをお届けします。

感想を一言で言うと「天才音楽家たちの才能にノックダウン」って感じでしょうか。芸術に触れるって本当に素晴らしい! いきなりありきたりな安っぽい表現で申し訳ないですが、本当にそれしか言いようがないんです。「天才」「芸術」この2つのワードが常に頭の中に浮かぶ感じでした。

Ben Foldsのピアノの腕前は当然のこと、Darren Jesseeのドラムのリズム・パターンも幅広くてめまぐるしく、Robert Sledgeのベースラインも曲によってカラーをクルクルと変えて、3人の演奏に釘付けでした。Robertがダブルベースを弓で弾いた瞬間に昇天! そして3人の歌声のハーモニーに悶絶!

このライブに行かなかった自分というのが想像もつかないくらい、自分の中でとても大きな位置づけとなるような公演でした。魂が大きく揺さぶられっぱなしの2時間でした。だって、このバンドのファンになって16年も経って、初めて生で観れたんだもんね。再結成は絶対に無いと思ってたから、一生観れないもんだと思ってました。

実は約2年前にBen Foldsのソロライブに行った時、ちょっとしたレポを書いたことがあります。しかし文章を書き始めてまだ間もない頃のものですので、レポとは到底呼べないひどい出来栄えでして……。なかなかひどいもんですが、恥を忍んで晒しておきます。

 

そんなわけで、まずは前回書きそびれた彼らのプロフィールを簡単にご紹介したいと思います。Ben Folds Five(ベン・フォールズ・ファイブ)は、ピアノ&ボーカル担当のBen Foldsを中心に1993年にアメリカで結成された3人組のロックバンドです。2000年に解散しましたが、去年(2012年)まさかの再結成をしてアルバムをリリース。バンドとしての来日は、なんと13年ぶりなのです!

ロックバンドでありながらギターが不在という異色のバンドです。ピアノ、ベース、ドラムの組み合わせって、完全にジャズトリオですよね。そしてバンド名は3人なのに「Five」。単に「Ben Folds Three」よりも語感がいいからというのが理由らしい(笑) 音楽性はジャジーで、ロックで、ポップで、パンクな独自スタイルです。また、Benの立ったままピアノを弾くスタイルは、日本でもチラホラ真似をしている人がいますね。「新しい!」とか言われてるけど、「Benは20年前からこのスタイルです!」と、声を大にして言いたい!

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彼ら……というか、Benが基本的に変な人で、いちいちシュールなギャグを盛り込んできます。例えばデビュー前にBenが自主制作でリリースした『Five songs about Jesus(イエス様について歌った5曲)』というアルバムがあるのですが、収録されてるのは4曲で、しかも1曲もイエス様について歌っていないという(爆)

ほかにも、数年前に広島での公演中にステージから落ちて頭を打って血まみれになったという事件が起こったのですが、後から『HIROSHIMA』というタイトルでそのときのことを歌にしちゃったり。しかも日本語バージョンまでリリースしました(爆)

歌詞は「OH OH くそ~ そう、落ちて頭ゴーン!」とか「鍵盤の上はボクの血で真っ赤っか」とか「気になって病院で撮ったぜレントゲン そうヒロシマの記念写真だ!」というものです。これを日本語で歌ってるの(笑) Benは日本が大好きなので(なにせBen Folds Fiveが最初にブレイクした国が日本なのです)、このほかに2曲ほど日本語の曲をリリースしています。そして日本では自分のことを「Benちゃん」と呼んでいます(笑)

そんなBenちゃんのソロライブはこれまでも何度か行ったことがありますが、今回は初のBen Folds Fiveです! ドキドキMAXで会場の昭和女子大学の人見記念講堂へと向かいました。人見記念講堂のキャパは約2千人です。生楽器による演奏(音)を楽しむのであれば、このぐらいのキャパが限界ではないかと思います。そしてBenのソロのときもそうなんだけど、いつも予定時間ピッタリに始まるのが偉い。ただ、開場から開演まで30分間と短いので、若干焦ります。

このところ大きなの会場でのコンサートが続いていたため、小さめの会場でロックバンドの生演奏を聴いたのが久々でした。やっぱり綺麗に調整された音を巨大な会場でスピーカーを通して聴くより、このアンバランスで生々しい音をリアルに体感するほうが何倍もいいですね。音が生きてるっていうか。ピアノの音も、ベースの音も、ドラムの音も、ひとつひとつが力強く生きてるんです。

そして伴奏のうまさ! うまいだなんて言葉を使うのもおこがましいくらいの腕前です。Benのピアノの腕前については動画で確認していただくのが早いかと思います。これはもう10年以上も前のBenのソロライブの動画だけど、Ben Folds Fiveの代表曲のうちの1つ『Philosophy』という曲で、今回の公演でもやりました。全部聴いてほしいけど、特に3:50~のピアノソロに注目してもらいたいです。これぞ私が「神の指」と呼ぶBenのプレイ!

ね!!!????

すごいでしょ!!!??

Benはピアノを「打楽器のように弾く」と言われています。でもバラード曲を弾くときは、本当に優しく美しい音色を奏でるんですよ。本当にすごいプレイヤーです。しかもBenってドラムもベースもうまいんです。最初のソロアルバムでは全曲、自分でほとんどすべての楽器を演奏しました。

そしてRobertがダブルベースを弓で弾いたことを上述したけど、それが下の動画で確認できます。2012年9月にアメリカのカンザスで行われた公演の動画で、今回日本でやったのと同じツアーです。Robertが弓でベースを奏でた瞬間、会場が「ヒューー!!」って叫び声の嵐になって感動しました。『Sky High』という曲で、今回再結成してリリースされた最新アルバム『The Sound of the Life of the Mind』に収録されています。

 


The Sound of the Life of the Mind

 

そういや公演の途中でBenちゃんが、カントリー音楽界の大御所、Willie Nelsonが先日80歳になったことを祝うために、みんなでハッピーバースデーを歌った動画を撮りたいって言い出して。協力してくれって(笑)

iPhoneの動画撮影ボタンを押したときのあの「ポンッ」って音が、マイク越しに会場に響いた時のシュールさっていったらもう(爆) そしてiPhoneを客席のほうに向けて撮影開始。観客全員でハッピーバースデーを熱唱しました。「Happy birthday dear Willie~」って2千人で大合唱ですよ。なんで今ここでWillie Nelsonに向かってこんな熱唱してるのか、この状況そのものがシュールで笑えました。とにかくBenはいちいちシュールで大好きです。

あと、観客のみんなで歌うお決まりの曲があるんだけど、結構難しいのにみんな上手なんですよね。これは去年10月のデトロイト公演の時の『Army』って曲の動画だけど、バンドの演奏レベルにも悶絶、ファンの歌にも悶絶します。曲は0:36あたりから始まって、そして2:35あたりからファンたちが歌います。日本公演でもバッチリでしたよ!

 

ちなみにBenのソロ曲からは『Landed』だけやりました。あと、新しいアルバムの音楽性が昔と変わってないので(Benのソロではそこそこの変化が見られた)、昔の曲なのか新しい曲なのか私の中で混ざってしまったようです。昔の曲ばかりやったように感じたんだけど、帰宅後に確認したらニューアルバムからもたくさんやってた。Benがソロで音楽性を少しずつ変えていっても、この3人が集まると色褪せない「Ben Folds Fiveサウンド」が再びできあがるんだなぁって再確認しました。

そして生で観たのは初めてだから何とも言えないけど、過去のDVDと比べても確実に進化したように思う。サウンドは変わらないけど、プレイが成熟したというか。とにかく本当に本当に感動しました。素晴らしい芸術に触れることができて幸せです。Benちゃん、Robert、Darren、ありがとう!

2日目のレポに続く

 


Sakiko Torii
About Sakiko Torii
BLOOMINT MUSICの運営者。イギリスでの音楽留学経験を生かした音楽的に深みのある記事が売り。独自スタイルのライブ企画、楽曲リリースのコーディネート、ライター活動、各種メディア出演など、韓国ヒップホップにおいて多方面に活躍中。著書に『ヒップホップコリア』。別名ヴィヴィアン。
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