Craig David (クレイグ・デイヴィッド)

Written By Sakiko Torii

トップ画像には最近の写真を貼るべきか迷ったのですが……。

というのも、ここ5年くらいでルックスが劇的に変わってしまって……。

迷い散らかした結果、Craig David(クレイグ・デイヴィッド)と聞いて多くの人が思い浮かべるのはこの写真ではないかと思い、これをチョイスしました。デビューアルバム『Born to do It』のジャケット写真です。

 

ご参考までに、今の写真を貼ります。

この少年が……

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……こうなった。

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この少年が……

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……こうなった。

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たった10年のうちに!!!

今あなたが応援しているあのアイドルグループの細マッチョの彼も、シュッとしたアゴのラインの彼も、10年後にはどうなってるか分かりませんよ! まあ私はCraig Davidの顔ではなく歌声や音楽に惚れこんでいるので、イカツく老けようが全然構わないんですけどね。ただちょっとビックリするだけで(笑)

 


 

では、簡単にCraig Davidのプロフィールを紹介します。

1981年生まれですので、2012年現在は31歳です。ブラックミュージックというと自動的にアメリカ人を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、イギリス人です。イギリス人と言っても、お父様がカリブ系でお母様がユダヤ系です。イギリスは多民族国家ですので、一口にイギリス人と言っても血筋は様々なのです。

Craig Davidは、デビュー前である18歳の頃にArtful Dodger(アートフル・ドジャー)というUKガラージのデュオの曲にフィーチャリングしました。UKガラージとは音楽ジャンルのひとつで、1990年代にイギリスで流行したハウス系のエレクトロ・ダンスミュージックです。そのフィーチャリングした曲のうち、1999年にリリースされた『Re-Rewind』という曲が大ヒットしました。ヒットもヒット、スマッシュヒットです。当時私はイギリスに住んでいたのですが、毎日のようにラジオで流れていたし、若者たちはクラブでこれを大声で歌いながら踊りまくってました。

 

そして2001年、ファーストアルバム『Born to do It』をリリースします。


Born to do It

 

当時、ロンドンの地下鉄の各駅にはこのアルバムの大きな広告がたくさん貼られていました。私も流行に乗っかってアルバムを買ったのですが、最初にCDプレーヤーで再生して聴いた瞬間、「これは本当に買って良かった! 大当たりだ!」って思いました。このアルバムの収録曲は全曲紹介したいくらいなのですが、そういうわけにもいかないので必死に絞って3曲だけ紹介したいと思います。

まずは『Walking Away』という曲。当時17歳のCraig Davidが書いたこの曲を聴いたレコード会社の人が、「17歳の少年がこれほどの曲を書くなんて!」と激しく感動したそうです。とりあえず曲を聴いていただければ、その感動の意味が分かると思います。

ところでCraig Davidのミュージックビデオはストーリー性が高いものが多く、曲が始まる前の前置きが長いのが特徴です。このビデオはマシなほうですが、とっとと曲を聴きたい方は0:26あたりから再生してください。

 

そしてそのレコード会社の人は、引き続き『Seven Days』という曲を聴き、その場で契約をしたんだとか。これもまた、とりあえず聴いていただければ納得されるのではないかと思います。この曲はキレイな女性をナンパする内容の歌詞なのですが、歌詞の内容とミュージックビデオがシンクロしているのがとてもおもしろいです。

曲は0:51あたりから始まります。切ないメロディ、中毒性のあるビート、そしてギターの音色がとても印象的ですよね。洗練されている中にどこか懐かしい渋さを残す名曲です。

 

続いてご紹介したいのは『Rendezvous』という曲です。難しいスペルですが、ランデブーと読みます。これは私がCraig Davidの歌声に惚れこんだきっかけとなった曲です。この曲がリリースされた当時、私はロンドンのゴルフ場の中にあるバーでバイトをしていました。そのバーの中に設置されたテレビでいつもMTVが流れていたのですが、ある日この曲のミュージックビデオが流れた時、グラスを洗う手が止まって画面にくぎつけになりました。「なんて歌声なの!!!」って。

歌声も素晴らしいですが、イントロのポポポンって音だけでも悶死です。楽器の使い方、エフェクトの入れ方、とてつもない完成度の高さです。若い皆さんは普通に感じるかもしれませんが、2001年当時、これはかなり先鋭的でした。 コーラスのアレンジメントも完璧だし。「とんでもない新人が現れたな!」と思いました。今でも頻繁に口ずさんでいるお気に入りの一曲です。曲は0:15あたりから始まります。

 

そしてセカンドアルバム『Slicker Than Your Average』が2002年にリリースされました。


Slicker Than Your Average

 

Craig Davidって、そもそもイギリス人なので言葉がキレイなんです(アメリカ人へのディスではない)。だからセカンドアルバムはサウンド的にはヒップホップ寄りなんだけど、罵り言葉やスラングがまず出てこないんです。私は今でこそヒップホップも聴くようになってアメリカのスラングに慣れてきましたが、元々どの言語であっても言葉を著しく崩すことがあまり好きではなくて。そういう意味で、Craig Davidの曲は聴いてて安心感があるというか。セカンドアルバムは強気な歌詞もあったりするんですけど(業界の奴らは俺を一発屋だと言っていたが、見てみろよ、2枚目が出るぞ! みたいな内容)罵倒語を並べて罵ったりは絶対にしません。

私はこのセカンドアルバムも大好きで、発売から10年経った今でもよく聴いています。先週も通勤中に聴いたな。そしてこのアルバムもまた全曲紹介したいところなんだけど、必死に2曲に絞りました。

まずは『Rise & Fall』という曲です。あのStingがフィーチャリングしています。それにしてもStingって、いくつになっても色気がありますねー。もちろん曲自体も大好きなんだけど、このミュージックビデオはSting見たさに何度もリピートしてしまいます。魔性の男め! このこの!

 

お次は『Hands Up in the Air』という曲です。これはCraig Davidのすべての曲の中で、私が一番好きな曲です。焦燥感あるリズムが胸にグッとくるし、ひとつひとつの音色の選択が絶妙で、何百回聴いても聴くたび「この音!」っていう発見があるんです。一度再生すると、毎回そのまま10回くらい連続で聴いちゃう中毒性。メロディも動きも美しく、Craig Davidのボーカルも素晴らしく、これはとにかく皆さんに絶対に聴いてもらいたい一曲です。

 

そしてセカンドアルバムから3年経った2005年、サードアルバム『The Story Goes…』をリリースしました。


Story Goes

 

このアルバムはセカンドとは打って変わって、全体的に優しくて柔らかい感じです。確かおばあ様が亡くなったとかで、おばあ様に捧げたアルバムだったような記憶。

サウンド的には、セカンドに比べると若干ファーストに戻ったような感じもあるけど、もっとポップ寄りかな。ノリのいい曲でも優しい雰囲気が漂ってるし。物足りない印象を持つ人もいるかもしれないけど、じっくり聴くと「はぁ、いい曲~!」ってしみじみしちゃう曲がたっぷり詰まっています。そんな中、とびきり柔らかくて切ない『Don’t Love You No More (I’m Sorry)』をご紹介します。「もう君のことは愛してない(ごめんね)」という曲名からして切ない!

 

それから2年後の2007年、4枚目のアルバム『Trust Me』をリリースしました。


Trust Me

 

このアルバムが出たときの最初の印象は、音楽うんぬんじゃなくて、とにかくルックスが大幅に変わってしまったことによる衝撃。「え、これ誰?」みたいな。そりゃルックスで好きになったわけじゃないし、そんなことで興味が失せたりすることもないんだけど、それにしても上の『Don’t Love You No More (I’m Sorry)』からわずか2年で、人ってここまで変われるものなのかって純粋に驚いた。

そしてこのアルバムは音楽性も大幅に変わったように感じました。1枚目と2枚目のアルバムで確立された、いわゆる「Craig Davidらしいサウンド」っていうものが3枚目で薄れてきたところ、4枚目で一気にアメリカっぽくなった感じ。アメリカっぽいのも好きだけど、だったらアメリカ人の曲聴くかなって思ったのも事実。

でも1曲目の『Hot Stuff』はかなり好きで、リリース当時はかなりリピートしてました。ミュージックビデオも一時期は毎日観てた。通勤電車の中でアホみたいにリピートしてました。そして、そんだけ観てればルックスの変化にもすっかり慣れてしまいました(笑) この曲はDavid Bowie(デヴィッド・ボウイ)の『Let’s Dance』をサンプリングしてますね。一定の年齢以上の人であれば一度は聴いたことがあると思われる、David Bowieの代表曲です。

 


 

これ以降、2012年9月時点でフルアルバムは出ていませんが、ベストアルバムは一枚出したので、これから初めてCraig Davidを聴いてみようかなって思っている人にはベストアルバムから聴いてみるのも良いかもしれませんね。


Greatest Hits

 

他にも紹介した曲がたくさんあるのですが、これ以上動画をたくさん貼ると逆にCraig Davidの良さが伝わりにくくなってしまう気もするのでこの辺にしておきます。あとはアルバムを買って聴いてください!

そしてCraig Davidの活動状況ですが、今は新しいレーベルに移籍したようで、来年にはニューアルバムを出してワールドツアーも開催する予定だそうです。日本にも来てくれたらいいな!

 

writerSakiko Torii

BLOOMINT MUSICの運営者。韓国ヒップホップ・キュレーターとして執筆、ライヴ主催、音源/MV制作サポート、メディア出演など多方面に活躍中。イギリスに音楽留学していた本格派。著書に『ヒップホップコリア』。



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